天職みつかーる
更新日:2026/08/03

東急不動産の中途採用・キャリア採用の難易度|職種と面接対策

東急不動産の中途採用・キャリア採用の難易度|職種と面接対策

この記事の要約

東急不動産はキャリア採用を継続して行っており、採用人数も未経験者の比率も同社が公表しています。この記事では、その数値をもとに中途採用の規模と難易度を読み解き、総合職と専任職という2つの入り口の違い、総合職が携わる9つの事業領域と用地取得から運営までの仕事の流れを整理します。あわせて、東急リバブルや東急コミュニティーとの役割の違い、面接で見られる観点も解説します。

東急不動産への転職を考える

渋谷の再開発や複合施設のニュースを見て、こうした街づくりの側に回りたいと考えたことがある方もいるでしょう。ただ、大手デベロッパーへの転職を調べ始めると、たいてい2つのところで手が止まります。

ひとつは、狭き門ではないかという不安です。総合デベロッパーは新卒で入る会社という印象があり、不動産の実務経験がない自分では土俵にすら乗れないのではないかと感じてしまいます。かといって、どのくらい狭き門なのかを調べようとしても、出てくるのは「転職難易度A」といったランク表記ばかりです。根拠が示されていないため、自分に可能性があるのかどうかを測る材料にはなりません。

もうひとつは、会社の見分けがつかないことです。東急不動産、東急不動産ホールディングス、東急リバブル、東急コミュニティー。名前が似た会社が並んでいて、自分が応募すべきなのがどれなのかが分かりません。年収を検索しても、どの会社の数字を見ているのかがはっきりしません。

この2つは、同社が公表している数字とグループの構造をたどれば整理できます。順に見ていきます。

キャリア採用の実際の規模

東急不動産はキャリア採用を継続して行っており、採用人数と未経験者の比率を自社のキャリア採用サイトで公表しています。推測ではなく、公表値から出発できるということです。

直近3年度の採用数と未経験者比率は次のとおりです。

年度キャリア採用数未経験者比率
2023年度8名13%
2024年度27名33%
2025年度35名35%

採用数は3年で8名から35名になり、同時に未経験者の比率も13%から35%へ動いています。枠が広がるなかで、業界外からの受け入れも並行して増えているという読み方ができます。

入社後の定着についても数字が出ています。2025年4月時点で、総合職に占めるキャリア社員の比率は22%、管理職に占めるキャリア社員の比率は33%です。管理職のほうが比率が高いということは、中途で入った人が実際に上のポジションに就いているということでもあります。

もしあなたが不動産未経験でも、同社の公表値では2025年度のキャリア採用のうち35%が未経験者です。不動産の実務経験がないことだけを理由に、応募の検討から外す必要はありません。

中途採用の難易度

高いビルを見上げて意気込むビジネスパーソンのミニチュア

難易度を左右するのは、募集枠の絶対数が組織規模に対して小さいことと、空席が生まれにくいことの2点です。「難しい」という印象ではなく、この構造で説明がつきます。

東急不動産の従業員数は1,254名(2025年4月時点)です。ここに対して年間のキャリア採用が35名(2025年度)という規模になります。さらに正社員の離職率は2023年度2.2%、2024年度2.4%、2025年度2.5%と2%台で推移しており、人の入れ替わりが少ない組織です。辞める人が少なければ空席も生まれにくく、募集が出るタイミング自体が限られます。

つまり、選考そのものの厳しさに加えて、そもそも自分の希望する領域の募集が開いている時期に当たるかどうかという要素が大きい採用だということです。志望が固まっているなら、募集を待つ前提で準備を進めておくほうが機会を逃しません。

勤務地についても偏りがあります。配置は東京90%、大阪7%、海外2%(2025年4月時点)です。地方勤務を希望する場合は、この構成と希望が合うかを先に確認しておく必要があります。

働き方の実際も公表されています。2024年度の月平均残業時間は40.3時間、年次有給取得率は65.4%、男性育休取得率は96.3%です。平均年齢は39.2歳、女性比率は30%となっています。

会社の規模感

2024年度の売上は1兆1,503億円、営業利益は1,408億円、総資産は3兆3,558億円です。1,254名という従業員数に対して扱う事業の規模が大きく、一人が関わるプロジェクトの単位も大きくなりやすい構造だといえます。

総合職と専任職の違い

東急不動産のキャリア採用には総合職と専任職という2つの入り口があり、求められるものが異なります。自分の経歴がどちらに合うかを先に決めておくと、志望動機の組み立て方も変わります。

総合職

多様な事業を幅広く経験し、それぞれの価値を最大化させる役割を担う職種です。定期的なローテーションがあり、複数の事業を経験することで広い視野と経営感覚を養うことが前提に置かれています。事業同士の組み合わせで新しい価値を社会に提供することが求められる、という位置づけです。

同社が掲げる求める人物像は「高い視座と広い視野で事業をプロデュースし、自らの手で未来を拓く」人材で、自ら課題に取り組む姿勢と、想定外の環境での対応能力が挙げられています。

裏返すと、一つの専門を深く究めたい方にはローテーションが合わない可能性があります。領域が変わることを機会と捉えられるかどうかが、この職種を選ぶかどうかの分かれ目になります。

専任職

特定の領域における高度な知見を武器に、事業の質を根本から引き上げる専門家集団として位置づけられる職種です。「一つの道を究めながらも、総合職と緊密に連携し、多様なビジネスの最前線で経験を積む」とされています。

対象となる専門領域は5つです。

  • DX業務
    • デジタルマーケティング、BPR企画(業務プロセスの再設計)、ITインフラ運用
  • 財務・経理業務
    • 決算関連業務
  • 法務業務
    • 法律相談、契約審査、コンプライアンス対応
  • 都市事業
    • オフィス・商業施設の開発企画、工事推進
  • 住宅事業
    • マンションの品質管理、積算

注目したいのは、DX・財務経理・法務という機能領域が対象に含まれている点です。不動産業界の実務経験がなくても、これらの職能を別業界で積んできたなら、その専門性そのものが入り口になります。総合職だけが道ではないということです。

9つの事業領域と仕事の流れ

総合職が携わる事業は9つの領域に分かれ、それぞれの事業を「買う・建てる・売る貸す・運営する」という4つの段階で進めます。この2つを掛け合わせた座標で考えると、自分の経験がどこに接続するかが見えてきます。

9つの事業領域は、複合施設・オフィス事業、海外事業、インダストリー事業、再生可能エネルギー事業、シニア・ヘルスケア事業、ホテル・リゾート事業、賃貸レジデンス事業、分譲マンション事業、商業施設事業です。

ここで目を引くのは、再生可能エネルギー事業やシニア・ヘルスケア事業、インダストリー事業といった、いわゆる不動産の枠に収まらない領域が並んでいることです。エネルギー、介護・ヘルスケア、物流や産業インフラといった分野で事業に携わってきた方にとって、業界を丸ごと変えるのではなく隣接領域へ移るという捉え方ができます。

もう一方の軸が、プロジェクトの段階です。

段階主な業務
買う用地取得
建てる商品企画、事業推進
売る・貸す販売、リーシング
運営する施設管理、テナント対応

前職で用地の仕入れや投資判断に関わっていたなら「買う」、企画や商品開発なら「建てる」、法人営業やテナント誘致なら「売る・貸す」、施設運営や顧客対応なら「運営する」というように、前職の経験はいずれかの段階に対応づけられます。志望動機では、9領域のどれで、4段階のどこを担いたいのかを名指せると、話が具体になります。

なお、会社全体としては東急不動産ホールディングスのもとで都市開発事業、戦略投資事業、管理運営事業、不動産流通事業という4つのセグメントに分かれています。総合職の9領域は、この事業構造を職務の単位に落とし込んだものと捉えると理解しやすくなります。

グループ各社との役割の違い

東急不動産と東急リバブル、東急コミュニティーは、同じグループに属する別々の会社であり、担う役割が違います。ここを取り違えると、応募先そのものがずれます。

東急不動産は、総合不動産ディベロッパーとしてオフィス、商業、住宅、リゾート、シニアの各事業を展開する会社です。開発の企画から運営までを担う立場にあります。

東急コミュニティーは、マンション・ビル管理を中心に、住環境と事業環境のサポートによる総合生活サービス業を展開する会社です。東急リバブルは、不動産の売買・賃貸の仲介業と、新築マンション・一戸建て等の販売受託業を柱としています。

このほかグループには、住宅の賃貸・管理運営と社宅代行を手がける東急住宅リース、全国100を超える施設運営を担う東急リゾーツ&ステイ、リフォームの東急Re・デザイン、シニア住宅・介護施設を運営する東急イーライフデザイン、不動産ファンド運用の東急不動産キャピタル・マネジメント、福利厚生サービスのイーウェル、学生向けサポートの学生情報センターなどがあります。

応募先を選ぶときの目安はこうなります。開発の上流、つまり土地を仕入れて何を建てるかを決める側に回りたいなら東急不動産。個人や法人の売買・賃貸を仲介する仕事なら東急リバブル。建物や住環境を維持し運営する仕事なら東急コミュニティー。同じ「東急」でも、日々向き合う相手も評価される能力も変わります。

持株会社と事業会社は別法人です

東急不動産ホールディングスは持株会社であり、事業会社である東急不動産とは別の法人です。求人情報や年収データを検索したときに両者が混ざりやすいので、どちらの会社の情報を見ているのかを確認してください。従業員数を見ると判別しやすくなります。

面接で見られる観点

面接官と応募者が和やかに話すオフィスのミニチュア

面接で問われるのは、不動産の知識よりも、事業をどう組み立ててきたかという経験の中身です。同社が求める人物像として「高い視座と広い視野で事業をプロデュースし、自らの手で未来を拓く」ことを掲げている以上、確認されるのはその素地があるかどうかになります。

準備しておきたい観点は3つあります。

ひとつめは、複数の関係者を動かして物事を前に進めた経験です。デベロッパーの仕事は、用地の売主、設計者、施工会社、行政、テナント、運営会社と、立場の異なる相手を横断して進みます。自分ひとりで完結する成果よりも、利害の違う相手をどう束ねたかのほうが、この仕事の再現性を示します。前職での事例を、関係者の顔ぶれと自分が取った動きが分かる粒度で用意しておきます。

ふたつめは、前例のない状況で判断した経験です。同社は求める人物像として、自ら課題に取り組む姿勢と想定外の環境での対応能力を挙げています。マニュアルどおりに進んだ話ではなく、想定が崩れたときに何を根拠にどう決めたかを話せると、この観点に応えられます。

みっつめは、志望の具体性です。9つの事業領域と4つのプロジェクト段階のうち、自分がどこを担いたいのかを名指せるかどうか。「街づくりに関わりたい」という水準の志望動機は、同じ会社を受ける他の候補者も口にします。「再生可能エネルギー事業の用地取得で、前職の◯◯の経験を使いたい」というところまで落とせると、話の解像度が変わります。

なお、不動産の経験がないこと自体が前提から外れるわけではありません。同社はキャリア入社者の事例として、デベロッパーや鉄道といった同業・近接業種に加え、金融やメディアの出身者を紹介しています。前職の業界そのものより、そこで何を組み立ててきたかが問われる採用だと考えてよいでしょう。

選考に向けた準備

応募は同社のキャリア採用サイトから行い、募集職種は時期によって入れ替わります。条件検索やフリーワード検索で職種を選んで応募する導線になっており、掲載職種が0件の時期もあります。

このため、準備の進め方は2つに分かれます。ひとつは、採用サイトを定期的に確認して募集が開いた時に動けるようにしておくこと。もうひとつは、転職エージェントを通じて募集情報を把握しておくことです。募集が常時出ているわけではない以上、開いてから準備を始めると間に合わないことがあります。

リクルートエージェントは、転職サイトに掲載していない非公開求人を扱い、キャリアアドバイザーが希望やスキルに沿った求人を紹介するサービスで、対応領域に不動産が含まれます。職務経歴書の添削、応募企業の面接で注目される点の共有、過去の質問例を踏まえた面接対策、年収交渉や入社日の調整まで支援の範囲に入ります。デベロッパーへの応募は職務経歴書で事業の組み立て方を伝える必要があるため、第三者に読んでもらう価値のある選考です。

入社後の受け入れについても触れておくと、同社はキャリア入社者に対して入社初期にブラザー・シスター制度を導入しており、同部署の社員が業務のサポートにあたります。中途で入った人が組織に馴染むまでの手当てが用意されているということです。

向いている人・向かない人

ここまでを踏まえて、向いている人と向かない人を整理します。

向いているのは、事業を複数の関係者と組み立てる仕事に手応えを感じる人です。ローテーションで担当領域が変わることを、経験の幅が広がる機会と捉えられる方も合います。不動産の枠を超えて、再生可能エネルギーやシニア・ヘルスケアといった領域にも関心を持てるなら、9つの事業領域が選択肢として生きてきます。

向いていないのは、一つの専門を深く究めたい人です。ただしこの場合は総合職ではなく専任職という入り口があるので、諦める前に対象領域を確認する価値があります。地方勤務を希望する方は、配置が東京90%という構成と希望が合うかを先に確かめてください。決まった業務範囲で腰を据えて働きたい方にとっても、ローテーションのある総合職は想定と異なる可能性があります。

大手ディベロッパーを併願して比べたい場合は、三井不動産の転職難易度と選考対策について、以下の記事で整理しています。あわせて参考にしてください。

参考記事:三井不動産の中途採用は厳しい?|転職を考える前に読む

よくある質問

Q. 不動産未経験でも東急不動産に転職できますか?

同社の公表値では、2025年度のキャリア採用のうち35%が未経験者です。2023年度の13%から比率が上がっており、業界外からの受け入れが進んでいることが読み取れます。また専任職ではDX・財務経理・法務といった機能領域が対象になっているため、不動産の経験がなくても職能の専門性で応募できる入り口があります。

Q. 東急不動産の年収はどのくらいですか?

有価証券報告書等に基づいて公表されているのは、持株会社である東急不動産ホールディングスの数値です。2025年3月期で平均年収12,784,000円、平均年齢42.8歳、従業員数118人となっています。従業員数から分かるとおりこれは持株会社単体のデータであり、従業員1,254名の事業会社である東急不動産の水準とは別のものです。応募先の給与水準は募集要項で確認してください。

Q. 働き方はどうですか?

2024年度の実績として、月平均残業時間40.3時間、年次有給取得率65.4%、男性育休取得率96.3%が公表されています。正社員離職率は2025年度で2.5%と低い水準です。

Q. 勤務地は選べますか?

配置は東京90%、大阪7%、海外2%(2025年4月時点)で、東京に集中しています。地方勤務を前提に考えている場合は、この構成と希望が合うかを応募前に確認しておくことをおすすめします。

まとめ

東急不動産のキャリア採用について押さえておきたいのは、次の3点です。採用は継続的に行われており、人数も未経験者の比率も公表されていること。難易度は、従業員1,254名という規模に対する枠の小ささと、2%台という離職率の低さという構造から来ていること。そして入り口は総合職と専任職の2つがあり、どちらを選ぶかで問われるものが変わること。

会社の見分けも整理できました。開発の上流に関わるなら東急不動産、仲介なら東急リバブル、管理・運営なら東急コミュニティー。持株会社の東急不動産ホールディングスは、これらとは別の法人です。

次にやることは、同社のキャリア採用サイトを開いて、9つの事業領域のうち自分の経験が接続する領域を1つ選ぶことです。そこまで決まれば、職務経歴書に何を書くかも自ずと定まります。

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