マグロ漁船・遠洋漁業の求人の実態!未経験から年収1000万を目指せる?
この記事の要約
「マグロ漁船に乗れば年収1000万」「借金のカタに乗せられる」といった噂を耳にしたことがあるかもしれません。この記事では、遠洋マグロ漁船の仕事内容と乗船期間、業界団体が示す員級・役職別の年収の目安と歩合の仕組み、「借金」の噂の真偽、そして漁業就業支援フェアなど未経験から漁師になるステップまでを、フラットに整理します。噂と実態を見分け、現実的に検討できるようになることを目指します。
マグロ漁船で稼げるって本当?
マグロ漁船や遠洋漁業と聞くと、「短期間で一気に稼げる」「借金を背負った人が無理やり乗せられる」といった、極端なイメージを思い浮かべる方もいるでしょう。ネットや昔話で語られる噂は強烈で、興味を惹かれる一方、本当のところはどうなのかと不安にもなります。
こうした噂には、事実に近い部分と、現代の実態とはずれている部分が混ざっています。高収入や貯金のしやすさは実際にある一方、それは長期間の乗船や過酷な労働と引き換えの面があり、「借金のカタ」といった話は今の就職の仕組みとは異なります。噂だけで期待しすぎたり、逆に怖がって遠ざけたりする前に、まず仕事の中身と収入の仕組みを正しく知ることが、判断の第一歩になります。
この記事は、「短期間で大きく稼ぎたい」「未経験だが体力には自信がある」「高卒で手に職をつけたい」といった思いでマグロ漁船に関心を持つ方に向けて、噂の真偽と現実的な応募方法をフラットに見ていきます。
仕事内容と乗船期間

遠洋マグロ漁船の仕事は、漁の準備から始まり、釣り針の付いた縄を海に流す投縄、それを引き上げる揚縄、獲れたマグロの処理と冷凍、そして船内のさまざまな作業まで多岐にわたります。マグロを傷めずに素早く処理し、鮮度を保ったまま冷凍する工程は、漁の成果を左右する重要な作業です。
遠洋漁業の大きな特徴は、乗船期間の長さです。赤道付近や南半球など遠い海域へ向かうため、一度出港すると数か月から半年以上、長い場合は10か月ほど陸に戻れないこともあります。その分、帰港後は1〜2か月ほどの長期休暇を取ることが多いのが一般的です。
船の上では、乗組員それぞれに役割があります。新人はまず甲板での漁の補助や漁獲物の処理、清掃といった作業から始め、経験を積むにつれて機械の操作や航海に関わる仕事を任されていきます。作業は天候や漁の状況に左右され、マグロがかかれば昼夜を問わず対応することもあります。食事や睡眠は船内でとり、限られた仲間と長期間をともに過ごすため、協調性や体調管理も欠かせません。
長期間、海の上で寝食をともにし、陸から隔絶された環境で体力を使って働くため、決して楽な仕事ではありません。まとまった収入や貯金が期待できる一方で、家族や友人と長く離れて過ごす覚悟が必要です。逆に言えば、支出が少なく集中して働ける環境を活かして、短期間で資金を貯めたい人には向いた仕事ともいえます。自分の体力や生活スタイルに合うかを、応募前によく考えておくことが大切です。
年収の実態と給与の仕組み
気になる年収について、日本かつお・まぐろ漁業協同組合が示す目安を見てみましょう。マグロ漁船の収入は、経験や役職(員級)によって大きく変わります。
| 役職・員級 | 月収の目安 | 年収の目安 |
|---|---|---|
| 新人(員級B) | 30〜34万円以上 | 360〜410万円以上(好況時は530〜600万円以上の実績も) |
| 経験者(員級A) | 38〜42万円 | 450〜510万円以上 |
| 一等航海士 | 48〜58万円 | 580〜650万円以上 |
| 船長・機関長 | 64〜72万円 | 770〜1,000万円以上 |
| 漁撈長 | 90〜104万円以上 | 1,075〜2,000万円以上 |
このように、未経験の新人でも年収360万円以上が目安となり、経験を積んで海技士の資格を取り、一等航海士・船長・機関長とステップアップしていくと収入は大きく上がります。操業の全責任を持つ漁撈長になると、年収1,000万円を超える水準に達します。給与は水揚げ量や魚価に応じて変わる歩合的な仕組みがあり、大漁の年には収入が増えることもあります。
また、航海中は食費・光熱費が船で支給されるため、日常の支出が少なく、お金が貯まりやすい環境です。20代の若手でも年200万円以上、5年で1,000万円以上を貯金する人もいるとされています。
収入が上がっていく背景には、役職に応じた責任と技能の重さがあります。船長や機関長は船の運航と安全を担い、漁撈長は「どこで・どう獲るか」という操業の全責任を負います。こうした役割は一朝一夕には務まらず、海技士などの資格取得と長年の経験の積み重ねが求められます。だからこそ、その対価として高い収入が設定されているのです。
では「未経験から年収1000万を目指せるのか」というと、答えは「経験と役職を積めば目指せるが、新人からすぐに届くわけではない」というのが実際のところです。まずは新人として数年の経験を積み、資格を取り、責任ある役職へと段階的に上がっていくことで、高収入が見えてきます。すぐの高年収より、貯金のしやすさを活かして数年でまとまった資金をつくり、中長期で大きな資産形成を狙う、という現実的な見方をしておくとよいでしょう。
「借金」の噂は本当?
「借金のカタにマグロ漁船へ」という話を聞いたことがある方もいるでしょう。これはかつて語られた古いイメージであり、現代の実態とは異なります。
現在は、漁業会社に企業就職の形で乗組員になるのが一般的です。就職にあたって初期投資は不要で、研修を受けてから乗組員として働き始められます。後述する漁業就業支援フェアなどを通じて、未経験者が受け入れ先の漁業者と出会う機会も設けられています。借金を背負わされて乗せられる、といった構図は現在の企業就職の仕組みには当てはまりません。
ただし、噂の背景にある「長期間陸に戻れず、体力を使う過酷な労働環境」という部分は、今も事実として残っています。高収入や貯金のしやすさは、こうした環境と引き換えの面があることを理解しておきましょう。応募を検討する際は、求人票や面談で乗船期間・給与体系・帰港後の休暇・新人へのサポート体制を具体的に確認し、自分の体力や生活プランと照らし合わせることが、後悔のない選択につながります。誇張された噂を鵜呑みにせず、良い面も大変な面もフラットに知ったうえで検討することが大切です。
未経験から漁師になるステップ

未経験からマグロ漁船・遠洋漁業の仕事に就くには、次のようなステップで進めるのが現実的です。
情報収集と相談をする
まずは漁業の仕事を知ることから始めます。全国漁業就業者確保育成センターが運営する「漁師.jp」では、全国の漁業求人情報を見ることができます。同センターが主催する「漁業就業支援フェア」は全国各地で開催され、漁業未経験者も歓迎で、参加費・履歴書・事前予約は不要です。出展する漁業者と直接会って話せるため、仕事のイメージをつかみながら受け入れ先を探せます。マグロ漁船に限らず、さまざまな漁業の話を聞ける場なので、遠洋漁業が自分に合うかを見極める機会にもなります。気になる漁業者には、乗船期間や給与の仕組み、新人へのサポート体制を具体的に質問しておくと安心です。
求人を探す
求人は、漁業・水産業に特化した求人サイトや、漁業協同組合・漁業会社の募集からも探せます。「TRITON JOB」は、一般社団法人フィッシャーマン・ジャパンと株式会社ライトハウスが共同運営する漁師・漁業・水産業の求人サイトで、未経験者歓迎の求人も扱い、全国の漁業求人を検索できます。LINEでの登録から就業までのサポートもあります。複数の窓口を見比べて、乗船期間・給与体系・帰港後の休暇・寮や食事の条件などを確認しましょう。遠洋・近海など漁の種類によって働き方も収入も変わるため、条件をよく読み比べることが、入社後のミスマッチを防ぐことにつながります。
応募・研修・乗船する
受け入れ先が決まったら応募し、企業就職の場合は研修を受けてから乗組員として乗船します。最初は新人(員級B)としてスタートし、甲板作業や漁獲物の処理を覚えながら、経験を積んで海技士などの資格取得や役職アップを目指していきます。長期の乗船に備え、体調管理や生活面の準備も整えておきましょう。数か月間、家族や友人と連絡が取りづらくなることも多いため、出港前に身の回りの手続きや連絡を済ませておくと安心して漁に集中できます。
よくある質問
Q. マグロ漁船は本当に年収1000万円稼げますか?
新人の年収は360〜410万円以上が目安で、いきなり1000万円に届くわけではありません。日本かつお・まぐろ漁業協同組合の情報では、船長・機関長で年収770〜1,000万円以上、漁撈長で1,075〜2,000万円以上とされており、経験と役職を積めば1000万円超も目指せます。加えて食費・光熱費がかからないため貯金しやすい環境です。
Q. 未経験でもマグロ漁船に乗れますか?
乗れます。現在は漁業会社への企業就職が一般的で、初期投資は不要、研修を受けてから乗組員として働き始められます。全国で開催される漁業就業支援フェアは未経験者も歓迎で、受け入れ先の漁業者と直接会えます。
Q. 「借金のカタに乗せられる」という噂は本当ですか?
現代の実態とは異なります。今は企業就職で乗組員になるのが一般的で、借金を背負わされて乗せられる仕組みではありません。ただし、長期間陸に戻れず体力を使う過酷な労働である点は事実なので、覚悟を持って検討しましょう。
Q. 乗船中はどのくらい陸に戻れないのですか?
遠洋マグロ漁船では、一度出港すると数か月から半年以上、長い場合は10か月ほど戻れないことがあります。その分、帰港後は1〜2か月ほどの長期休暇を取ることが多いです。乗船中は家族や友人と連絡が取りづらくなるため、出港前に必要な手続きや連絡を済ませておくとよいでしょう。
まとめ
マグロ漁船・遠洋漁業は、一度出港すると数か月から10か月ほど陸に戻れない、体力を使う仕事です。年収は新人で360万円以上が目安で、経験と役職を積んで船長や漁撈長になれば1000万円超も目指せます。給与は水揚げに応じて変わり、食費・光熱費がかからないため貯金しやすいのも特徴です。
「借金のカタに乗せられる」という噂は現代の企業就職の実態とは異なり、未経験でも漁業就業支援フェアや求人サイトから挑戦できます。過酷さと高収入は表裏一体なので、自分の体力や生活プランに合うかを見極めることが何より大切です。良い面も大変な面もフラットに理解したうえで、まずは漁師.jpや漁業就業支援フェア、求人サイトで情報を集めることから始めてみてください。