天職みつかーる
更新日:2026/08/31

葬儀屋求人の探し方|「きつい」の中身4つと職種ごとの負担の違い

葬儀屋求人の探し方|「きつい」の中身4つと職種ごとの負担の違い

この記事の要約

葬儀屋の求人は、学歴や資格を応募条件にしない募集が中心です。「きつい」と言われる中身は、勤務時間の不規則さ、忙しさと待機の落差、立ち作業に耐える体力、遺族への応対の4つに分けられ、どれがどれだけ重くなるかは職種で変わります。加えて当直の回数や休日は会社ごとの体制で決まり、こちらは求人票から読み取れます。職種ごとの負担、葬祭ディレクター技能審査が入社後に取る資格である理由、求人票で確認する5つの記載、4つの探し方を整理します。

「きつい」の中身を分ける

静かな部屋でノートを両手で持ち考え込むスーツ姿の人物

葬儀屋・葬儀社の求人票には、セレモニースタッフ、葬祭スタッフ、葬祭ディレクターといった職種名が並び、「未経験歓迎」と添えられているものもあります。ただし同じ職種名の募集でも、会社によって1日の中身は変わります。

変わり方は主に3つの点で決まります。自社の式場を持っているか、外部の式場を借りて施行するか。病院などからの搬送を自社の車と社員で行うか、専門の業者に外注するか。そして夜間にかかってくる電話を、社員が交代で泊まって受けるか、自宅待機で受けるか、コールセンターにいったん転送するか。この3点が違えば、勤務時間の入り方も、1人が担当する工程の広さも変わります。

葬祭業についてよく言われる「きつい」の中身は、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)の記述から4つに整理できます。勤務時間が不規則になること、忙しさと待機の落差が大きいこと、立ち作業と長時間の式に耐える体力が要ること、そして深い悲しみの中にいる遺族に応対し続けることです。

勤務時間については「葬祭業は24時間体制で営業しているため、時間外勤務、宿直、夜間や早朝の勤務が多い」とあります。落差については、通夜から精進落としまでの一連の行事が行われる間は続けて動くことになり、葬儀のないときは待機時間が長くなるため「繁閑の差が大きい」と書かれています。体力については「立ち作業が多く、長時間の式にも対応するため一定の体力が求められる」と明記されています。遺族への応対については「葬儀は悲しみの中で厳粛に執り行われるため、葬祭業務に携わる者の言動がその葬儀の成否に大きな影響を与える」として、「落ち着き、忍耐、誠実、清潔感、信頼性などが重要」「予想外の出来事にも素早く判断を下し、スタッフに的確な指示を出せることも必要」と記しています。

この4つのうち、忙しさと待機の落差、体力、遺族への応対の3つは、どの葬儀社を選んでも葬祭業である限り付いてきます。会社によって変わるのは勤務時間の不規則さの度合いで、当直が月に何回あるのか、明けが休みになるのか、手当が基本給と別に付くのかという形で表れます。年間休日の日数や1人あたりの担当件数も同じで、いずれも求人票の書き方に出ます。

4つをどれだけ引き受けるかは、職種によっても変わります。施行を1件通して担当するのか、当日の運営だけを担うのか、搬送を受け持つのかで、重くなる負担が違います。

未経験から入れる理由

葬祭業は、学歴や資格を応募の条件にしない募集が中心で、未経験からの中途入社が入口として成立しています。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)は葬祭ディレクターの職業詳細で、「葬祭スタッフとして働くには、特に学歴や資格は必要とされない」「大手葬儀社では定期採用も行われているが、中途採用が中心で、ハローワークや求人広告を通じて募集されることが多い」と記しています。

資格が条件にならないのは、葬祭ディレクター技能審査が受験に葬祭の実務経験を求めるためです。採用側は、資格の有無ではなく、遺族への応対と段取りを担えるかという適性を見ることになります。

実際に働いている人の学歴も、特定の層に偏っていません。job tag の調査では、この職業で多いと感じる学歴として高卒が30.6パーセント、大卒が28.6パーセント、専門学校卒が18.4パーセントと分かれています。入職前に必要と考える訓練期間についても、「特に必要ない」が24.5パーセント、「1ヶ月以下」が8.2パーセント、「1ヶ月超から6ヶ月以下」が20.4パーセントと、短い側に回答が集まっています。

採用側が適性を重く見るのは、事業所の規模とも関係します。令和3年経済センサス‐活動調査によると、個人経営を除く民営の葬儀業は全国で8,070事業所、従業者数は70,509人でした。ここから計算すると1事業所あたり約8.7人です。同じ調査で葬儀業が扱った葬儀は年間1,332,485件なので、1事業所あたり年間およそ165件、月に14件前後を回している計算になります。少人数で受電から施行後の手続きまでを分担することになるため、1人が受け持つ工程は広くなりやすく、特定の専門技能よりも段取りを回す力が求められます。

前職の経験を活かしやすいのも、この構造があるためです。もしあなたが接客や販売の経験を持っているなら、遺族や参列者への応対と、当日の進行を組み立てる段取りにそのまま活きます。運転業務の経験があれば搬送や送迎で、介護や医療の現場経験があれば病院からの引き取りや遺体の扱いで、既に身につけたものが最初から役に立ちます。job tag が「立ち作業が多く、長時間の式にも対応するため一定の体力が求められる」と記しているとおり、体力面の前提はありますが、そこも現場仕事の経験がある人には想像しやすい範囲でしょう。

葬儀社にある職種

葬儀社の職種は、1件の葬儀という一連の工程のどこを担当するかで分かれます。工程はおおむね、依頼の受電、病院などからの搬送と安置、遺族との打ち合わせと見積の作成、宗教者や火葬場の手配、式場の設営、通夜、告別式、出棺と火葬、その後の法要や香典返しの手配という流れです。job tag が集計したタスクの実施率では、喪主や遺族との打ち合わせと宗教家との打ち合わせがともに95.5パーセント、霊柩車やハイヤー、火葬場の手配が88.6パーセント、必要な資材やギフトの発注が84.1パーセントとなっています。

葬祭業が自分に合うかどうかは、この工程のどこに立つかで変わります。勤務の形も、夜間に呼ばれる度合いも職種ごとに違うため、応募先は職種名だけでなく担当する工程で見てください。

施行担当(葬祭ディレクター)

打ち合わせから告別式の終了までを1件通して担当する中心の職種です。遺族の意向を聞いて日時・場所・規模・宗派・予算を決め、企画書と見積書をつくり、そこから会場の手配、資材の調達、宗教者との打ち合わせ、霊柩車や火葬場の手配までを組み立てます。葬儀が終わった後の四十九日法要や香典返しの手配まで関わることもあります。正社員の募集はこの職種が中心で、未経験で入った場合は先輩に同行しながら工程を覚えていく形が一般的です。負担の面では、この職種が引き受ける範囲がいちばん広くなります。遺族との打ち合わせも、2〜3日で動く行事の段取りも、夜間に入る依頼も担当範囲に入るためです。

セレモニースタッフ

式場の設営、受付、案内、配膳など、通夜と告別式の当日の運営を担う職種です。施行担当のように1件を通して受け持つのではなく、式が行われる時間帯に入る働き方になるため、アルバイトやパートの募集がこの職種に集まりやすく、条件は時給で示されます。job tag が示す就業形態でも、正規の職員・従業員が53.1パーセントである一方、パートタイマーが16.3パーセントを占めています。この職種から入って社内で正社員に登用される経路を用意している会社もありますが、登用制度の有無は募集ごとに違うので、求人票に記載があるかを確認してください。負担は主に体力の側にあります。設営から片付けまで立ち作業が続き、式の進行中は持ち場を離れられません。一方で、勤務が式の時間帯に区切られるため、夜間の呼び出しは施行担当ほど多くありません。

搬送・ドライバー

寝台車で病院などから遺体を搬送し、霊柩車で式場から火葬場へ送る職種です。job tag は葬祭ディレクターがよく使う機材として「普通自動車(普通免許(第一種、第二種)で運転可能なもの)」を挙げており、特殊な免許を前提にした職種ではありません。ただし搬送の依頼は時間を選ばないため、夜間や早朝の呼び出しを最初に受ける職種でもあります。この職種に集中するのは勤務時間の不規則さです。夜間対応の有無を最優先で確認したいなら、この職種の募集要項を先に読むと会社の体制が見えやすくなります。

生花・祭壇の制作

生花祭壇の製作と、供花や供物の手配を担う職種です。フラワーアレンジメントや装花の経験があれば、その技術がそのまま使えます。式場に納品して設営するまでが担当範囲で、通夜や告別式の進行に同行しない編成をとる会社もあります。その場合、遺族への応対と夜間の呼び出しからは距離を取れます。施行に張り付かない働き方を探しているなら、選択肢に入れる価値があります。

事前相談・会員獲得の営業

生前の葬儀相談に対応し、会員制度や互助会の案内を行う職種です。葬儀の施行そのものは担当しない部門として置かれている会社もあり、その場合は夜間の呼び出しから距離を取れます。この場合、勤務時間の不規則さと体力の負担は軽くなります。一方で、会員の獲得に目標が設定される募集もあり、これは他の職種には無い負担です。募集要項に目標や歩合の記載があるか、営業と施行を兼務するのかは、応募前に確かめておきたい点です。

葬祭ディレクターの資格

葬祭ディレクターは、入社前に取る資格ではありません。葬祭ディレクター技能審査協会が定める受験要項では、1級の受験資格は「葬祭実務経験を5年以上有する者、または2級合格後2年以上葬祭実務経験を有する者」、2級は「葬祭実務経験を2年以上有する者」とされています。実務経験が受験の前提になっているため、働き始める前に取得しておく道がそもそも用意されていません。

実務経験の定義も明確です。同協会は葬祭実務を「葬儀業務に実際に従事してお客様に接していること(受注業務、設営業務、接客業務など葬祭業務全般に当っている)」とし、経験年数を「上記の業務を恒常的に遂行している期間」と定めています。勤労学生の場合を除き、在学中のアルバイト期間は経験年数に算入できないとも明記されています。経験年数には事業主等による証明書が必要で、派遣会社に勤務している場合は、働いている葬祭事業所と派遣会社の両方から証明を受ける必要があります。

制度そのものは1996年3月に、技能審査の所管省庁である労働省(現在の厚生労働省)から認定を受けたものです。実施しているのは1995年設立の葬祭ディレクター技能審査協会で、1996年の第1回試験から継続的に行われ、2025年度で第30回を迎えました。これまでに認定された1級・2級の葬祭ディレクターは累計で4万3千人を超えています。国家資格ではありませんが、厚生労働省の認定を受けた技能審査という位置づけです。

等級で扱う範囲が分かれている点も、キャリアの段階を理解する助けになります。2級は個人葬における相談、会場設営、式典運営などの一般的な知識と技能を対象とし、1級はすべての葬儀における同じ業務の詳細な知識と技能を対象とします。試験は学科と実技の2本立てで、学科はコンピュータを使うCBT方式です。1級は正誤判定と多肢選択を合わせて100問を50分、2級は50問を30分で解きます。実技は幕張、接遇、司会の3つの作業試験で構成され、合格には学科で70パーセント以上、実技で3科目の合計70パーセント以上が必要です。

この順序を踏まえると、求人票にある「資格取得支援あり」という表記の意味も読み解けます。入社前に取っておくべき資格を援助するという意味ではなく、入社して実務経験を積んだうえで受験するときに、費用や講習を会社が支えるという意味です。job tag も「一般的には葬儀社の従業員として実務経験を積み、社内研修や先輩・上司などの指導を得て技術・知識・能力を高め、葬儀全般を統括する葬祭ディレクターを目指すことになる」「通常、葬儀全般を管理・統括する技術・知識・能力などを修得するまでに2〜3年」と記しており、2級の受験要件である実務経験2年と重なります。

勤務体制の実態

休憩室の窓際でマグカップを両手で持ち一息つく人物

勤務時間がどれくらい不規則になるかは、会社の夜間受電の体制、地域の火葬場の休場日、そして季節による葬儀件数の変動で決まります。この3つはいずれも制度と数字で確かめられます。

24時間の依頼と当直

死亡から搬送までに時間の猶予がないため、葬儀社は夜間・早朝の連絡を受けられる体制を置いています。その体制の取り方は会社によって分かれ、社員が交代で事務所に泊まる当直、自宅で待機して呼び出しに応じるオンコール、いったんコールセンターに転送して翌朝に引き継ぐ方式などがあります。

拘束のされ方は方式ごとに違います。当直は事務所に留まる時間が勤務として発生し、オンコールは自宅にいながら呼び出しに備えることになります。転送方式では夜間の一次対応を外部が受けるため、社員が動くのは搬送が必要と判断された後に限られます。月に何回、通常と違う夜を過ごすことになるかは、この方式と回数で決まります。

休日と友引

葬儀社の休日の入り方は、地域の火葬場が友引に休場するかどうかに左右されます。job tag は全国的な傾向として「友引の日(月4〜5日)は葬儀が行われないため、事務職を除いて休日になり、他の日は交替で休みを取る」と記しています。ただしこれは全国一律ではありません。大阪市の市立斎場は公式ページの休場日欄を「1月1日」とだけ記載しており、友引も火葬を行っています。応募先の地域の火葬場が友引に休むかを調べておくと、その会社の休みの入り方をあらかじめ推測できます。

繁忙期と収入

葬儀の件数は季節で動きます。厚生労働省の人口動態統計月報(概数)を月ごとに見ると、2024年は1月の死亡数が151,988人、8月が132,797人でした。2025年は1月が172,287人、8月が122,085人です。年ごとに振れ幅は違いますが、調べた2年ともに1月が8月を上回っています。大阪市も市立斎場のページで「令和7年1月から3月にかけて、火葬需要の急激な増加に速やかに対応できず、火葬までに長期間お待ちいただく状況となりました」と告知しており、冬季に負荷が集中する実態が行政の側からも示されています。

収入については、job tag が葬祭ディレクターの属する職業分類(葬儀師、火葬係など)の統計として、賃金(年収)402.7万円、労働時間163時間、平均年齢43.4歳を示しています。いずれも令和7年賃金構造基本統計調査を加工した数値で、年収には賞与と残業代が含まれます。1時間当たりの賃金は一般労働者が1,928円、短時間労働者が1,355円です。ハローワークの求人統計データでは、令和7年度の求人賃金(月額)が24.2万円、有効求人倍率が5.82となっています。

額面の比較だけで判断しにくいのは、当直手当や待機手当の扱いが会社によって違うためです。基本給と別に加算する会社もあれば、固定残業代に含めて提示する会社もあります。同じ月給の表示でも、夜間対応の対価が上乗せされるのか、すでに織り込み済みなのかで手取りの伸び方は変わります。

ここまでの当直・休日・繁忙期の3点は、入社してから自分で変えられるものではありません。当直の回数は会社の受電体制が決め、公休の入り方は地域の火葬場の休場日が決め、繁忙期は季節が決めます。夜間の勤務をどこまで受け入れるかは、応募する会社と職種を選ぶ段階で決めておく必要があります。

求人票で確認する点

会社ごとの体制は、求人票の5つの欄に表れます。まず一覧で押さえてから、それぞれの読み方を見ていきます。

確認する欄見るべき記載判断の目安
会社概要自社式場と搬送の体制、互助会かどうか自社で式場も搬送も持つ会社ほど社内で担当する工程が広い
勤務時間当直・宿直・オンコールの表記と月あたりの回数回数と明け休みの有無まで書かれているか
休日年間休日日数、公休の決まり方日数が実数で示されているか
給与・手当当直手当が基本給と別か、固定残業代の時間数夜間対応の対価が別建てか、みなしに含まれるか
教育体制同行研修の期間、資格取得支援の内容未経験採用で研修の期間が示されているか

会社の形態と施行の体制

葬儀社は、専門葬儀社、冠婚葬祭互助会、JAや生協の葬祭事業、施行を他社に委託する紹介系など、いくつかの形態に分かれます。令和3年経済センサス‐活動調査では、葬儀業が8,070事業所であるのに対し、冠婚葬祭互助会は359事業所と、産業分類の段階で別に集計されています。

互助会は、会員から葬儀費用を分割で前もって預かる仕組みを持つ点が他と違います。経済産業省は前払式特定取引を「商品の売買の取次ぎ又は指定役務(冠婚葬祭に関わる役務)の提供…で、購入者等に対する商品の引渡し等に先立って、購入者等から商品代金等を2月以上の期間にわたり、かつ3回以上に分割して受領する取引」と定義し、いわゆる冠婚葬祭互助会がこれに該当すると説明しています。この取引は経済産業大臣の許可を受けなければ営めず、前受金の2分の1相当額について保全措置を講じることが義務付けられています。会員制度がある会社では、会員獲得の活動が業務に含まれる場合があるので、募集要項に営業目標や歩合の記載があるかを見てください。

自社式場を持つかどうかと、搬送を自社で行うかどうかも、担当する工程の広さを決めます。自社式場があれば設営から当日の運営まで社内で完結するため、1人が受け持つ範囲が広くなります。外部の式場を借りて施行する会社は、会場ごとに勝手が変わる代わりに、設営の一部を会場側が担うこともあります。搬送を専門の業者に外注している会社なら、社員が寝台車を運転する場面はありません。会社概要に式場の一覧や保有車両の記載があるか、仕事内容欄に搬送が含まれているかで、この2点は読み取れます。

当直とオンコールの記載

勤務時間欄の記載が「当直あり」「宿直あり」で止まっている募集もあります。ここで確認したいのは、月あたり何回なのか、当直手当がいくらなのか、そして当直明けが休みになるのかの3点です。この3つが書かれていれば、月のうち何日が通常と違う生活になるかを計算できます。

書かれていない場合は、面接で聞く項目としてメモしておいてください。募集によって記載が分かれる項目なので、書いていないこと自体が問題というわけではありません。ただし入社後の生活を左右する条件なので、確認しないまま応募を進めるのは避けたいところです。

年間休日と公休

年間休日は、日数が実数で書かれているかを見ます。「シフト制」「週休2日制」とだけある場合、年間で何日休めるのかは読み取れません。地域の火葬場が友引に休場するかで公休の入り方が変わるので、応募先の地域の火葬場の休場日を調べてから求人票を読むと、この欄の書き方の意味が見えてきます。

手当の内訳

給与欄では、当直手当・待機手当・出動手当が基本給と別建てになっているか、それとも固定残業代に含まれているかを確認します。固定残業代であれば何時間分に相当するのかも見てください。夜間対応が多い職種で固定残業代の時間数が大きいと、月給の表示が高く見えても時間当たりの水準は変わらないことがあります。

研修と資格取得支援

未経験で応募するなら、同行研修の期間が書かれているかを見ます。job tag が「葬儀全般を管理・統括する技術・知識・能力などを修得するまでに2〜3年」と記しているとおり、施行を1人で回せるようになるまでには時間がかかります。研修期間中に誰と組んで何件同行するのかまで書かれている募集は、教育の設計が細かいと判断する材料になります。

「未経験歓迎」という表記は、ここまでの5点のいずれも保証しません。応募を受け入れる姿勢を示すだけの言葉なので、それだけを根拠に応募先を絞らないでください。

葬儀屋求人の探し方

葬儀屋の求人にたどり着く経路は4つあります。集まっている募集の性質が違うので、優劣ではなく、自分が何を優先するかで選び分けてください。

葬祭業に特化した求人サイト

葬祭ジョブは、葬祭業界に特化した求人サイトです。職種のカテゴリが葬祭ディレクター・納棺師・湯灌師、営業職、バックオフィス、生花祭壇作成、セレモニースタッフ、ドライバーといった形で業界の職種そのままに分かれており、担当する工程から募集を探せます。求人検索だけでなく、キャリアアドバイザーに無料で相談できる転職支援の窓口も用意されています。対応エリアは全国で、北海道から沖縄まで都道府県別に求人カテゴリがあります。職種の違いがまだ整理できていない段階なら、業界の職種区分に沿って並んでいるこのタイプのサイトから見始めると、自分が応募する職種を決めやすくなります。

総合転職サイト

総合型の転職サイトにも葬祭業の入口があります。マイナビ転職には「葬儀屋の転職・求人情報」というカテゴリページがあり、セレモニープランナー、葬祭ディレクター、送迎ドライバー、生花・装飾スタッフ、営業、事務職といった職種が並びます。絞り込みは勤務地のほか、雇用形態が正社員・契約社員・業務委託・パートアルバイト・派遣・紹介予定派遣に分かれ、こだわり条件には完全週休2日制、年間休日120日以上、転勤なし、残業少なめといった項目があります。年間休日の日数で絞り込めるので、休日の条件を先に決めている場合はこの操作から入ると早く進みます。

ハローワーク

地域に根ざした中小の葬儀社は、ハローワークを通じて募集していることがあります。job tag も葬祭ディレクターの就業経路について「ハローワークや求人広告を通じて募集されることが多い」と記しています。通勤圏を限定して探したい場合や、地元で長く働きたい場合は、この経路を外さないでください。窓口では求人票に書かれていない条件を職員経由で確認できることもあります。

会社の採用ページ

応募先の候補が絞れてきたら、その会社の採用ページと会社案内を直接読んでください。式場の数、年間の施行件数、社員数といった情報が会社サイトに載っていることがあり、これがあれば1人あたりの担当件数を概算できます。求人票の勤務条件と会社サイトの規模感を突き合わせると、忙しさの見当がつきます。

向いている人・いない人

向いているかどうかは、性格の善し悪しではなく、行動の傾向で判断できます。決まった段取りを時間どおりに進めることに苦痛を感じない人、相手の感情に踏み込みすぎずに必要な手続きを進められる人、地域の中で顔の見える仕事を長く続けたい人は、この仕事の進み方と合いやすいでしょう。突発的に入る依頼に対して、予定を組み替えることを負担と感じにくいかどうかも、判断の分かれ目になります。

向いていないと感じる要素もはっきりしています。勤務時間を自分で固定したい人は、当直やオンコールのある職種では希望どおりにいきません。その場合は当直の専任者を置く会社を選ぶか、施行に同行しない部門(生花・祭壇の制作、事前相談の営業)を候補にしてください。

遺族の感情に接し続けることの負担を軽く見積もっている場合も、入社後につらくなりやすいところです。葬祭ディレクター技能審査が実技試験に接遇の科目を置き、深い悲しみの中にいる遺族への挨拶やお悔やみ、意向の聴き取りを評価対象にしているのは、これが技能として扱われるほど負荷のある仕事だからです。ここを続けられるかどうかに自信が持てないなら、遺族との応対が仕事の中心にならない生花・祭壇の制作から入るか、葬祭業以外の接客職を先に見比べてください。

短期間で年収を大きく上げたい場合も、この仕事の設計とは噛み合いにくいでしょう。job tag が示す年収は令和7年賃金構造基本統計調査ベースで402.7万円、施行を1人で回せるようになるまでに2〜3年という記述もあります。積み上げ型のキャリアなので、時間をかけて技能を身につける前提で選ぶ仕事です。

葬祭業に限らず、資格や専門スキルを軸にした職種ごとの探し方を見比べてから決めたいなら、他の専門職の入口と並べて眺めておくと判断の材料が増えます。

参考記事:専門職・特定業界の求人の探し方!職種・業界別おすすめ求人サイト・エージェント

よくある質問

Q. 葬儀屋の給料はどのくらいですか?

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)は、葬祭ディレクターが属する職業分類の賃金(年収)を402.7万円としています。令和7年賃金構造基本統計調査を加工した数値で、賞与と残業代を含みます。同じサイトのハローワーク求人統計データでは、令和7年度の求人賃金(月額)が24.2万円です。当直手当が基本給と別建てか固定残業代に含まれるかで手取りの伸び方が変わるため、月給の表示だけで比べないでください。

Q. 資格がなくても応募できますか?

応募できます。job tag は「葬祭スタッフとして働くには、特に学歴や資格は必要とされない」と記しています。葬祭ディレクター技能審査は受験に葬祭実務経験を2年以上(1級は5年以上)求めるため、入社前に取得しておくことができません。入社して実務を積んでから受験する順序になります。

Q. アルバイトから正社員になれますか?

セレモニースタッフとして式場の設営や受付から入り、社内の登用制度で正社員になる経路を用意している会社があります。ただし登用制度の有無と条件は募集ごとに違うため、求人票に登用実績の記載があるかを確認してください。記載がなければ面接で確認する項目になります。

Q. 50代からでも応募できますか?

年齢そのものより、応募する職種と会社の体制によって判断が分かれます。job tag によるとこの職業の平均年齢は43.4歳で、幅のある年齢層が働いています。一方で立ち作業が多く、当直や搬送を伴う職種では体力面の前提があります。年齢に関する条件は募集ごとに異なるので、募集要項で確認してください。

Q. 夜勤や当直は必ずありますか?

会社の受電体制によって分かれます。社員が交代で泊まる当直を置く会社、自宅待機のオンコールで対応する会社、コールセンターに転送する会社があります。当直の専任者を置いている会社や、施行に同行しない部門(生花・祭壇の制作、事前相談の営業)を選べば、夜間の呼び出しから距離を取ることもできます。

まとめ

葬儀屋の求人を見るときは、「きつい」と言われる部分を2つに分けてください。依頼が時間を選ばないこと、日程が動かせないこと、遺族の感情に接し続けることは葬祭業に共通する性質で、会社を変えても残ります。一方、当直の回数と手当、年間休日、担当件数、営業目標は会社が選んでいる体制で、求人票の勤務時間欄・休日欄・給与欄から読み取れます。

職種によって夜間の呼び出しに当たる度合いが違うことも、応募先を絞る手がかりになります。搬送やドライバーは呼び出しを直接受ける位置にあり、生花・祭壇の制作や事前相談の営業は距離を取りやすい配置です。葬祭ディレクター技能審査は受験に実務経験を求める仕組みなので、入社前に準備するものではなく、入ってから取る資格として捉えて構いません。

次にやることは、応募する職種を1つに決めることです。決めたら葬祭ジョブか、マイナビ転職の葬儀屋カテゴリで求人票を開き、勤務時間欄に当直の回数が書かれているか、給与欄で当直手当が基本給と別建てになっているかを最初に見てください。この2つが書かれている募集は、働き方の条件を隠さずに提示している会社だと判断する目安になります。

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