経理未経験の転職に簿記2級・3級は必要?TOEICは役に立つのか?
この記事の要約
20代や第二新卒で経理への転職を考えている方の中には、「未経験から経理になるには簿記の資格が必要なのか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、経理未経験の20代・第二新卒に向けて、簿記資格が転職でどのように有利に働くのかを解説します。資格だけでは受からない理由や、TOEICとの掛け合わせ戦略、そしてブラック企業を避けるための求人の選び方まで、転職活動を成功に導くためのノウハウをお伝えします。
経理未経験の転職に「簿記」の資格は必須?

経理未経験からの転職において、「簿記の資格が絶対に必須か」と問われれば、資格がなくても応募可能な求人は存在します。しかし、実務未経験者の場合、資格の有無が選考結果を左右する傾向があります。
経理職は専門性が高く、お金という企業の血液を扱う重要なポジションです。そのため企業側は、応募者が最低限の会計知識を備えているか、そして経理という仕事に対してどれほど本気で取り組もうとしているかを慎重に見極めようとします。
全くの無資格・未経験で応募した場合、こうした熱意や基礎知識を客観的に証明することが難しく、書類選考の段階で見送りとなってしまう可能性が高まります。一方で、資格を取得しているか、あるいは取得に向けて学習中であることを履歴書でアピールできれば、書類選考の通過率が上がり、より条件の良い求人に挑戦できる選択肢が広がる傾向にあります。
簿記2級と3級の違い!評価されるのはどっち?
転職市場において、日商簿記3級と2級では企業からの評価に違いがあります。日本商工会議所の定義によると、それぞれのレベルは以下のように位置付けられています。
| 資格の級 | 商工会議所が定義するレベルと期待されるスキル |
|---|---|
| 日商簿記3級 | 業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが身に付けておくべき「必須の基本知識」。小規模企業における経理関連書類の適切な処理を行うレベルとされています。 |
| 日商簿記2級 | 経営管理に役立つ知識として企業から最も求められる資格の一つ。高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表から経営内容を把握できるレベルとされています。 |
(出典: 日本商工会議所「商工会議所の検定試験」、2026年5月時点)
未経験から経理の正社員を狙う場合、実務に直結する専門知識を持つ「日商簿記2級」の取得が有利に働く傾向があります。
簿記3級の試験範囲は主に「商業簿記」であり、基本的な仕訳のルールや財務諸表の仕組みを学ぶ内容です。簿記3級でも応募できる未経験求人は存在しますが、企業からの評価は「経理の基礎知識と学習意欲がある」という程度に留まることが一般的です。
一方で、簿記2級では「工業簿記(原価計算)」が範囲に加わります。コスト計算の概念は製造業だけでなく、IT業界やサービス業でも広く活用されており、企業の経営管理に直結する実践的な知識として高く評価されます。
そのため、未経験者であっても簿記2級を必須要件としている優良求人は多く、採用のポテンシャル枠として歓迎される可能性が高まります。
資格だけではない?採用担当者が見ているポイント
日商簿記2級の資格を取得していれば、必ず経理への転職が成功するというわけではありません。未経験である以上、即戦力として実務をこなすことは難しいため、採用担当者は資格以外の要素も総合的に評価して「ポテンシャル」を見極めています。
採用選考で重視される3つのポイント
企業が未経験者を採用する際、履歴書や面接では主に以下の点が確認される傾向にあります。
- 納得感のある志望動機と適性
- 数ある事務職の中で、なぜ経理職を選んだのかという明確な理由が求められます。また、細かい数値を正確に処理し続ける根気強さや、数字に対する抵抗感のなさが適性として評価されます。
- パソコン(PC)スキルとシステムへの理解
- 現代の経理業務では、会計ソフトやExcelの活用が不可欠です。VLOOKUP関数やピボットテーブルなどの操作経験があると、実務のキャッチアップが早い人材として高く評価される傾向があります。
- 長期的な定着性と人柄
- 企業は将来のコア人材として育成することを前提に採用活動を行っています。そのため、長く働き続けてくれる定着性や、他部署の社員とも円滑に業務を進められるコミュニケーション能力が重視されます。
若さ(ポテンシャル)を失うリスクに注意
資格取得を優先するあまり、勉強に専念して何年も時間をかけてしまうことはおすすめできません。20代や第二新卒の転職では、「若さというポテンシャル」が何よりの強力な武器となります。
年齢を重ねるごとに企業から求められる実務レベルは高くなるため、未経験からの転職難易度は上がっていきます。そのため、資格の勉強と並行して転職活動を進め、学習意欲をアピールしながら若さを活かして応募することが、成功への近道と言えます。
市場価値UP!簿記2級×TOEICの強さ

他の応募者と差別化を図るための戦略として、「日商簿記2級」に「英語力」を掛け合わせるというアプローチがあります。未経験から経理を目指すライバルは多いため、プラスアルファの強みを持つことで、自身の市場価値を大きく高めることが可能です。
もしあなたが英語力(目安としてTOEIC 700〜800点以上)を持っているなら、外資系企業やグローバル展開している日系企業の未経験枠(アシスタント職など)に手が届きやすくなる傾向があります。これらの企業では、海外の子会社とのやり取りや、英文会計に触れる機会が発生するため、語学力と経理の基礎知識を併せ持つ人材は重宝されます。
「経理の実務経験はないが、英語でのコミュニケーションには抵抗がない」というポテンシャルは、多くの企業にとって魅力的な投資対象となります。未経験であっても、こうした掛け合わせの強みをアピールできれば、より条件の良い環境で専門性を身につけるチャンスが広がります。
未経験・第二新卒向けの「求人の選び方」
厚生労働省の調査によると、経理事務の有効求人倍率は0.59倍(令和5年度)となっており、全体の求人倍率と比較して求職者の方が多い「買い手市場」の傾向が強い職種です(出典: 厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」)。そのため、求人選びは慎重に行う必要があります。
求人を選ぶ際、注意すべきなのは「一人経理(経理担当者が自分だけ)」となる環境です。未経験歓迎と書かれていても、前任者が急に退職して十分な引き継ぎがない場合、一人で全ての責任を負うことになり、深刻な業務過多に陥るリスクがあります。
未経験者が安全に成長するためには、チームで仕事を進めており、先輩社員から実務を教わることができる教育体制の整った求人を選ぶことが重要です。
また、未経験歓迎の優良求人は、応募殺到を防ぐために「非公開求人」として転職エージェント経由で募集されるケースが多く見られます。エージェントを活用することで、ポテンシャルを正当に評価してくれる企業や、教育体制の整った職場と出会う可能性が高まります。
20代の転職サポートに定評があり、多くの未経験歓迎求人を扱う「マイナビジョブ20’s」などを活用し、経理への第一歩を踏み出す準備を始めてみてはいかがでしょうか。
まとめ:資格を武器に、未経験から経理へ転職
経理未経験からの転職において、日商簿記2級の資格は書類選考の通過率を高め、選択肢を広げるための強力な武器となります。さらに、TOEICなどの英語力を掛け合わせることで、グローバル企業などのより高い市場価値を持つポジションに挑戦できる可能性も秘めています。
ただし、資格取得に時間をかけすぎて若さというポテンシャルを失うことや、実務経験がないことによるミスマッチには注意が必要です。
20代・第二新卒という強みを最大限に活かすためにも、資格の勉強を進めながら、まずは自分の市場価値や最新の求人状況をチェックすることが推奨されます。自分に合った環境を見極め、専門性を磨ける経理職への転職を成功させましょう。