20代前半・後半の平均年収・手取り推移のまとめ
この記事の要約
「自分の給料は安すぎるのではないか」「同年代はどのくらいもらっているのだろうか」という不安を抱える20代の方は多いのではないでしょうか。
この記事では、20代前半の平均年収や20代後半の手取り額について、国税庁などのデータを基に解説します。
また、20代後半で直面しやすい「年収400万円の壁」を超えるための現実的なキャリア戦略についてもお伝えします。
20代前半・後半の平均年収・手取りはいくら?
自分が現在受け取っている給料が、世間の平均と比べて高いのか低いのかを把握することは、将来のキャリアプランを考える上での第一歩となります。
国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、20代の平均的な給与は前半と後半で大きく変化する傾向があります。
| 年齢層 | 平均年収(額面) |
|---|---|
| 20代前半(20〜24歳) | 277万円 |
| 20代後半(25〜29歳) | 407万円 |
この数値は、基本給に加えて残業代や各種手当、ボーナス(賞与)などを含んだ1年間の総支給額、いわゆる「額面」の金額です。
しかし、私たちが実際に自由に使えるお金は、この額面金額から税金や社会保険料が差し引かれた後の「手取り額」となります。
給与明細を見ると、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料といった社会保険料や、所得税、住民税などが控除されていることがわかります。
一般的に、額面の約8割が手取り額の目安になると言われています。
この計算式を当てはめると、20代前半の平均的な手取り年収は約221万円、20代後半の手取り年収は約325万円程度になる可能性が高いと考えられます。
特に注意したいのが住民税の存在です。
社会人1年目は前年の所得がないため住民税が引かれませんが、社会人2年目からは前年の所得に対して住民税がかかるため、額面が同じでも手取りが減ってしまうケースが多く見られます。
まずは自身の源泉徴収票や給与明細を確認し、同年代の平均的な数値と比較して現在の立ち位置を把握することが大切です。
20歳〜29歳の給料推移と手取り額
20代と一口に言っても、働き始めたばかりの20歳と、中堅社員になりつつある29歳では、任される仕事の責任や給料の額に大きな違いがあります。
dodaの「平均年収ランキング(年齢別・年代別の年収情報)」(2025年)のデータを参考に、年齢別の給与水準をより細かく見ていきましょう。
ここでは20歳や22歳の年収をはじめ、25歳の平均年収、そして20代後半ギリギリの29歳の平均年収と推定手取り額をシミュレーションしました。
| 年齢 | 平均年収(額面) | 推定手取り額(約8割) |
|---|---|---|
| 20歳 | 273万円 | 約218万円 |
| 22歳 | 302万円 | 約241万円 |
| 25歳 | 367万円 | 約294万円 |
| 29歳 | 421万円 | 約337万円 |
20歳の段階では、高卒や短大卒などで社会に出たばかりの人が多く、平均年収は300万円未満となる傾向があります。
続いて大卒の初任給レベルとなる22歳の年収も、額面で約300万円、手取り額に換算すると約240万円程度と、まだ高い水準とは言えません。
研修期間を終えて現場の業務をこなし始めている時期であり、将来に向けた土台作りの段階と言えます。
しかし、仕事の流れを掴み、後輩の指導などを任され始める20代半ばになると、25歳の平均年収は約370万円まで大きく上昇します。
さらに経験を積み、チームのリーダー的な役割や専門的な業務を担う人も出てくる29歳を迎える頃には、平均年収が420万円を超え、手取り額でも330万円台に乗るケースが一般的です。
このように、20代のうちは年齢と経験を重ねるにつれて、少しずつ着実に収入が増えていく傾向が確認できます。
20代前半(20〜24歳)の給料事情と生活費

20代前半は、仕事のスキルを身につけるための形成期であり、給与水準が控えめな時期です。
特に一人暮らしをしている場合、毎月のやり繰りに苦労している人は少なくありません。
ここでは、手取りが18万円の生活を一例として紹介します。
また、手取りが30万円になった場合、生活にどのような違いが生じるのかも見てみます。
手取り18万円の場合の生活費例
手取りが約18万円(額面で月収約22万〜23万円程度)の場合、一人暮らしの生活費は以下のような内訳が考えられます。
| 支出項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 家賃 | 約6万円 |
| 食費 | 約4万円 |
| 水道光熱費 | 約1万円 |
| 通信費 | 約1万円 |
| 交際費・趣味 | 約3万円 |
| 貯金・その他 | 約3万円 |
家賃を6万円程度に抑え、食費を自炊中心で4万円程度に切り詰めたとしても、生活に必要な固定費を支払うと手元に残るお金は限られます。
交際費や趣味に使えるお金も3万円程度となり、将来に向けた貯金に回せる余裕があまりない状態です。
急な冠婚葬祭や医療費などの出費があると、一気に家計が厳しくなるリスクが考えられます。
生活防衛のために通信費を格安SIMに見直すなどの工夫も有効ですが、節約には限界があります。
手取り30万円の余裕と選択肢の広がり
一方で、給与水準の高い業界で働いていたり、残業代が多く支給されたりして手取りが30万円ある場合、生活の質は大きく向上します。
家賃を8万円程度のセキュリティの高い物件に引き上げることも可能ですし、食費や交際費に余裕を持たせることもできます。
何より大きな違いは、毎月5万円以上の安定した貯金や、将来に向けた投資、資格取得などの自己研鑽にお金を回せるようになる点です。
もし現在の手取り額が少なく、生活がカツカツだと感じていたとしても、過度に落ち込む必要はありません。
20代前半のうちは、特別なスキルや豊富な実務経験がなくても、ポテンシャルを高く評価される時期です。
未経験からでも新しい環境に飛び込んで、収入を大きく挽回できるチャンスが十分に広がっています。
20代後半(25〜29歳)の給料事情
25歳から29歳にかけての20代後半は、キャリアにおいて一つの転換期を迎える時期です。
仕事の裁量が大きくなるだけでなく、結婚や出産、マイホームの購入といったライフイベントを意識し始める人が増え、それに伴ってより高い収入が求められるようになります。
20代後半で直面する年収400万円の壁
20代にとって「年収400万円」は、一つの大きな壁として立ちはだかっていると考えられます。
前述のデータから見ても、平均年収が400万円を超えるのは28歳といった20代後半に差し掛かってからです。
年収400万円の場合、手取りの年収は約320万円となり、ボーナスを考慮せずに単純に12分割すると、月々の手取り額は約26万円前後となるのが一般的です。
業界ごとの給与水準の違いがもたらす影響
この年収400万円の壁を越えられるかどうかは、本人の努力だけでなく、所属している業界の構造に左右される傾向があります。
一般的に、小売業や飲食業などのサービス系は利益率が低くなりがちで、基本給が上がりにくい構造があります。
そうした環境で働いている場合、どれだけ真面目に働いても20代後半の年収が400万円に到達しない可能性が考えられます。
一方で、業種別の平均年収を見ると、金融業界がトップクラスとなっており、ITエンジニアやコンサルティングなどの専門性の高い領域でも高い給与水準を実現しやすい傾向があります。
将来を見据えて収入を増やしたいのであれば、年齢が上がって自然に昇給するのを待つだけでなく、需要が拡大している業界や給与水準の高い業界への転職を視野に入れることが有効な選択肢となります。
「平均以下かも」と焦った場合に取る現実的なアクション

記事を読んで、自分の手取り額や20代後半の年収が平均を下回っていると感じた人もいるかもしれません。
しかし、「今の会社にいても無駄だ」と焦って無計画に退職することは、経歴に空白期間を作ってしまうリスクがあるため避けるべきです。
状況を好転させるために、まずは以下のステップで自身の現状と市場価値を客観的に把握することから始めてください。
現在の会社の評価制度と給与の仕組みを確認する
まずは現職での昇給見込みを冷静に分析することが重要です。
会社の就業規則や給与規程を確認し、基本給が毎年どの程度上がる仕組みになっているのかを把握します。
また、給与明細に「固定残業代(みなし残業代)」が含まれているかどうかも確認が必要です。
固定残業代が含まれている場合、基本給そのものは低く設定されている可能性があり、将来的なボーナスの算定基準が低くなるリスクが考えられます。
今の会社で数年働き続けたときに、自分の希望する年収に到達する可能性があるかを見極めてください。
自己分析を行いポテンシャルを言語化する
20代のうちは、目覚ましい実績や特別な専門スキルがなくても、仕事に対する熱意や論理的な思考力といったポテンシャルが評価される傾向があります。
これまでの業務の中で工夫したこと、失敗から学んだこと、チームでどのように動いたのかを振り返り、言語化しておくことが大切です。
自分の強みや、どのような環境であればモチベーション高く働けるのかを整理することで、未経験からでも挑戦できる適職が見えてきます。
転職エージェントに登録して市場価値を測る
自分の強みや経験が転職市場でどのように評価されるのかを知るためには、転職のプロであるエージェントを活用することをおすすめします。
転職エージェントに登録してキャリアアドバイザーと面談を行うことで、客観的な視点から自分の市場価値を測ることができます。
多くの未経験可の求人や、ポテンシャル採用に積極的な優良企業の非公開求人を紹介してもらえる可能性が高まります。
たとえば、業界大手の「リクルートエージェント」などは、豊富な実績とノウハウを持ち、履歴書の添削や面接対策などのサポートも充実しています。
エージェントに登録したからといって、必ずしもすぐに転職しなければならないわけではありません。
情報収集の目的や、自分の適正年収を知るための相談相手として活用するだけでも、将来への漠然とした不安を軽減することができます。
まとめ
20代はキャリアの土台を作る重要な時期であり、前半と後半で収入や求められる役割が大きく変化します。
スキル形成期である20代前半は給与が控えめな傾向がありますが、20代後半になるとライフイベントも増え、年収400万円の壁を越えるかどうかが一つの焦点となります。
もし現時点でご自身の収入が同年代の平均を下回っていたとしても、むやみに焦る必要はありません。
今の環境で働き続けることに金銭的な不安や疑問を感じているのなら、まずは転職エージェントへの登録や自己分析など、ご自身の市場価値を知るための小さな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
客観的な視点を持つことが、より豊かな生活と納得のいくキャリアを手に入れるための大きな転機となるはずです。