天職みつかーる
更新日:2026/01/20

職務経歴書で「成果」が書けない?採用担当に刺さる数値化・言語化の極意

職務経歴書で「成果」が書けない?採用担当に刺さる数値化・言語化の極意

この記事の要約

職務経歴書を作成する際、「自分にはアピールできるような立派な成果がない」「毎日淡々と業務をこなしていただけだから、書くことが思いつかない」と筆が止まってしまう方は非常に多くいます。特に、営業職のように明確な売上数字を持たない職種の方にとって、実績欄を埋める作業は大きなハードルとなりがちです。

しかし、採用担当者が求めているのは、必ずしも「社内MVP」や「驚異的な売上記録」のような華々しい実績ではありません。彼らが見ているのは、あなたが業務の中でどのような工夫をし、どのように組織に貢献してきたかという「プロセスの事実」です。視点を少し変えるだけで、日々の当たり前の業務は、魅力的な「成果」へと変換することができます。

この記事では、一見地味に見える業務経験を、採用担当者の心に響く「伝わる成果」として言語化するための具体的なテクニックを解説します。数値化のコツや定性的な評価の見せ方、さらには職種別の改善例文まで、すぐに使えるノウハウを網羅しました。自分のキャリアを正しく評価してもらうための武器を手に入れましょう。

なぜ職務経歴書において「成果」の記述が重要なのか?

職務経歴書において「成果(実績)」の欄がおろそかになっているケースは少なくありません。多くの人が、所属していた部署や担当していた業務内容(To Do)を羅列するだけで終わってしまっています。しかし、採用選考において重要なのは、「何をやったか」だけでなく、「どのように貢献したか」という事実です。

採用担当者が見ているのは「再現性」

企業が中途採用を行う際、最も重視するポイントの一つが「再現性」です。つまり、「この人は自社に入社しても、前職と同じように活躍してくれるだろうか?」という視点で書類を見ています。

単に「営業をしていました」「事務をしていました」と書くだけでは、あなたの能力レベルや仕事への取り組み方は伝わりません。一方で、「目標に対してどのようなアプローチを行い、どのような結果を出したか」という成果のエピソードが具体的に書かれていれば、採用担当者はあなたが自社で働く姿を具体的にイメージできるようになります。

成果とは「能力の証明」である

成果を書くことは、自慢話をすることとは異なります。それは、あなたがビジネスパーソンとしてどのような課題解決能力や遂行能力を持っているかを客観的に証明するための手段です。

たとえ大きなプロジェクトリーダーの経験がなくても、「ミスのない正確な業務でチームを支えた」「業務フローを改善して時間を短縮した」といった事実は、立派な成果となります。これらを言語化することで、あなたの市場価値は採用担当者に正しく伝わるようになります。

「すごい実績」は不要!伝わる成果を書くための3つの基本原則

「実績」と聞くと、何か特別な賞を取ったり、No.1になったりしなければならないと考えがちですが、それは誤解です。大切なのは、置かれた環境の中でどう行動したかを論理的に伝えることです。ここでは、誰でも実践できる3つの基本原則を紹介します。

1. 比較対象を設けて「差分」を見せる

単独の数字や事実だけでは、その凄さは伝わりにくいものです。必ず「比較対象」を用意して、その差分を示すことで成果を際立たせます。

比較の種類記述のヒント
過去との比較前年比、前月比でどれくらい伸びたか、改善したか
目標との比較与えられた目標に対して達成率は何%だったか
平均との比較チーム平均や社内平均と比べてどの位置にいたか

たとえば単に「月間30件契約した」と書くよりも、「チーム平均が20件のところ、プロセスを見直し30件契約(達成率150%)」と書くほうが、あなたの努力と能力が明確に伝わります。

2. プロセス(工夫)をセットにする

結果としての数字だけが並んでいると、それが「あなたの実力」なのか「たまたま運が良かっただけ」なのか判断がつきません。結果に至るまでに「何をしたのか(Action)」を必ずセットで記述します。

具体的な工夫、たとえば「顧客リストの優先順位付けを見直した」「マニュアルを作成して共有した」といった行動事実を添えることで、成果に説得力が生まれ、再現性のアピールにつながります。

3. STAR法を意識する

成果を論理的に、かつ魅力的に伝えるためのフレームワークとして「STAR法」が有効です。この順序で構成することで、誰が読んでも状況が理解しやすい文章になります。

  • Situation(状況): どのような環境や背景があったか
  • Task(課題): どのような役割や課題を抱えていたか
  • Action(行動): その課題に対して、具体的に何をしたか
  • Result(結果): その結果、どのような成果が出たか(数値や定性評価)

この4つの要素を意識してエピソードを組み立てるだけで、職務経歴書の説得力は格段に向上します。

【実践テクニック】成果を「数値化」するための変換ロジック

ビジネスの世界において、数字は共通言語です。可能な限り定量的な表現に落とし込むことで、読み手の主観に左右されない客観的な評価を得ることができます。営業職以外の方でも使える「数値化の変換ロジック」を紹介します。

時間・スピードを数値化する

事務職やエンジニアなど、直接的な売上を作らない職種でも、「時間」は共通の指標となります。業務効率化やスピードアップの事実は、高い能力の証明です。

  • 変換例
    • 作業が早くなった → 作業時間を1件あたり10分から5分へ、50%短縮
    • 納期を守った → 納期遵守率100%を2年間継続
    • 残業を減らした → 業務フロー改善により、部署の月間残業時間を20時間削減

量・件数を数値化する

扱った業務の「ボリューム」を示すことで、あなたの処理能力や経験の深さを伝えることができます。

  • 変換例
    • 多くの問い合わせに対応した → 月間約300件の顧客対応を担当
    • 新人の教育をした → 年間5名の新人教育を担当し、独り立ちをサポート
    • 大規模なシステムに関わった → ユーザー数10万人規模のシステム開発に従事

正確性・率を数値化する

正確さが求められる業務では、ミス率の低さや完了率などを指標にします。

  • 変換例
    • ミスが減った → 入力ミス発生率を前年比で0.5%以下に抑制
    • 顧客に満足してもらえた → アンケートでの顧客満足度95%を獲得(社内平均85%)
概算でもOK

正確なデータが手元にない場合でも、記憶を頼りに「約〇件」「およそ〇割」といった概算値で表現することをおすすめします。数字がゼロの状態よりも、規模感が伝わるほうが圧倒的に有利です。ただし、嘘の数字を書くことは絶対に避けてください。

【実績がない人必見】数値にしにくい「定性的な成果」を輝かせる書き方

すべての仕事が数値化できるわけではありません。数値化が難しい、あるいは数値化すると本質が伝わらない業務の場合は、「定性的な成果」を具体的な事実として記述する戦略をとります。

「他者からの評価」を利用する

自分自身で「頑張りました」と主張するよりも、第三者からの客観的な評価を書くほうが信頼性は高まります。

  • 表彰・選出: 社内MVP、月間優秀賞、グッドデザイン賞などの受賞歴。
  • 顧客の声: 「名指しでの指名数が増加」「顧客から感謝の手紙を受領」。
  • 社内の信頼: 「重要なプロジェクトのメンバーに抜擢」「社内勉強会の講師を依頼された」。

「環境整備・仕組み化」の実績

組織全体のパフォーマンスを底上げするような「仕組み作り」は、企業から高く評価されるポイントです。自分ひとりの成果以上に、組織への貢献度が高いと判断されるからです。

  • マニュアル作成: 属人化していた業務をマニュアル化し、誰でも対応可能な状態にした。
  • ナレッジ共有: 成功事例やトラブル対応策をドキュメントにまとめ、チームで共有した。
  • 雰囲気作り: チーム内のコミュニケーションを促進するための定期ミーティングを提案・主催した。
形容詞ではなく事実で書く

定性的な成果を書く際、「積極的に取り組んだ」「一生懸命努力した」といった形容詞や精神論で終わらせないことが重要です。「〇〇という課題に対し、××というマニュアルを作成した」という具体的な「行動事実」を書くことで、採用担当者はあなたの働きぶりを評価できます。

【職種別】伝わる成果の書き方・例文集(Before/After)

ここからは、職種別に具体的な改善例文を紹介します。NG例(Before)と改善例(After)を比較し、どのように要素を盛り込めばよいかを確認してください。

1. 法人営業の場合

Before(NG例)

既存顧客へのルート営業を担当。売上目標を達成しました。顧客との関係構築に力を入れました。

After(改善例)

既存顧客約50社への深耕営業を担当。顧客の潜在課題をヒアリングシートを用いて可視化し、提案単価の向上に注力しました。その結果、2024年度は前年比120%となる売上〇億円を達成し、部内達成率No.1を獲得しました。

解説

単に「達成した」だけでなく、具体的な社数、どのような工夫(ヒアリングシート活用)をしたか、そして結果の比較(前年比・部内順位)を盛り込むことで、実力が具体的に伝わります。

2. 一般事務・アシスタントの場合

Before(NG例)

データ入力、電話対応、来客対応、備品管理などを担当しました。ミスなく業務を行うよう心がけました。

After(改善例)

営業部10名のサポート業務全般を担当。従来手入力で行っていた集計業務にExcelのマクロを導入し、月間作業時間を約10時間短縮しました。また、よくある問い合わせに対するFAQマニュアルを作成し、新人スタッフの教育コスト削減に貢献しました。

解説

「ミスなく」という心がけを、具体的な「業務効率化(時間短縮)」や「仕組み化(マニュアル作成)」という事実に変換しています。サポート業務であっても、能動的に改善できる人材であることをアピールできます。

3. エンジニア(SE/PG)の場合

Before(NG例)

Javaを用いたWebアプリケーション開発を担当。詳細設計からテストまで行いました。バグを出さないように注意しました。

After(改善例)

Javaを用いた会員数50万人規模のECサイト開発において、詳細設計~結合テストを担当。過去のバグ傾向を分析してテスト項目を見直し、手戻り工数を前プロジェクト比で20%削減しました。また、チーム内のコードレビューを主導し、品質向上に努めました。

解説

使用技術や規模感に加え、「工数削減」や「品質向上」への具体的なアプローチ(分析・レビュー主導)を記述することで、技術力だけでなくプロジェクト推進能力も示しています。

4. 接客・販売スタッフの場合

Before(NG例)

アパレル店舗での接客販売を担当。お客様に笑顔で対応し、おすすめ商品を提案しました。

After(改善例)

アパレル店舗にて接客販売および店舗レイアウトを担当。顧客の視線や動線を分析してレイアウトを毎週変更する施策を実施しました。この取り組みにより、滞在時間が延び、客単価が前年比110%に向上しました。また、リピーター獲得のために手書きのサンキューカードを送付し、月間指名数1位を記録しました。

解説

接客という行動を「動線分析」や「サンキューカード」といった具体的な施策に分解し、それが客単価や指名数という数字につながったことを示しています。

もし、これらの例文を見ても「自分の場合はどう書けばいいか分からない」と悩む場合は、転職エージェントの添削サービスを利用するのも一つの手です。dodaやリクルートエージェントなどの大手サービスでは、プロの視点で職務経歴書のブラッシュアップを行ってくれます。

現代流のアプローチ:生成AIを活用して成果を言語化する

自分のやってきたことを客観的に言葉にするのが苦手な場合は、ChatGPTなどの生成AIを「壁打ち相手」として活用する方法も有効です。AIに質問を投げかけることで、自分では気づかなかった成果の切り口が見つかることがあります。

成果を引き出すプロンプト例

以下のような指示(プロンプト)をAIに入力してみてください。

プロンプト例

私は一般事務として3年間働いてきました。主な業務はデータ入力と電話対応ですが、自分なりに「入力ミスを減らすためのダブルチェック」や「電話の取り次ぎをスムーズにするための社員リスト更新」などの工夫をしてきました。

これらの経験を、職務経歴書の自己PRや実績欄で使えるように、具体的で魅力的なビジネス文書に変換してください。可能であれば、定性的な成果としてアピールする表現を3パターン提案してください。

このように、自分の状況と工夫した点を箇条書きで伝えるだけで、AIが職務経歴書に適した表現案を出してくれます。

AI活用時の注意点

AIが出力した文章はあくまで「案」です。そのままコピー&ペーストするのではなく、必ず自分の言葉で修正してください。また、事実と異なる誇張表現が含まれていないかを確認することも重要です。AIをサポーターとして使いながら、最終的には自分の責任で事実に基づいた文章を完成させましょう。

まとめ

職務経歴書における「成果」とは、特別な才能の証明ではなく、あなたが仕事に対してどう向き合い、どう行動したかという「足跡」そのものです。

  • 数値化: 比較対象を設け、時間や率で表現する。
  • 具体化: プロセスや工夫をActionとして記述する。
  • 再現性: 「次も同じように活躍できる」と思わせる。

この3点を意識するだけで、あなたの職務経歴書は見違えるほど説得力を持ちます。「自分には何もない」と諦める前に、日々の業務を一つひとつ振り返ってみてください。そこには必ず、あなたなりの工夫や貢献が隠れているはずです。

もし、一人で完成させることに不安があるなら、転職のプロであるエージェントに相談し、客観的なアドバイスをもらうことをおすすめします。第三者の視点が入ることで、自分では気づけなかった強みが発見できるかもしれません。

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