新卒の手取りが少ない?社会人1年目の平均年収と4月の給料事情
この記事の要約
社会人1年目として働き始め、初めての給料日を迎えたとき、「思ったより手取りが少なくて驚いた」と感じる方は多い傾向があります。
給与明細を見ると、額面の金額と実際に振り込まれる手取り額が大きく異なることがわかります。
本記事では、新卒の手取り事情や、給料から引かれる税金・社会保険料のからくりについて詳しく解説します。
この記事を読むことで、社会人1年目の手取り額の平均相場や、生活を乗り切るための家計管理のコツがわかり、現在の不安を解消するヒントが得られます。
新卒1年目の給料が少ない?手取り額のリアルな悩み
社会人1年目として初めての給料を受け取った際、新卒の手取りが想像以上に少ないことに戸惑う方は少なくありません。
特に一人暮らしを始める場合、この給料で毎月の家賃や生活費を支払い、本当に生活していけるのかと不安になることもあるでしょう。
給料には、会社から提示される「額面」の金額と、そこから税金や保険料が引かれた後に銀行口座へ振り込まれる「手取り」の金額が存在します。
多くの場合、額面から約2割程度が控除されるため、手元に残る金額は予想よりも低く感じられる傾向があります。
社会人1年目の手取りについての不安を解消するためには、まず「何が」「どれくらい」引かれているのか、その仕組みを正しく理解することが大切です。
現在の自分の給料が世間の平均と比べて適正なのかを知り、正しい生活防衛策を身につけていきましょう。
要注意!4月・5月・2年目で変わる「手取り」のからくり

新卒の給料計算において注意すべき最大の落とし穴は、時期によって給料から引かれる金額が変わるという点です。
実は、新卒一年目の給料は、入社直後の4月と、その後の5月以降で手取り額が変動する傾向があります。
4月の初任給は手取りが多く見える
新卒の4月の給料から引かれるのは、一般的に「所得税」と「雇用保険料」のみです。
健康保険料や厚生年金保険料といった社会保険料は、入社した4月から資格が発生するものの、原則として「翌月徴収」となる企業が多くなっています。
そのため、4月に支給される給料では社会保険料が控除されず、結果として額面に対する手取りの割合が大きく見えます。
5月以降の給料から手取りが減る理由
5月に支給される給料からは、4月分の健康保険料および厚生年金保険料の天引きが開始されます。
基本給の額が変わらなくても、控除される社会保険料の項目が増えるため、4月と比べて手取り額が数万円単位で少なくなる傾向があります。
これが、新卒1年目の給料に対して「急に減った」と不満や戸惑いを抱きやすい大きな理由です。
2年目の6月からは住民税の控除がスタート
さらに注意が必要なのが、社会人2年目となる翌年の6月です。
住民税は、前年(1月〜12月)の所得に対して課税される地方税です。
新卒の場合、入社した1年目の所得に基づき計算された住民税が、2年目の6月支給の給料から翌年5月にかけて天引き(特別徴収)され始めます。
これにより、2年目の6月からは控除項目がさらに増え、手取り額が減少するリスクがあることを覚えておきましょう。
住民税は前年の所得に対して課税されます。そのため、学生時代のアルバイト収入等が一定額(年収100万円前後等)を超えている場合は、例外的に1年目から住民税が課税される可能性もあります。
新卒1年目の平均年収と手取り額の相場はいくら?
ここからは、客観的なデータに基づいて、新卒の給料の平均と手取りの目安を見ていきましょう。
自分の給料が世間の相場と比べてどうなのかを確認する材料として活用してください。
学歴別の初任給(額面)の平均額
厚生労働省の調査によると、新規学卒者の学歴別賃金(額面)の平均は以下の通りです。
これは、超過労働給与額(残業代など)を差し引いた、所定内給与額の平均となります。
| 学歴 | 平均賃金(額面) |
|---|---|
| 大学院卒 | 299.0千円 |
| 大学卒 | 262.3千円 |
| 高専・短大卒 | 235.5千円 |
| 専門学校卒 | 230.7千円 |
| 高校卒 | 207.3千円 |
(出典: 厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」、令和7年)
実際の手取り額の目安
給料からは税金や社会保険料が引かれるため、新卒の手取り額は額面の約8割程度になるのが一般的です。
上記の大学卒の平均額面(262.3千円)を基準に計算すると、手取り額は約20万円〜21万円程度になると推測されます。
高校卒の場合(207.3千円)は、手取り額が約16万円〜17万円程度になる可能性が高いです。
扶養家族の有無や住んでいる自治体によって控除額は異なるため、あくまで目安として参考にしてください。
新卒1年目の年収と手取りの事情
新卒の年収と手取りを考える際、ボーナス(賞与)の存在も重要になります。
新卒1年目の年収平均は、基本給の12ヶ月分に加えて、夏と冬のボーナスが加算されて計算されます。
ただし、夏のボーナスは算定期間に在籍していないことが多いため、数万円程度の「寸志」にとどまる傾向があります。
冬のボーナスから本格的に支給されるケースが多いため、大卒の場合、新卒一年目の平均年収は約300万円〜350万円程度になるのが一般的です。
年収ベースでも約2割が控除されるため、新卒1年目の年収と手取りの金額には数十万円の開きがあることを想定しておきましょう。
【実例】手取り17万円!新卒1年目のリアルな家計簿モデル
「手取りが少なくて生活できるか不安」という方のために、新卒一年目の手取り額として現実的な「17万円」を想定した、一人暮らしのリアルな家計簿モデルを紹介します。
残業が少ない月や、各種控除が引かれた後の大卒・高卒の金額として、手取り17万円は一つの目安となります。
手取り17万円での家計やりくりモデル
限られた新卒の収入のなかで、どのように固定費や生活費を配分すればよいのか、具体的な金額のイメージを見てみましょう。
| 項目 | 目安金額 |
|---|---|
| 家賃(共益費込み) | 60,000円 |
| 食費(自炊中心) | 35,000円 |
| 水道光熱費 | 10,000円 |
| 通信費(スマホ・ネット) | 5,000円 |
| 日用品・雑費 | 10,000円 |
| 交際費・娯楽費 | 20,000円 |
| 貯金 | 30,000円 |
もしあなたが手取り17万円で一人暮らしをする場合、家賃を極力抑え、格安スマホを活用して通信費を下げることで、毎月約3万円の貯金を確保することも十分に可能です。
初任給が少なく見えても、決して焦る必要はありません。
無駄な固定費を見直し、計画的にお金を使うことで、安定した生活基盤を築くことができます。
実家暮らしの場合との比較
もし実家から通勤できる環境であれば、家賃や光熱費の負担を大きく減らすことができます。
実家に毎月3万円〜5万円程度を入れたとしても、一人暮らしに比べて自由に使えるお金や貯金に回せる金額が増えます。
将来のための貯蓄や自己投資の資金を効率よく貯めることができるため、実家暮らしを選択することも有効な手段の一つです。
今の手取りは妥当?将来に向けて確認すべき3つのポイント
ここまで、社会人1年目の手取りの平均や家計管理について解説してきました。
しかし、ご自身の給料が客観的に見て適正なのか、いわゆるブラック企業ではないかと不安になることもあるでしょう。
手取り額だけで判断せず、以下の3つのポイントをトータルで確認してみてください。
1. みなし残業代が含まれていないか
基本給のなかに「みなし残業代(固定残業代)」が含まれている場合、注意が必要です。
額面が高く見えても、実質的な基本給が低く設定されており、時給換算すると最低賃金に近くなっているケースも考えられます。
自分の給与明細を確認し、基本給とみなし残業代が明確に分けられているか、規定の時間を超えた分の残業代が正しく支払われているかをチェックしましょう。
2. 福利厚生を含めた実質的な手取りはどうか
給与の額面だけでなく、会社が提供する福利厚生も含めて評価することが大切です。
例えば、毎月3万円の家賃補助が支給される場合、手取りが少し低くても生活にはゆとりが生まれます。
通勤手当の全額支給や、安く利用できる社員食堂の有無なども、日々の支出を抑える大きな要因となります。
目先の手取り額だけで悲観せず、実質的な恩恵も含めて会社の待遇を判断してください。
3. 将来的な年収アップが見込めるか
新卒の手取りが少ないのはある意味で当然ですが、重要なのは「将来的に昇給していく環境か」という点です。
会社の昇給テーブルや人事評価制度を確認し、成果に応じた給与アップが見込めるかを調べましょう。
また、3〜5年上の先輩社員の生活ぶりや役職者の待遇を見ることで、数年後の自分の年収をある程度予測することができます。
給料に不満・将来が不安なら「第二新卒」での転職も視野に

もし、上記のポイントを確認した結果、客観的に見て手取りが相場を大きく下回る、みなし残業が多く労働環境が過酷である、昇給が見込めないといった結論に至った場合は、早めに行動を起こすことが重要です。
過酷な環境で我慢して働き続けることで、メンタルや体調を崩してしまうリスクも考えられます。
ポテンシャル採用枠「第二新卒」の強み
20代前半の社会人1〜3年目の層は、転職市場において「第二新卒」と呼ばれます。
第二新卒は、社会人としての基本的なビジネスマナーを身につけている上、若さと柔軟性があるため、多くの企業から高い需要があります。
未経験の業種や、より待遇の良いホワイト企業へ転職できる可能性が高い時期でもあります。
転職エージェントに相談して客観的な評価を知る
新卒の収入に不満があるけれど、今のスキルで転職できるのか不安という方は、若手向けの転職エージェントに相談してみるのがおすすめです。
キャリアアドバイザーがあなたの適性や市場価値を客観的に評価し、現在の待遇が本当に悪いのか、どのような転職先があるのかをアドバイスしてくれます。
マイナビジョブ20’s
20代・第二新卒の転職支援に特化したサービスです。
専任のアドバイザーが付き、適性診断を通じてあなたの強みを客観的に分析してくれるという特徴があります。
初めての転職でも手厚いサポートが受けられるため、安心して相談できる選択肢の一つです。
第二新卒エージェントneo
若手人材の就職・転職支援において豊富な実績を持つサービスです。
丁寧なヒアリングを通じて、ブラック企業を排除した求人の中から、あなたに合った企業を厳選して紹介してくれる傾向があります。
まとめ
本記事では、新卒の給料の手取り額について、時期によるからくりや平均相場、リアルな家計簿モデルなどを解説しました。
社会人1年目は、新しい環境での業務に慣れるだけでも大変な時期であり、お金に関する不安を抱えるのは当然のことです。
まずは、自分の給料の仕組みと現在の支出を正確に把握し、無理のない生活設計を立ててみましょう。
工夫次第で、限られた手取りの中でもやりくりすることは十分に可能です。
しかし、もし会社の待遇や将来の昇給に対してどうしても納得がいかない場合は、若さを武器に「第二新卒」として新しい選択肢を探すのも一つの手です。
現状に留まるべきか、次の一歩を踏み出すべきか、この記事がご自身のキャリアを見つめ直すきっかけとなれば幸いです。