新卒の平均年収・初任給相場は?手取り額のリアルと年収アップ転職術
この記事の要約
働き始めたばかりの20代の方の中には、毎月の給料明細を見て「自分の給料は周りより低いのではないか」と不安を感じる方も多い傾向があります。家賃や生活費を支払うと手元にほとんどお金が残らず、将来のキャリアに対して悩みを抱えるのは珍しいことではありません。
本記事では、厚生労働省の最新データをもとに、新卒の平均年収や初任給の相場を学歴別・年次推移別に解説します。額面と手取りの違いから、優良企業へ転職するための実践的なノウハウまで、20代が給与アップを目指すために必要な知識を網羅的にまとめました。
【現状確認】自分の給料、もしかして低い?新卒・20代が抱える給与の不安
働き始めたばかりの20代の方の中には、毎月の給料明細を受け取って「自分の給料は周りの同世代より低いのではないか」と不安を感じる方が多い傾向があります。
学生時代には「社会人になれば自由にお金が使える」と期待していたものの、いざ働き始めると、社会人や新卒の給料事情の厳しさに直面するケースは少なくありません。
実家暮らしであればある程度の余裕があるかもしれませんが、一人暮らしの場合は生活費の負担が大きくのしかかります。
たとえば、毎月の家賃に6万円から8万円、食費に3万円から4万円、水道光熱費や通信費に2万円程度かかると、それだけで生活費の多くが消えてしまいます。
さらに、奨学金の返済を抱えている方であれば、毎月1万円から3万円の支出が固定で発生するため、自由に使える手元のお金はごくわずかになってしまうのが現実です。
このような状況が続くと、「新卒の給与の平均はどれくらいなのか」「この給料で将来結婚や生活設計ができるのか」といった悩みが膨らみやすくなります。
自分の給与が適正水準かどうかを客観的なデータで知ることは、漠然とした不安を解消し、これからのキャリアをどう築いていくかを判断するための重要な第一歩です。
次章からは、厚生労働省などの公的データをもとに、新卒の平均的な給料や年収の相場を具体的に確認していきます。
【データで見る】新卒の平均年収・初任給のリアルな相場
新卒採用における初任給の平均は、学歴や企業規模によって異なります。
まずは、厚生労働省が発表した「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」をもとに、学歴別の初任給(基本給相場)を確認しましょう。
学歴別の初任給相場
以下の表は、新規学卒者の平均的な賃金(額面)をまとめたものです。
| 学歴 | 賃金(男女計) |
|---|---|
| 高校 | 207.3 千円 |
| 専門学校 | 230.7 千円 |
| 高専・短大 | 235.5 千円 |
| 大学 | 262.3 千円 |
| 大学院 | 299.0 千円 |
(出典:厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」、令和7年)
※賃金は令和7(2025)年6月分として支払われた所定内給与額の平均。単位は千円。
このデータから、大卒の初任給相場は約26万2,000円、高卒の場合は約20万7,000円となっており、学歴によって数万円の差があることがわかります。
また、専門学校卒や高専・短大卒の方の初任給は約23万円台となっており、学歴や取得している専門資格に応じた賃金テーブルが設定されていることが一般的です。
新卒初年度の年収は、この基本給の12ヶ月分に夏の寸志(数万円程度)や冬の賞与(ボーナス)を足した金額が目安となります。
一般的な企業であれば、社会人1年目の年収は約300万円から350万円の範囲に収まる傾向があります。
ただし、歩合制(インセンティブ)の割合が高い営業職や、特定のITスキルを持つ専門職の場合は、新卒初年度から400万円を超えるケースも存在します。
近年の初任給推移と賃上げの背景
近年の新卒の初任給は、過去の傾向と比較して明確な上昇トレンドを描いています。
以下のデータは、新規学卒者(大学)の平均賃金の推移を示したものです。
| 年 | 新規学卒者(大学)の平均賃金推移 |
|---|---|
| 2020年 | 22万6,000円 |
| 2021年 | 22万5,400円 |
| 2022年 | 22万8,500円 |
| 2023年 | 23万7,300円 |
| 2024年 | 24万8,300円 |
(出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」、2020年〜2024年)
2021年の新卒初任給や2022年の新卒初任給は22万円台で推移していましたが、2023年の新卒初任給は23万円台後半へと大きく上昇し、2024年には約24万8,000円という高い水準に達しています。
この大幅な賃上げの背景には、深刻な物価高騰への対応に加えて、少子高齢化に伴う若手人材の獲得競争の激化があります。
特に、IT・通信業界、総合商社、大手メーカーなどの企業群では、優秀な学生を確保するために、初任給を従来の相場よりも数万円単位で引き上げる動きが目立っています。
以下のデータからも、初任給を引き上げる企業が急増していることがわかります。
| 年度 | 初任給を全学歴で引き上げた企業の割合(東証プライム上場企業等) |
|---|---|
| 2021年度 | 17.1% |
| 2022年度 | 41.8% |
| 2023年度 | 70.7% |
(出典:一般財団法人 労務行政研究所「新入社員の初任給調査」、2021年〜2023年)
このように、新卒の平均月収や初任給の相場は、経済状況や労働市場のトレンドに合わせて年々変化しています。
過去の常識にとらわれず、最新のデータと自分の給与を比較し、客観的に評価することが重要です。
額面と「手取り」は違う!新卒1年目の手取り額はいくらになる?

求人票や採用通知書に記載されている「初任給(額面)」と、実際に銀行口座に振り込まれる「手取り」は異なる点に注意が必要です。
新卒の賃金として提示されている金額が、そのまま生活費として使えるわけではありません。
給与明細を見ると、額面の金額から各種の税金や社会保険料が差し引かれていることがわかります。
額面から引かれる主な項目
具体的に、給与の額面からは以下の項目が控除されます。
- 健康保険料
病気やケガの際の医療費負担を軽減するための保険です。保険料は企業と従業員で折半して支払います。 - 厚生年金保険料
将来の老齢年金や、万が一の際の障害年金を受け取るための制度です。こちらも企業との折半となります。 - 雇用保険料
失業した場合の給付金や、育児・介護休業中の給付などを受け取るための保険料です。 - 所得税
個人の所得に対して国に納める税金です。給与額に応じて毎月概算で天引き(源泉徴収)され、年末調整で正確な金額に清算されます。
これらの控除額を差し引くと、一般的に「額面の約8割」が手取りの目安となります。
たとえば、新卒の初任給が22万円の場合、健康保険料と厚生年金保険料で約3万円強、雇用保険料と所得税で数千円が引かれ、実際の手取り額は約17.5万円から18万円程度に落ち着く計算です。
社会人1年目の年収を計算する際も、額面ではなく手取りをベースに家賃や生活費をシミュレーションすることが、経済的なゆとりを持つための鍵となります。
新卒1年目の給料からは住民税が引かれませんが、2年目の6月からは前年の所得に基づいた住民税の控除が始まります。そのため、2年目に昇給が少なかった場合、1年目よりも手取り額が減ってしまう可能性があります。
新卒の平均的な給料や年収を考える際は、このような税金の仕組みも理解しておくことが大切です。
就活・転職面接で「希望年収」を聞かれたらどう答える?
就職活動や第二新卒の転職活動において、選考が進むと面接官から「希望年収はいくらですか?」と質問されることがあります。
企業側が面接で希望年収を質問する理由は、自社の給与規定(予算)と候補者の希望に大きな乖離がないかを確認するためです。
また、候補者が自分自身の市場価値や新卒の給与相場を客観的に把握できているかを見極める意図も含まれています。
希望年収の論理的な回答ノウハウ
新卒で希望年収を聞かれた場合、自分の希望を率直に高すぎる金額で伝えると、「実務経験がないのに自己評価が高すぎる」と悪印象を与えてしまうリスクがあります。
一方で、遠慮して低く見積もりすぎると、足元を見られて相場より低い金額で採用されてしまう可能性も考えられます。
そのため、新卒者の初任給の相場や、第二新卒であれば前職の給与をベースにした論理的な回答を心がけることが重要です。
以下に、実践的な回答例をいくつか紹介します。
- 業界平均を根拠にする場合
「業界の平均的な水準である〇〇万円程度を希望しておりますが、実務経験が浅いため、最終的には御社の規定に従います」 - 前職の給与を根拠にする場合(第二新卒の場合)
「前職での年収が〇〇万円でしたので、生活基盤を維持するためにも同等以上の〇〇万円を希望しております。もちろん、入社後の実績で評価していただければと考えております」
未経験の職種に挑戦する場合や、特別なスキルをアピールできない状況であれば、「御社の規定に従います」と答えるのも無難な選択肢です。謙虚な姿勢を示すことで、企業側に柔軟性をアピールできる傾向があります。
面接に臨む前に、応募する業界の新卒の基本給相場や、求人票に記載されている給与テーブルをしっかりとリサーチしておくことが、面接官に納得してもらえる論理的な回答につながります。
今の給料が相場より低いと感じたら?ブラック企業の見極め方
自分の給料が世間の新卒の平均年収より低いと感じた場合でも、「給料が安いから即ブラック企業だ」と断定するのは避けるべきです。
給与水準は、企業の規模だけでなく、地域特性や業界の利益率によって大きく異なる傾向があります。
たとえば、地方に拠点を置く企業は、都市部と比較して生活コスト(家賃など)が低い分、新卒の基本給相場も控えめに設定されているケースが一般的です。
注意すべき搾取のリスクサイン
しかし、以下のような労働条件の不備や法律スレスレの運用が見られる場合は、労働力を搾取されているリスクが高いため注意が必要です。
- みなし残業代(固定残業代)の説明が不十分
求人票や労働条件通知書に「月給25万円(みなし残業代を含む)」とだけ書かれており、それが何時間分の残業に相当するのか、超過分の残業代が別途支払われるのかが明記されていない企業には警戒が必要です。 - 時給換算で最低賃金を割っている
基本給および対象となる諸手当の合計額を、1ヶ月の平均所定労働時間で割った金額が、勤務地の都道府県が定める「最低賃金」を下回っている場合は違法となります。 - 明確な評価制度や昇給の仕組みが存在しない
初任給こそ平均並みでも、何年働いても給料が上がる見込みがない場合、長期的なキャリア形成において大きなマイナスとなります。
もし今の職場環境や給与体系に疑問を感じたら、まずは自分の雇用契約書や就業規則を確認し、客観的な事実に基づいて状況を冷静に評価することが大切です。
20代・未経験からでも年収アップ・優良企業への転職は可能

もしあなたが今の給料や職場環境に不満を感じており、「将来のキャリアが見えない」と悩んでいるなら、20代という若さを活かして優良企業へ転職し、労働環境や給与水準を改善することは十分に可能であると考えられます。
「自分にはまだ大したスキルや経験がないから転職は無理だ」と諦める必要はありません。
第二新卒・未経験歓迎の求人を活用する
20代のうちは、特別な高度専門スキルや輝かしい実績がなくても、仕事に対する意欲やポテンシャル(将来性)を評価されるケースが多くあります。
特に第二新卒での転職市場では、社会人としての基本的なビジネスマナーをすでに身につけており、かつ企業の社風に柔軟に染まりやすい若手人材の需要が高まっています。
未経験歓迎の求人の中には、入社後の研修制度が充実しており、初任給が平均より高めに設定されている安定した企業も多数存在します。
このような優良求人に効率よく出会うためには、20代に特化した転職エージェントの活用が効果的です。
20代向けの転職エージェントは、あらかじめ離職率の高いブラック企業を排除していることが多く、優良企業の求人を厳選して取り扱っています。
専任のキャリアアドバイザーに相談することで、客観的な視点での書類添削や面接対策を受けられるため、初めての転職活動でも安心して進めることができます。
自分の適正な年収相場を知るためにも、まずはプロに相談して市場価値を診断してもらうことから始めてみましょう。
まとめ
この記事では、新卒の平均年収や初任給の相場、額面と手取りの違いについて解説しました。
- 大卒の初任給相場は約26.2万円、高卒は約20.7万円である。
- 2021年から2024年にかけて、物価高騰や人材確保を背景に大企業を中心とした初任給の引き上げが続いている。
- 手取り額は各種税金や保険料が引かれるため、額面の約8割が目安となる。
- 給与が相場より低くても地域差などが影響するが、みなし残業の不備や最低賃金割れには警戒が必要である。
自分の市場価値や適正な給与水準を正しく把握することは、将来を見据えた納得のいくキャリアを築くための第一歩です。
もし「今の給料のままで働き続けることに不安がある」「もっと自分を正当に評価してくれる環境に移りたい」と悩んでいるなら、まずはプロの転職エージェントに相談し、自身のキャリアプランや適正年収を診断してみてはいかがでしょうか。
客観的な視点を取り入れることで、現状を打破し、次の一歩を踏み出す自信につながるはずです。