20代中途採用での履歴書の書き方マニュアル
この記事の要約
中途採用の履歴書で迷いやすいのは、書き方そのものよりも「どこまで書くか」です。学歴は中学からか高校からか、数か月で辞めた職歴は伏せてよいのか、アルバイトの経験は職歴に入るのか。判断の軸が定まらないまま書き始めると、手が止まります。
本記事では、20代の中途採用を想定して学歴・職歴の記載範囲の考え方を整理したうえで、JIS規格と厚生労働省推奨様式の選び分け、項目別の記入方法、書かない方がよい資格や避けたい言葉までを解説します。
中途採用で履歴書は必要か

中途採用でも履歴書は原則として必要です。「職務経歴書だけでよい」と案内される求人もありますが、それは応募の入り口で省略されているだけで、選考が進んだ段階や内定後の手続きで改めて求められる場合があります。
ただし、提出のタイミングと形式は応募経路によって変わります。
履歴書の提出を省略できるケース
| 応募の経路 | 履歴書の扱い |
|---|---|
| 企業へ直接応募(自社サイト・メール) | 応募の時点で履歴書と職務経歴書の両方を求められるのが一般的です。 |
| 転職サイトからのWeb応募 | サイトに登録したプロフィールが履歴書の代わりになる場合があります。書類選考を通過した後に、正式な履歴書の提出を求められることが多いです。 |
| 転職エージェント経由 | エージェント指定のフォーマットで作成し、企業へはエージェントが提出します。書式が指定されるため、自分でテンプレートを選ぶ必要はありません。 |
| スカウト・リファラル(社員紹介) | 面談の段階では不要なこともありますが、選考として扱われる段階に入ると提出を求められます。 |
つまり「不要」と書かれていても、それは応募時点の話であることがほとんどです。転職活動を始める段階で1つ作っておき、応募先ごとに志望動機だけ差し替える形にしておくと、急に求められても慌てずに済みます。
役割分担としては、履歴書が氏名や連絡先、学歴、職歴といった基本情報と、志望意欲や人柄を確認するための書類であるのに対し、職務経歴書は過去の実務経験やスキル、実績を詳しく伝えるための書類です。採用担当者は履歴書で「経歴の事実関係とビジネスマナー」を、職務経歴書で「入社後にどう活躍しそうか」を見ています。
職務経歴書はフォーマットの選び方も書き出しの手順も履歴書とは別の作法があり、履歴書の要領で書くと分量も構成も合いません。これから2種類を同時に用意するのであれば、職務経歴書側の書き方も先に押さえておくと二度手間になりません。
履歴書の基本ルール・マナーと「今時の書き方」
履歴書を作成する際は、ビジネス文書としての基本的なルールとマナーを守ることが前提となります。採用担当者は履歴書の体裁から応募者の丁寧さを読み取る傾向があるため、以下の基本を押さえておきます。
手書きで作成する場合は、黒のボールペン(または万年筆)を使用します。鉛筆や、熱で文字が消えるフリクションペンは避けます。郵送中や保管中の温度で文字が消えるおそれがあり、公的な書類として認められない可能性が高いためです。また、年号の表記は履歴書全体で「西暦」か「和暦」のいずれかに統一します。
近年、「最近の履歴書の書き方」や「今時の履歴書の書き方」としてよく話題になるのが、手書きとPC作成のどちらがよいかという点です。かつては手書きが熱意を伝えるとされる風潮もありましたが、現在ではPCでの作成やWeb提出が主流です。企業側もデータでの管理を推奨するケースが多く、履歴書をなにで書くか迷った場合は、PCで作成してもマイナス評価になる可能性は低いです。
むしろ、読みやすいフォントで整理されたPC作成の履歴書は、採用担当者にとって確認しやすいというメリットがあります。手書きかPCかに固執するよりも、誤字脱字がなく、レイアウトが整った読みやすい書類を提出することが履歴書の基本ルールです。
履歴書の書き方見本・フォーマットの選び方
履歴書を作成する際は、自分の経歴やアピールしたい内容に合ったフォーマット(テンプレート)を選ぶことが最初のステップとなります。現在、市販やWeb上で入手できる履歴書にはいくつかの標準的な形式が存在します。
JIS規格の履歴書
長年にわたり日本の標準的なフォーマットとして広く利用されてきたのが、JIS規格(日本産業規格)に基づく履歴書です。学歴・職歴欄と志望動機・自己PR欄のバランスが良く、どのような業界や職種にも使いやすいという特徴があります。JIS規格の履歴書は一般的な見本を参考にしやすいため、初めて中途採用の履歴書フォーマットを利用する方にとって有力な選択肢となります。
厚生労働省推奨様式の履歴書
厚生労働省が公正な採用選考を確保する目的で、2021年4月に新たに作成・公表した履歴書の推奨フォーマットです。これまでのJIS規格の様式例からいくつかの項目が見直されています(出典: 厚生労働省「新たな履歴書の様式例」、2021年4月公表)。
主な変更点として、性別欄が従来の「男・女」の選択式から任意記載欄に変更され、未記載のまま提出することも可能になりました。また、「通勤時間」「扶養家族数(配偶者を除く)」「配偶者」「配偶者の扶養義務」といったプライバシーに関する4項目が削除されています。もしあなたが、個人のプライバシーに関する情報を極力記載したくない状況であれば、この厚生労働省推奨フォーマットを使用することで心理的な負担を軽減できる可能性が高いです。
転職サイト提供のフォーマット
転職エージェントや転職サイトが提供しているフォーマットを活用するのも効率的な方法です。たとえば、dodaなどの大手サービスでは、PCで入力しやすいExcelやWord形式のテンプレートを無料でダウンロードできます。履歴書フォーマットをdodaなどのサイトから入手すれば、自己PR欄が広いタイプや、職歴をシンプルに書けるタイプなど、自分のアピールポイントに合わせた履歴書を作成しやすくなります。
学歴・職歴はどこからどこまで書くか
中途採用の履歴書で特に手が止まりやすいのが、経歴を書く範囲です。判断の軸は一つで、「採用担当者が経歴の流れを追えるか」と「事実と食い違わないか」の2点を満たす範囲が正解になります。多く書けば有利になるわけでも、伏せれば不利を隠せるわけでもありません。
学歴はどこから書くか
中途採用の場合、学歴は高等学校の入学から書くのが一般的です。新卒の就職活動では中学校卒業から書く形式も使われますが、社会人経験がある応募では職歴のほうが重視されるため、高校入学以降で十分に経歴の流れが伝わります。
学校名は略さず正式名称(例:〇〇県立〇〇高等学校)で記入し、大学は学部・学科・専攻まで書きます。転職回数が多く欄が足りない場合は、大学入学からに短縮しても差し支えありません。
職歴にアルバイト・短期離職も書くか
職歴は、正社員以外の経歴も含めて記載するのが原則です。判断に迷いやすい代表的なケースは次のとおりです。
| 経歴の種類 | 記載の考え方 |
|---|---|
| 学生時代のアルバイト | 学業と並行していた期間のため、職歴には書きません。応募職種に直結する経験であれば、自己PR欄で触れます。 |
| 卒業後のアルバイト・契約社員 | 記載します。書かないと在籍していない期間が生まれ、空白期間として質問される材料になります。 |
| 数か月で退職した職歴 | 記載します。短さを理由に省くと、経歴詐称に該当する可能性があります。 |
| 内定辞退・研修のみで退職 | 雇用契約を結び在籍した実態があれば記載します。内定辞退のみで入社していない場合は書きません。 |
短期離職を伏せたくなる場面はありますが、入社と退社の年月を並べれば説明のつかない期間が残り、面接で確認されます。前職調査や社会保険の記録から判明する場合もあり、伏せたことが分かると経歴詐称として内定取り消しにつながるリスクがあります。短く在籍した理由を一言添えるほうが、空白のまま提出するより説明しやすくなります。
欄が足りずに詳細を省略するのは問題ありません。会社名と在籍期間を書いたうえで、業務内容は「詳細は職務経歴書に記載」と誘導すれば足ります。一方、在籍した事実そのものを落とすのは省略ではなく不記載にあたります。
職歴が書ききれない場合と在職中の書き方
在職中の場合は、直近の経歴の最後に「現在に至る」と記載し、その次の行の右寄せで「以上」と締めくくります。退職済みであれば、最後の退職の行の次に右寄せで「以上」を書きます。
転職回数が多く欄が足りないときは、学歴を大学入学からに短縮する、同一企業内の部署異動を1行にまとめる、業務内容の記載を職務経歴書に寄せる、という順で圧縮していきます。それでも収まらない場合は、職歴欄が広いフォーマットに変更するほうが、無理に詰め込んで読みにくくするより伝わります。
雇用形態別!20代向け履歴書の書き方のコツ
20代の求職者の中には、正社員だけでなく、契約社員やアルバイトなど様々な雇用形態を経験してきた方も多いでしょう。履歴書の職歴欄に会社を記載する際は、過去の雇用形態に合わせて正確に表現することが求められます。
以下の表は、代表的な雇用形態別の職歴欄の書き方例です。
| 雇用形態 | 職歴欄の記載例とポイント |
|---|---|
| 正社員 | 「株式会社〇〇 入社」と記載します。特別な注記がない限り、正社員として扱われます。 |
| 契約社員 | 「株式会社〇〇 入社(契約社員)」のように、雇用形態をカッコ書きで明記します。 |
| パート・アルバイト | 「株式会社〇〇 入社(アルバイト)」と記載します。応募職種に関連する経験であれば積極的に記載します。 |
| 派遣社員 | 「〇〇株式会社(派遣元)より株式会社〇〇(派遣先)へ派遣」と、派遣元と派遣先を分けて記載します。 |
| 正社員登用 | 「株式会社〇〇 入社(契約社員)」の次の行に、「同社 正社員として登用」と記載し、キャリアアップの実績をアピールします。 |
職歴欄に正社員や契約社員としての経歴を記載する際、雇用形態を偽って記載することは「経歴詐称」とみなされ、採用取り消しなどのトラブルに発展するリスクがあります。正社員登用の書き方など、事実を正確かつ前向きに伝える工夫をすることで、あなたの努力や誠実さを評価してもらうことが可能です。
項目別!履歴書の書き方基本マニュアル
自分に合ったフォーマットを選んだ後は、各項目を正確に埋めていきます。ここでは、中途採用における履歴書の記入方法を項目別に解説します。
基本情報(日付・氏名・住所・写真)
基本情報欄は、履歴書の第一印象を決める部分です。
| 項目 | 記入の仕方 |
|---|---|
| 提出日 | 郵送の場合は投函する日付、面接に持参する場合は面接当日の日付を記入します。 |
| 氏名・ふりがな | 戸籍通りに正確に記載し、「ふりがな」とある場合はひらがなで、「フリガナ」とある場合はカタカナで記載します。 |
| 住所・連絡先 | 都道府県名から省略せずに記載し、マンション名や部屋番号も正確に記入します。連絡先は、日中に連絡がつきやすい携帯電話の番号を記載するのが一般的です。 |
| 写真 | 3ヶ月以内に撮影した、スーツ着用・正面・無帽の証明写真を使用します。サイズは縦40mm×横30mmが標準です。 |
免許・資格の書き方
取得している免許や資格は、正式名称で記載します。
- 自動車免許の場合:「普通自動車第一種運転免許 取得」
- 英語資格の場合:「実用英語技能検定 〇級 合格」または「TOEIC公開テスト 〇〇点 取得」
業務に関連する資格を優先して記載し、勉強中の資格であっても「〇〇資格取得に向けて勉強中(〇月受験予定)」と記載することで、学習意欲をアピールする材料になります。
履歴書に書かない方がよい資格
「書くと恥ずかしい資格があるのではないか」と気にする方もいますが、判断の軸は恥ずかしいかどうかではなく、応募する職種と関係があるかどうかです。関係のない資格が並ぶと、限られた欄が埋まってしまい、本来見てほしい資格が埋もれます。
- 応募職種と無関係な趣味・娯楽系の資格は、欄に余裕がある場合を除いて書きません。
- 検定の3級以下は、業務に直結する場合を除いて省くのが一般的です。事務職に応募して簿記3級を書くように、職種と結びつく場合は記載する価値があります。
- 知名度の低い民間資格は、資格名だけでは何ができるのか伝わりません。書くのであれば、業務との関連を一言添えます。
資格欄に書くものがない場合は、空欄にせず「特になし」と記入します。勉強中の資格があれば、そちらを書くほうが前向きに伝わります。
志望動機・自己PRの書き方
志望動機や自己PRは、企業への関心と自分の強みを伝える欄です。
未経験の業界に挑戦する場合や、早期離職で実務経験に自信がない場合は、この欄で「なぜその企業を選んだのか」という動機と、「新しい業務にどう貢献していくか」というポテンシャルを言語化します。これまでの経験から得た汎用的なスキル(コミュニケーション能力や課題解決力)を応募企業の業務に結びつけて記載すると、説得力のある履歴書になる傾向があります。
志望動機・自己PRで使わない方がよい言葉
同じ内容でも、言葉の選び方によって受け取られ方が変わります。以下は、書類選考で評価を下げやすい表現です。
- 「御社」:話し言葉のため、書類では「貴社」を使います。面接では「御社」に切り替えます。
- 「勉強させてください」「成長したい」:企業は教育機関ではないため、これだけでは受け身に映ります。何を身につけて何に貢献するかとセットで書きます。
- 「頑張ります」「精一杯努力します」:意欲は伝わりますが、何をどう頑張るのかがないと具体性を欠きます。
- 前職や上司への不満:転職理由を説明する必要がある場合も、批判ではなく「次に何をしたいか」に言い換えます。
- 「〜させていただきます」の多用:1つの文書に何度も出てくると回りくどい印象になります。
本人希望記入欄の書き方
本人希望記入欄は、勤務条件に関する絶対的な希望(譲れない条件)がある場合のみ記載します。
特段の事情がない限り、「貴社の規定に従います」と記載するのが一般的です。給与や休日の希望を細かく書きすぎると、採用担当者にマイナスな印象を与えるリスクが考えられるため、条件交渉は内定後や面接の終盤に行うのが一般的です。
履歴書作成時のよくある失敗例・NGマナー

履歴書はあなたの第一印象を左右する書類であるため、ちょっとした不注意が不採用に直結するリスクを持っています。ここでは、履歴書を作成する際によくある失敗例や注意点について解説します。
項目に空欄を残したまま提出する
履歴書の必要事項に空欄が多い状態は、採用担当者に「入社意欲が低い」「書類作成が雑である」というネガティブな印象を与える可能性が高いです。書くものがない欄も空欄のままにせず、該当がない旨を記入します。志望動機や自己PR欄は8割以上を埋めるように心がけます。履歴書の書き方がわからない項目があっても、放置せずに埋めてから提出します。
修正液や修正テープで書き直す
手書きの履歴書で書き間違えた場合、修正液や修正テープを使用するのはNGマナーとされています。公的文書の改ざんと受け取られるリスクがあるため、書き損じた場合は新しい用紙で最初から書き直すのが原則です。一文字の書き損じでも同様で、二重線と訂正印による訂正も応募書類では避けます。
誤字脱字や写真のルール違反
提出前の最終確認を怠り、誤字脱字があるまま提出してしまうケースもあります。PCで作成した場合でも、変換ミスがないか読み返して確認します。
また、写真のサイズが枠に合っていない、スナップ写真を切り抜いて使用している、といった写真に関するルール違反も、ビジネスマナーが欠如していると判断される原因になります。証明写真機や写真館で撮影した適切なデータを使用することが、履歴書をきれいに作成するコツです。
よくある質問
Q. 中途採用で履歴書は不要ですか?
応募の時点では不要とされる求人もありますが、選考が進んだ段階や内定後の手続きで求められることが多いため、用意しておきます。転職サイトのWeb応募では登録プロフィールが代わりになる場合があり、転職エージェント経由ではエージェント指定のフォーマットで作成します。
Q. 中途採用の履歴書は学歴をどこから書けばよいですか?
高等学校の入学からで問題ありません。社会人経験がある応募では職歴が重視されるため、中学校卒業から書く必要はありません。転職回数が多く欄が足りない場合は、大学入学からに短縮しても差し支えありません。
Q. 履歴書の職歴はどこからどこまで書けばいいですか?
卒業後に在籍したすべての勤務先を、正社員以外も含めて時系列で記載します。学生時代のアルバイトは職歴に含めません。数か月で退職した職歴も記載します。伏せると在籍していない期間が残り、面接で確認される材料になります。
Q. 履歴書に書くと恥ずかしい資格はありますか?
判断の軸は恥ずかしいかどうかではなく、応募職種と関係があるかどうかです。無関係な趣味・娯楽系の資格や、業務に直結しない3級以下の検定は、欄に余裕がある場合を除いて省きます。知名度の低い民間資格を書く場合は、業務との関連を一言添えます。
Q. 履歴書で使わない方がよい言葉はありますか?
書類では「御社」ではなく「貴社」を使います。また、「勉強させてください」「頑張ります」といった表現は、何を身につけて何に貢献するかがないと受け身に映ります。前職や上司への不満も、批判ではなく次にやりたいことへ言い換えます。
Q. 履歴書は手書きとパソコンのどちらがよいですか?
現在はPCでの作成やWeb提出が主流で、PCで作成してもマイナス評価になる可能性は低いです。企業から手書きの指定がある場合のみ手書きにします。どちらの場合も、誤字脱字がなくレイアウトが整っているかのほうが重視されます。
まとめ
本記事では、20代の中途採用に向けた履歴書の記載範囲と書き方について解説しました。
迷いやすい学歴・職歴の範囲は、「経歴の流れが追えるか」と「事実と食い違わないか」で判断します。学歴は高校入学から、職歴は卒業後の勤務先をすべて記載し、短期離職も伏せません。欄が足りないときに詳細を省くのは問題ありませんが、在籍した事実そのものを落とすのは別の話になります。
そのうえで、JIS規格や厚生労働省推奨のフォーマットなど自分の状況に合ったテンプレートを選び、空欄や誤字脱字のない書類に仕上げることが書類選考突破の第一歩となります。
履歴書の作り方や経歴のアピール方法に不安が残る場合は、転職エージェントが提供している無料の書類添削サービスを活用する方法もあります。プロの第三者視点でチェックを受けることで、自分では気づきにくい改善点を見つけやすくなります。