【20代向け】経理未経験は採用されない?落ちる理由と4つの対策
この記事の要約
「事務職として長く安定して働きたい」と考え、経理職への転職を目指す20代の方は多くいます。しかし、いざ求人を探し始めると「経験者優遇」の文字ばかりが目につき、経理未経験は採用されないのではないかという不安に直面する傾向があります。
本記事では、なぜ企業が未経験者を敬遠しがちなのかという本音と、書類選考や面接で不採用になる具体的な原因を詳しく解説します。厳しい現実の裏側にあるロジックを理解し、20代ならではの強みを活かした実践的な対策を行うことで、未経験からでも経理としてのキャリアをスタートさせることは十分に可能です。
「経理未経験は採用されない」と悩むあなたへ
他業種から経理を目指すにあたり、選考で連続して不採用通知を受け取ったり、応募できる求人が極端に少なかったりして、大きな壁を感じている方は少なくありません。インターネット上の口コミや転職市場の動向を見ても、経理未経験での転職は厳しい道であると語られることが一般的です。
事実として、経理という職種の性質上、企業側は即戦力を求める傾向が強く、未経験者にとっては高いハードルが存在します。しかし、それは「絶対に採用されない」という意味ではありません。
転職市場においては、企業がどのような人材を求めているのか、そしてなぜ未経験者を敬遠するのかという背景を正しく把握することが第一歩となります。相手の事情を理解せずに「簿記を持っています」とだけアピールしても、実務で求められるレベルとのギャップを埋めることはできません。
特に20代や第二新卒の層であれば、前職での経験を「経理に必要な素養」として正しく変換し、企業が安心できる形でアピールすることで、道は開ける可能性が高まります。現状の厳しさを冷静に受け止めつつ、自分の考え方や応募書類の書き方を根本から見直すことが、内定獲得に向けた最も確実な対策となります。
経理未経験の転職が「厳しい」と言われる3つの理由

企業が経理職の採用において、なぜ経験者を優遇し未経験者を敬遠する傾向にあるのかについて解説します。この背景を理解することで、面接官が抱いている懸念を先回りして払拭するための対策が見えてきます。
経理は「ミスの許されない」専門職であるため
経理の業務は、単なる数字の入力作業ではなく、企業の経営状態を正確に把握し、税務申告や決算へと繋がる重要な役割を担っています。
売掛金や買掛金の管理、経費精算、そして月次決算や年次決算といった業務において、ひとつの入力ミスが会社の信用問題や税務上のペナルティに直結するリスクがあります。そのため、企業は「過去に同様のプレッシャーの中で正確に業務を遂行した実績があるか」を重視する傾向があります。
未経験者の場合、この「ミスなく業務を回せるか」という証明が難しいため、企業側は採用に慎重にならざるを得ないのが実情です。
中小企業では教育リソースが不足しているため
日本企業の多くを占める中小企業では、経理部門が数名、あるいは1名の担当者のみで回っているケースが一般的です。
このような少人数体制の職場では、未経験者をゼロから指導するための時間や人材の余裕がありません。先輩社員も日々の伝票処理や決算業務に追われているため、入社直後からある程度自走して業務をこなせる即戦力が求められます。
未経験者を受け入れて育成する余裕があるのは、部署の人数が多く教育体制が整っている一部の大企業などに限られる傾向があるため、必然的に未経験者が応募できる求人の絶対数が少なくなります。
事務職としての人気が高く競争率が激しいため
経理を含む事務系の職種は、肉体的な負担が少なく、カレンダー通りの休みが取りやすいというイメージから、転職市場において非常に人気が高い職種です。
厚生労働省や転職エージェントの統計データを見ても、事務職全般の有効求人倍率は他の職種と比較して著しく低い水準にとどまっています。
| 職種・区分 | 有効求人倍率 | 出典・調査時期 |
|---|---|---|
| 転職市場全体(全職種平均) | 2.96倍 | doda「転職求人倍率レポート」(2025年12月時点) |
| 事務・アシスタント職 | 0.60倍 | doda「転職求人倍率レポート」(2025年12月時点) |
| 会計事務従事者 | 0.67倍 | 厚生労働省「一般職業紹介状況」(令和6年/2024年9月時点) |
| 一般事務従事者 | 0.34倍 | 厚生労働省「一般職業紹介状況」(令和6年/2024年9月時点) |
これらのデータが示す通り、経理(会計事務)や一般事務の有効求人倍率は1倍を大きく下回っており、求職者数に対して求人数が少ない「買い手市場」であることがわかります。さらに、MS-Japanの「経理・財務の転職市場レポート2024」によれば、経理・財務求人のうち未経験OKの割合は約10.3%というデータもあり、限られた未経験枠に多くの応募者が殺到するため、競争が非常に厳しくなる構造があります。
【要注意】書類選考や面接で「落ちる」未経験者のNGパターン
未経験から経理を目指す求職者が、書類選考や面接の段階で不採用となってしまうケースには、いくつかの共通するパターンが存在します。以下の考え方に当てはまっている場合は、面接官に確実に見抜かれる可能性が高いため、早期の軌道修正が必要です。
消極的な理由で経理を志望している
「前職の営業ノルマが辛かったから」「座って自分のペースで仕事ができそうだから」といった、現職からの逃避や消極的な理由で経理を志望している場合、選考を通過することは困難です。
経理の実務は、他部署への経費精算の督促や、経営陣への数値報告など、社内外とのコミュニケーションや調整作業が頻繁に発生します。また、決算期には残業が続くこともあり、決して「楽なデスクワーク」ではありません。
このような甘い認識を持っていると判断された場合、早期離職のリスクが高いと見なされます。もし単純に「座って仕事がしたい」という理由が先行しているのであれば、経理職の厳しさに直面する前に、経理以外の一般事務等を検討すべきです。
「入社してから勉強します」という受け身の姿勢
未経験であることのハンデを認識せず、「会社に入ってから仕事を教えてもらえばいい」という受け身の姿勢が透けて見える志望者は、厳しい評価を受けます。
前述の通り、多くの企業では未経験者を丁寧に手取り足取り教える余裕はありません。業務に必要な知識(簿記や会計ソフトの仕組みなど)を自ら積極的に学び、少しでも早く戦力になろうとする自走力が不可欠です。
面接の場で「どのようなサポート体制がありますか?」と研修の有無ばかりを気にする発言は、主体性の欠如と受け取られるリスクがあります。
経理業務を「単なるデータ入力」と勘違いしている
経理の仕事を「領収書を見て数字をExcelや会計ソフトに打ち込むだけの作業」と捉えている場合も、不採用になる大きな原因となります。
データ入力自体は業務の一部に過ぎず、その数字がどのような意味を持つのか、税務上どのような処理が必要なのかを判断する論理的思考力が求められます。作業の正確性はもちろんのこと、異常値を発見した際に原因を究明する注意力や、数字の裏にある企業の活動を読み取る意識が欠けていると、プロフェッショナルとしての適性がないと判断されてしまいます。
未経験から経理の内定を勝ち取る「4つの打開策」

厳しい現実と落ちる理由を理解した上で、未経験のハンデを覆し、企業に「この人なら採用したい」と思わせるための具体的な打開策を4つ提案します。
日商簿記2級・3級の取得や学習状況のアピール
経理の実務経験がない場合、最低限の会計知識を備えていることを客観的に証明する手段として、日商簿記検定の資格取得は有効です。
特に日商簿記2級は、商業簿記に加えて工業簿記も含まれており、一般的な企業の経理業務を理解する上での土台となります。資格を取得することで、面接官に対する強力な意欲のアピールとなり、採用確率が高まる傾向があります。
まだ取得できていない場合でも、「現在〇月の試験に向けて毎日〇時間勉強しており、過去問では合格ラインに達しています」といった具体的な学習状況を伝えることで、主体的に学ぶ姿勢と熱意を評価される可能性が高まります。
経理に直結するポータブルスキルの言語化
異業種での経験のなかから、経理業務に応用できる「ポータブルスキル(持ち運び可能なスキル)」を見つけ出し、言語化して伝えることが重要です。
経理の仕事において求められるのは、細かな数値の正確な処理、期日を厳守するスケジュール管理能力、そして他部署との円滑な調整力です。
そのため、もしあなたが営業職の出身であれば、「顧客ごとに異なる複雑な見積書を、1円のミスもなく毎月数十件作成し、期日通りに納品を管理した経験」は、経理の「正確性」や「期限管理能力」としてアピールできます。また、もしあなたが販売・サービス業の出身であれば、「毎日のレジ締めや店舗の売上金管理において、差異を出さない仕組みづくりを徹底した経験」が、経理職としての適性を証明する強い根拠となります。
なぜ「その企業の経理」なのかを示す志望動機
未経験者の多くは「経理になりたい理由」ばかりを語りがちですが、企業が知りたいのは「なぜ自社の経理として働きたいのか」という点です。
他社ではなくその企業を選んだ理由を明確にすることで、志望度の高さと定着率の期待値を上げることができます。企業の公式サイトやIR情報を読み込み、その企業の事業内容や将来のビジョンにどのように共感したのか、そして自分が裏方としてどのように事業の成長を支えていきたいのかを具体的に文章化します。
「〇〇業界における御社の安定した成長基盤に魅力を感じ、私の強みである正確な事務処理能力を活かして、バックオフィスから事業拡大に貢献したい」といった、企業視点に立った志望動機を作成することが重要です。
簿記知識だけでなくPCスキルの高さもアピールする
現代の経理業務は、会計ソフトやExcelなどのITツールを駆使して行われます。そのため、簿記の知識だけでなく、実務レベルのPCスキルを持っていることは大きな武器になります。
特にExcelに関しては、SUM関数などの基本操作だけでなく、VLOOKUP関数を用いたデータの突合や、ピボットテーブルを用いた膨大な売上データの集計処理ができると、即戦力に近い評価を得られる可能性が高まります。
前職でこれらを活用して業務効率化を図った実績(例:「マクロを組んで手作業を自動化し、作業時間を月〇時間削減した」など)があれば、職務経歴書に必ず記載し、PCへの抵抗感がないことをアピールしてください。
20代なら「ポテンシャル採用」のチャンスは十分にある
実務未経験であっても、20代や第二新卒という年齢層であれば、これからの成長を見込んだ「ポテンシャル採用」として内定を獲得できるチャンスは十分に広がっています。
企業側も、経験豊富なベテランを採用する余裕がない場合や、自社の社風に馴染みやすい柔軟な若手を育てていきたいと考えているケースが多く存在します。20代の最大の武器は「新しい知識を素早く吸収する柔軟性」と「長期的に企業に貢献できる将来性」です。
ただし、未経験歓迎の求人の中には、経理という名目で採用しながら実際は雑務ばかりを任される職場や、極端な長時間労働を強いる労働環境の整っていない企業が混ざっているリスクも考えられます。求人票の文面だけで職場の実態を見極めるのは困難です。
そのため、ポテンシャル採用を狙う際は、20代や未経験者の転職支援に特化した転職エージェントを積極的に活用することが推奨されます。たとえば「第二新卒エージェントneo」や「マイナビジョブ20’s」といったサービスは、若手向けの求人を豊富に保有しており、独自の企業取材を通じて職場の雰囲気や実際の残業時間などの内部情報を把握しています。
エージェントの担当者と面談を行い、自分のキャリアの棚卸しや模擬面接などのサポートを受けることで、ブラック企業を避けつつ、経理としてのキャリアを歩める優良企業に出会う確率を高めることができます。
まとめ
経理未経験での転職は、企業が即戦力と正確性を求める職種であることや、有効求人倍率の低さから、確かに厳しい側面があります。消極的な理由や受け身の姿勢で臨むと、書類選考や面接で不採用になる可能性が高いと言わざるを得ません。
しかし、その厳しさの背景にある企業のニーズを正しく理解し、20代という年齢の強みを活かすことで、状況は大きく変えることができます。簿記の学習を進めて意欲を示し、前職での経験を「正確性」や「調整力」といった経理に必要なポテンシャルとして言語化することが、成功への近道となります。
まずは自分のキャリアを振り返り、どのようなスキルが経理に活かせるのかを整理することから始めてみてください。未経験に強い転職エージェントの力も借りながら、正しいマインドセットと入念な対策をもって行動すれば、経理としての新たなキャリアをスタートさせることは十分に可能です。自信を持って転職活動の一歩を踏み出してください。