天職みつかーる
更新日:2026/08/19

機械設計で半導体業界へ転職|会社の3つの型と必要な知識

機械設計で半導体業界へ転職|会社の3つの型と必要な知識

この記事の要約

半導体の機械設計で求人を検索すれば、募集そのものはすぐ見つかります。読み取れないのは、その求人で自分が何を設計することになるのかです。半導体そのものの回路は電気・電子の領域で、機械設計者が担当するのは半導体を作るための装置と設備ですが、その装置と設備は、売り物として世に出る装置と、自社の工場に据える生産設備に分かれます。この記事は、機械設計の経験を半導体分野に持ち込めるかを判断したい人に向けて、デバイスメーカー・製造装置メーカー・材料メーカーの3つの型で設計対象がどう変わるかを示し、機械設計技術者の年収と問われる知識、デンソーなど大手の募集区分を順に整理します。設計の実務経験がない場合に現場へ入る順路と、業界の波・工場の働き方もあわせて扱います。

求人票では設計対象が分からない

半導体の機械設計で求人を検索すると、募集そのものはすぐ出てきます。大手の求人サイトには「半導体製造装置設計」という職種区分が用意されており、業種を半導体メーカーに絞って機械設計の職種を掛け合わせる探し方もできます。手が止まるのはその先です。並んだ求人票を開いても、自分がそこで何を設計することになるのかが読み取れません。加えて、半導体の転職を調べても機械設計の年収を調べても、関連する検索の一覧には「やめとけ」を含む語が並びます。そもそも目指してよい業界なのか、という不安も残ったままになります。

読み取れないのは、同じ「半導体の機械設計」という言葉が2つの立場を指しているからです。半導体そのものの回路を設計するのは電気・電子の領域で、機械の設計を担ってきた人が関わるのはその外側になります。半導体は装置と設備がなければ1枚も作れず、ウェーハを運ぶ、真空を保つ、温度を一定にするといった「作るための機械」が要ります。その機構を設計するのが機械設計者です。ただし、その機械には、顧客に売る商品として設計する立場と、自社の工場で使う設備として設計する立場があります。求人サイトもこの2つを別の区分として持っており、dodaには「半導体製造装置設計」という職種の一覧と、業種を半導体メーカーに絞って機械設計を掛け合わせた一覧が、それぞれ別に用意されています。企業側の呼び名もそろっていません。後で見るように、東京エレクトロンは「メカエンジニア」、デンソーは「メカ設計(機構・筐体など)」という区分名を使っています。どちらを設計する仕事なのかは、職種名ではなく、その会社が半導体のどこを担っているかを見ないと決まらないということです。

やっかいなのは、その「作るための機械」が、会社によって別物になることです。半導体そのものを作る会社、その製造装置を作る会社、材料や部材を供給する会社は、いずれも「半導体業界」と呼ばれます。しかし機械設計者が向き合う対象物も、求められる経験も違います。

この記事が想定している読者

主に想定しているのは、機械設計の実務経験があり、その経験を半導体分野に持ち込めるかを判断したい人です。会社の型ごとの設計対象、機械設計技術者の年収と問われる知識、大手メーカーの募集区分は、この立場を前提に書いています。あわせて、設計の実務経験がない状態で半導体の現場に入りたい人に向けて、周辺職種から始める順路を1つのセクションで扱います。業界の波と工場の働き方は、どちらの立場にも共通する判断材料です。

まずは会社の型から整理していきます。

会社の型で設計対象が変わる

図面を見ながら議論する2人のエンジニア

半導体の求人は、デバイスメーカー・製造装置メーカー・材料/部材メーカーの3つに分けると、機械設計者が何を設計することになるのかが見えてきます。前提として、製造工程の全体像を押さえておきます。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)の「半導体製造」によれば、半導体の総工程数は400〜600工程に及び、大きくは前工程(ウェーハ処理工程:表面に電気回路を作る)と後工程(組み立て工程)に分かれます。前工程では成膜、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、平坦化を繰り返して多層の配線回路を作り、後工程ではダイシングでチップを切り出し、基板への固定、ボンディング、樹脂などでの封止を経て、検査を通ったものが製品になります。この長い工程のどこを担う会社なのかで、設計する機械が変わります。

デバイスメーカー

半導体そのものを設計・製造している会社です。自社の工場に製造装置を並べ、前工程と後工程を回して製品を作ります。機械設計者が担当するのは、半導体そのものではなく、それを作るための設備側です。装置の搬入・改造に伴う架台や配管、ウェーハやトレイを運ぶ搬送治具、検査工程の冶具などが対象になります。同居する職種は、工程条件を作り込むプロセスエンジニア、歩留まりを管理する品質保証、ラインを設計する生産技術、装置を操作する製造オペレーターです。job tagが示す「半導体製造」の就業者数は485,760人(令和2年国勢調査の結果を加工して作成)で、半導体に関わる職業のなかでは人数の多い領域です。

製造装置メーカー

デバイスメーカーが使う装置を作って売る会社です。job tagの「半導体製造」の記述でも、日本の半導体売上シェアが1990年代以降に低下した一方で「半導体製造装置の市場シェアも高い」とされており、日本の企業が強みを持つ領域として挙げられています。機械設計者にとっては、3つのなかで設計対象そのものに近いのがこの型です。設計するのは装置の機構であり、真空チャンバー、ウェーハを1枚ずつ動かす搬送機構、温度や圧力を保つための構造、装置全体のフレームなどです。東京エレクトロンのキャリア採用サイトでは、募集職種が「エンジニア(研究開発)」としてメカエンジニア・ソフトエンジニア・AIエンジニア・エレキエンジニアに分かれ、これとは別に顧客先で装置を扱う「フィールドエンジニア」が置かれています。装置メーカーでは、設計と現場対応が職種として分かれている点が特徴です。

材料・部材メーカー

シリコンウェーハ、フォトレジスト、ガス、薬液、部品といった材料や部材を供給する会社です。半導体は「シリコンなどの元素半導体を材料として作られる電子部品」であり、この供給側にも製造ラインがあります。機械設計者が担当するのは、材料を作るための製造設備や搬送・充填の機構です。デバイスメーカーと同じく設備側の設計になりますが、扱う対象が化学物質や高純度材料になるため、密閉・洗浄・腐食対策といった条件が加わります。デバイスの需要が上下しても、材料は生産が続く限り消費されるため、需要の波の受け方がデバイスメーカーとは違ってきます。

機械設計の年収と必要な知識

ここからは、半導体業界の話ではなく機械設計という職種の話です。会社の型がどれであっても、機械設計者として問われる知識と賃金の水準には共通の目安があります。

仕事の流れと年収

機械設計技術者の賃金は、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)によれば全国で659万円です(令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)。平均年齢は42.3歳、労働時間は162時間、1時間当たりの賃金は一般労働者で3,085円です。「機械設計は年収が低い」という検索候補が並ぶ一方で、公的統計が示す水準はこの金額です。ハローワークの求人統計では、令和7年度の求人賃金(月額)が30.7万円(対前年度差プラス1.1)、有効求人倍率は3.14でした。求職者1人あたり3件を超える求人がある状態で、採用側が人を集めにくい職種だと分かります。

仕事の中身は、CADの操作だけではありません。job tagは仕事の流れをこう記しています。顧客の要望を確認し、社内・関係会社とすり合わせを行い、類似品の調査も並行しながら、コンセプトの設定、使用可能な技術・資材・部品の検討を経て、製図ソフトや解析ツールでシミュレーションを繰り返して基本仕様を考案する。シミュレーションではコスト・安全性・環境への配慮を勘案して実現可能性を検討し、多くの場合は試作品を作って検証する。仕様が固まったら量産化を前提とした設計図を引き、その設計図が実現可能か、ミスがないかを確認する。つまり、図面を描く時間の前後に、要求の翻訳と、作れるかどうかの判断が挟まっています。

一人前と認められるまでの期間についても記載があります。job tagは「一般的には入社後5〜10年程度かかるとされる」としています。就業者の中核は30代から50代で、およそ7割がこの年代に集まっています。時間のかかる職種である一方、いったん身につけた設計の力は業界をまたいで持ち運べるため、半導体の装置設計から別の産業機械へ、あるいはその逆へ移ることも起こります。

問われる知識

機械設計を担当するために問われるのは、CADの操作技能そのものよりも、その前提になる工学の知識です。job tagは、機械設計技術者について「新卒採用の場合は材料力学、機械力学、流体力学、熱力学の4力学に加えてメカトロニクス、制御工学など広範な知識が求められる」と記しています。求人票では「4力学の基礎知識」「機構設計の実務経験」といった書き方で現れます。

  • 4力学の理解
    • 材料力学は部品が壊れないか、機械力学は動く部分が振動しないか、流体力学は気体や液体の流れ、熱力学は温度の管理に対応します。
  • メカトロニクスと制御の知識
    • 装置はモーターやセンサーと組み合わさって動きます。機構だけを設計しても動く装置にはならないため、制御側と会話できる範囲の知識が要ります。
  • 量産と保守を見据えた設計
    • job tagが挙げる「量産化を前提とした設計図」という記述がここに当たります。作れる形か、組める形か、部品を調達できるか、故障したときに交換できるかを、図面を引く段階で織り込みます。
  • 関連法規の知識
    • job tagは「品質表示法はじめ電気用品安全法や電波法、有害物質規制法などは、関連法として特に重要視されている」とし、輸出については「WEEEやRoHsなど各種指令を念頭に置いて機械設計を行わなければならない」と記しています。
  • 語学とコミュニケーション
    • 同サイトは「顧客の要望を理解しカスタマイズされた商品を開発、設計するための理解力、コミュニケーション能力が求められる」「海外の顧客や取引先とやり取りをするための語学力が必要とされることも多い」としています。半導体の装置は海外の顧客に納入されることが多く、この要件は求人票にも表れます。

資格については、job tagの「機械設計技術者」に関連資格の登録はありません。ただし労働条件の特徴として「日本機械設計工業会が実施している『機械設計技術者試験』の資格取得者に資格手当を支給している企業もある」と記されています。資格が応募の条件になるというより、手当として評価される位置づけです。

学歴の実態

job tagの学歴の内訳(複数回答)は、大卒67.4%、修士課程卒32.6%、高卒19.6%、高専卒17.4%、専門学校卒10.9%です。大学・大学院卒が中心である一方、高専卒と高卒を合わせると3割を超えます。学歴だけで応募の可否が決まる職種ではありませんが、新卒採用の入口が理系の学部・高専に寄っているため、中途では実務経験がその代わりになります。

大手メーカーの募集区分

前のセクションで見た知識や経験が、実際の募集ではどう区切られているのか。大手メーカーの採用ページを開くと、募集の区分そのものが答えになっています。

デンソーのキャリア採用は、職種を選んで応募する形をとっています。同社のジョブサーチでは、職種の絞り込みカテゴリに「半導体」「メカ設計(機構・筐体など)」「生産技術開発」「ファクトリーオートメーション」「電動化」「回路設計」「品質保証」「生産管理」などが用意されており、半導体と機械設計はいずれも独立した募集区分として存在します。自動車部品のメーカーでありながら半導体の区分があるのは、車載向けの半導体を自社の事業として持っているためです。

選考の流れは公式に示されています。エントリー、書類選考、適性検査、面接2回(所要時間60分・オンライン)、オファーレターという順で、「エントリーからオファーまで平均1カ月」「オファー承諾から約2カ月後が入社月の目安」とされています。求める人財像は「自ら学び、自ら考え 新たな価値の実現に向けて挑戦し続けていく人財」で、「強い好奇心を持って広く物事を学び、前提や常識にとらわれずに柔軟に発想する」「周囲と一歩踏み込んだコミュニケーションを行い、互いの個性を高め合う」といった要素が挙げられています。

応募資格は募集ごとに違う

職種カテゴリは共通でも、実務経験年数や専門分野の要件は個々の募集で設定されます。応募前にジョブサーチで対象の募集を開き、求める経験の欄を読んでから書類を作るほうが、経歴の書き方を要件に合わせやすくなります。

装置メーカー側では、区分の切り方が変わります。東京エレクトロンのキャリア採用では、機械設計は「エンジニア(研究開発)」区分のメカエンジニアとして募集され、顧客先での装置対応は「フィールドエンジニア」という別区分になっています。デバイス側は自社の生産ラインをどう作るかが軸になり、装置側は売り物である装置そのものの設計が軸になる、という違いです。同じ「機械設計」でも、応募先の型によって職務経歴書で強調すべき経験が変わります。

書類に書く内容は、要件から逆算して決めます。担当した装置や機構の名称、扱った材料と加工方法、設計のどこからどこまでを担当したか(構想からか、詳細設計からか、図面出図までか)、量産の立ち上げに関わったか、解析ツールで何を検証したか。この5点が書かれていれば、募集要件との対応を採用側が判断しやすくなります。

設計未経験で半導体に関わる入口

ここからは、機械設計の実務経験がない人に向けた話です。設計の経験がないまま設計職の募集に応募しても、前のセクションで見た募集要件(担当した装置や機構、量産立ち上げへの関与)を満たせません。それでも半導体に関わりたい場合に取れる道として、現場に入れる職種から始めて設計に近い位置へ動く順路があります。この節で挙げるのは機械設計の求人ではなく、その手前にある職種です。設計の実務経験がある人は、次のセクションまで読み飛ばしてかまいません。設計は工学の知識を前提にしており、一人前まで5〜10年かかるとされる職種なので、遠回りに見えても現場からの接続のほうが早いことがあります。

入口として広いのが製造・オペレーターの職種です。job tagの「半導体製造」は、就業するための条件を「入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。高校卒業後、入職する場合が多い。特に専攻も問われない」と記しています。入職後は「各半導体メーカーによって異なるが、1〜6カ月にわたってOJTによる教育が行われる」とされ、入職前の訓練期間について「特に必要ない」と答えた割合は34.8%、「1ヶ月以下」が17.4%でした。賃金は全国で446.1万円、求人賃金(月額)は23.5万円、有効求人倍率は0.88です(令和7年度)。設計職の3.14と比べると応募が集まりやすい職種で、その分だけ選考で比較されることになります。

この職種からの動き方についても記載があります。job tagは「現場経験を積み、工程の管理者、クリーンルーム全体の管理者等になる者や専門性を高めエンジニアになる者もいる。また、生産職から本社等で生産管理の仕事に従事する場合もある」としています。技能検定には特級・1級・2級の半導体製品製造技能士があり、現場での専門性を示す指標になります。

もうひとつの入口が、装置メーカーのフィールドエンジニアです。顧客の工場に入って装置の立ち上げ・調整・保守を担当する職種で、東京エレクトロンのキャリア採用サイトでも研究開発のエンジニア職とは別区分で募集されています。装置の構造を現物で理解できる位置なので、設計へ移る足がかりになります。もしあなたが製造現場での設備保全や治具製作を経験しているなら、この職種はその経験がそのまま応募理由になります。

雇用の形も知っておくと選択肢が広がります。job tagの「半導体製造」の就業形態は、正規の職員・従業員が82.6%である一方、派遣社員が21.7%、契約社員・期間従業員が10.9%を占めています(複数回答)。派遣から現場に入って経験を作る経路も実在します。

IT系や事務系まで含めて未経験の入口を広く見比べたいなら、職種ごとの難易度を並べて確認しておくほうが、半導体に絞り込むかどうかの判断も早くなります。

参考記事:IT・事務の未経験求人の探し方!職種別の難易度比較と転職の手順

「やめとけ」と言われる理由

腕を組み険しい表情で考え込む男性エンジニア

ここは職種ではなく、業界全体の話です。半導体に関する検索で「やめとけ」が並ぶ背景には、需要の振れ幅と工場の働き方という2つの事情があります。

需要の振れ幅は、業界団体の予測の動きに表れます。日本半導体製造装置協会(SEAJ)の需要予測は、2026年1月の発表時点で2026年度の日本製装置販売高を12%増の5兆5,004億円としていましたが、同年7月の発表では26%増の6兆5,502億円へ上方修正されました。伸び率の見通しが半年で2倍以上に変わるほど、投資計画は状況によって動きます。同じ資料は「メモリーメーカー各社の業績は2023年第1四半期(1〜3月)に底を打って以降一貫して上昇を続け」とも記しており、直近にも落ち込みの局面があったことが分かります。投資が拡大する局面では採用も広がりやすく、投資が絞られる局面では採用が抑えられやすくなります。この波が「浮き沈みが激しい」と言われる背景です。

働き方の制約は、工場で働く職種にはっきり出ます。job tagの「半導体製造」は「24時間稼働が多く、8時間勤務の3交代制や12時間勤務の2交替制が一般的である」とし、休日もローテーションで取得すると記しています。勤務する時間帯が週や月の単位で入れ替わり、休日も固定されないため、家族や友人と生活の時間を合わせにくくなります。

出入りの手順も負担になります。job tagは、ホコリが出にくい白衣に着替え、帽子・手袋・マスクを着用し、靴も履き替え、エアシャワーを浴びてからクリーンルームに入室すると説明しています。作業中はこの装備を着けたままで、室内から出るには同じ手順を逆にたどることになります。つまり、短い休憩や急な呼び出しのたびに着替えと入室の往復が発生します。ほかの職場なら数十秒で済む離席が、そのつど手順のかかる移動になる、という違いです。

向いているのは、技術の細部を詰めることが苦にならず、業績の波を織り込んだうえで長期のキャリアを考えられる人です。設計であれば一人前まで5〜10年という時間軸を受け入れられるかどうかも判断材料になります。

向かないのは、勤務地や勤務時間の変動を避けたい人、成果が形になるまでの期間が長い仕事に耐えにくい人です。その場合でも、機械設計の知識は半導体以外の産業機械・自動車・食品機械などでも使えるので、業界を変えて同じ職種を続ける方向があります。工場の勤務条件だけが引っかかるのであれば、job tagが「開発拠点が限られているため転勤はあまりない」と記す設計職や、材料・部材の側のように需要の波を受けにくい領域を候補にする選び方もあります。

求人の探し方

半導体分野の機械設計の求人は、技術職を専門に扱うエージェントを使うと、会社の型と設計対象の対応が見えた状態で比較できます。総合型のサービスでも求人自体は見つかりますが、装置設計と設備設計の違いのように、求人票の言葉だけでは判別しにくい部分を担当者に確認できるかどうかで効率が変わります。

メイテックネクスト

エンジニアに特化した転職エージェントです。扱う分野が「電気・電子・半導体分野(回路設計、制御設計など)」「機械メカトロ分野(機械設計、生産技術など)」「化学・素材分野」「組み込みソフト分野」「IT分野」に分かれており、本記事で扱った半導体と機械設計の両方に対応しています。コンサルタントも電気・電子・半導体関連専門、機械・メカトロ関連専門というように分野別に分かれています。対応エリアは全国と海外案件で、東海エリア・関西エリアの地域担当も置かれています。

タイズ

メーカー専門の転職エージェントで、運営は株式会社タイズです。扱う業界は電気・電子・半導体、機械、化学・素材、自動車・輸送用機器などで、職種は研究開発/設計、生産技術、生産管理、品質管理・保証、製造オペレータ・保全まで含みます。設計職だけでなく現場側の職種も扱っているため、設計の経験がない状態で周辺職種を経由して設計を目指す場合にも相談先になります。コンサルタントが企業と求職者の両方を担当する体制をとっています。

マイナビ転職メーカーエージェント

株式会社マイナビが運営するメーカー業界特化のエージェントです。業種に半導体、電子部品、精密機器、自動車部品などを、職種に機械系エンジニア、電気系エンジニア、生産技術、メンテナンス・設備保守、実験・評価・解析などを挙げています。対象には20代・30代・第二新卒に加えて業界未経験者も含まれると明記されているため、他業界の製造経験から半導体へ移る場合の入口になります。

求人票を読むときは、次の項目を確認すると会社の型と担当範囲が判別しやすくなります。

  • 設計対象
    • 売り物である装置そのものか、自社工場の設備・治具か
  • 担当範囲
    • 構想設計からか、詳細設計・図面出図からか、評価まで含むか
  • 使用する解析・設計ツール
    • 求人票に挙がっているツールが、現職で使っているものと重なるか
  • 量産立ち上げへの関与
    • 試作までか、量産移行や歩留まり改善まで関わるか
  • 勤務地と就業形態
    • 開発拠点か工場か、交代勤務があるか、出張の頻度はどのくらいか

気になる求人が見つかったら、まずは狙う型(デバイス側・装置側・材料側のどれか)を決めて、その型のなかで2〜3社を比べてください。型をまたいで比べると、設計対象が違うために比較が難しくなります。

よくある質問

Q. 半導体業界は激務ですか?

職種によって変わります。工場の製造職はjob tagが「24時間稼働が多く、8時間勤務の3交代制や12時間勤務の2交替制が一般的である」と記しており、勤務時間が生活のリズムに影響します。一方で機械設計技術者の労働時間は162時間(令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)で、同サイトは開発拠点が限られるため転勤は多くないとしています。

Q. 設計の経験がなくても半導体業界に転職できますか?

製造・オペレーターの職種は、job tagが「入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。高校卒業後、入職する場合が多い」と記しており、入口としては開いています。入職後に1〜6カ月のOJTが行われるとされ、その後に工程管理者やエンジニアへ進む道も示されています。設計職を未経験からいきなり狙うのは難しく、周辺職種を経由するのが現実的です。

Q. 機械設計の年収は低いのですか?

job tagの機械設計技術者の賃金は全国で659万円です(令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)。ハローワークの求人賃金(月額)は30.7万円、有効求人倍率は3.14で、採用側が人を集めにくい状態が続いています。

Q. 半導体メーカーで働きやすい会社はどう見分けますか?

公開情報で確認できる項目に落として比べる方法があります。求人票では交代勤務の有無、勤務地が開発拠点か工場か、出張の頻度を見ます。あわせて、その会社が装置・材料・デバイスのどの型なのかを確認すると、需要の波の受け方が推測できます。

まとめ

半導体分野で機械設計の求人を読み分けるために押さえておきたいのは、次の3点です。

  • 会社の型で設計対象が変わる
    • デバイスメーカーは自社ラインの設備、製造装置メーカーは売り物である装置、材料・部材メーカーは材料の製造設備が設計対象になる
  • 機械設計はCAD操作の先が問われる
    • 4力学とメカトロニクス・制御の知識、量産と保守を見据えた判断、関連法規と語学が求人票の要件に現れる
  • 設計の経験がなければ周辺職種から入る
    • 製造・オペレーターや装置メーカーのフィールドエンジニアは学歴や資格の要件が緩く、そこから工程管理者やエンジニアへ進む道がある

次にやることは1つです。デバイス側・装置側・材料側のどれを狙うかを先に決めてから、求人票の「設計対象」の欄を読み比べてください。ここが決まると、職務経歴書に書く経験も絞りやすくなります。

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