天職みつかーる
更新日:2026/06/10

60代の仕事探しガイド|シニアでも無理なく働ける職種と転職のコツ

60代の仕事探しガイド|シニアでも無理なく働ける職種と転職のコツ

この記事の要約

60代を迎えてからの仕事探しは、体力的な不安や年金との兼ね合いなど、特有の悩みが生じやすいものです。しかし、シニア層を歓迎する求人は多く、働き方の選択肢も広がっています。

本記事では、60代でも無理なく働けるおすすめの職種や、在職老齢年金の仕組み、転職・再就職を後押しするポイントを解説します。

60代の仕事探しは厳しい?現状と悩み

パソコンの前で仕事探しについて考え込む60代男性

定年退職を機に新しい仕事を探し始めたものの、なかなか希望に合う求人が見つからないという声は少なくありません。60代の仕事探しでは、年齢を理由に書類選考を通過しにくくなるという壁に直面する傾向があります。また、体力的な衰えを感じており、若い頃のようにフルタイムで働くのはきついと感じる方も多いと考えられます。

一方で、年金だけでは生活費や将来の備えに不安が残り、少しでも収入を得たいという切実な悩みも存在します。過去のキャリアや役職に誇りがあるからこそ、未経験の仕事や条件の合わない求人に応募するのをためらってしまうケースもあります。

60代の仕事探しは、これまでの働き方とは異なるアプローチが求められます。まずは現状の厳しさを理解し、自身の希望条件に優先順位をつけるなど、柔軟な視点を持つことが大切です。

60代が働くメリットと就業の現実

仕事探しに難しさを感じる一方で、実際に働き続けている60代も存在します。厚生労働省の「令和7年 高年齢者雇用状況等報告」によると、65歳までの高年齢者雇用確保措置を実施済みの企業は99.9%に上ります。その内訳は「継続雇用制度の導入」が65.1%、「定年の引上げ」が31.0%となっており、多くの企業でシニア層が活躍できる環境が整えられています。さらに、70歳までの就業確保措置を実施済みの企業も34.8%あり、働く意欲のあるシニアを求める社会的なニーズは高まっています。

60代が働くメリットは、経済的なゆとりを得られることだけではありません。定期的に外出して体を動かすことで、健康寿命の延伸に繋がるという側面もあります。また、職場でのコミュニケーションを通じて社会との繋がりを保つことは、生活のハリや精神的な充実感をもたらします。

これまでの経験を活かせる場や、体力的な負担が少ない仕事も存在します。自分に合った働き方を見つけることで、豊かなシニアライフを送ることに繋がると考えられます。

60代でも無理なく働けるおすすめ職種

シニア層を歓迎しており、体力的な負担が比較的少ない職種や、これまでの経験を活かしやすい仕事を紹介します。

事務・管理部門

経理、総務、人事などの管理部門や一般事務の仕事は、デスクワークが中心となるため体力的な負担が少なく、60代でも働きやすい職種です。これまでオフィスワークの経験がある方であれば、パソコンスキルや実務経験をそのまま活かすことができます。

特に中小企業では、長年の経験に裏打ちされた正確な事務処理能力や、若手社員をサポートする落ち着いた対応力が評価される傾向があります。フルタイムだけでなく、週3日程度のパートタイムや時短勤務の求人も見つかりやすいため、無理のないペースで働きたい方に向いています。

軽作業・清掃・マンション管理

特別なスキルや経験がなくても始めやすいのが、軽作業や清掃、マンション管理の仕事です。倉庫内でのピッキングや検品、オフィスビルや商業施設の清掃などは、体を動かす仕事ではあるものの、重労働が少ない求人を選ぶことでシニアでも無理なく取り組めます。

マンションの管理員は、居住者とのコミュニケーションや巡回点検が主な業務であり、60代以上の採用が活発に行われています。真面目で責任感のある人柄が重視されるため、未経験からでも採用されやすいという特徴があります。適度に体を動かすため、健康維持を目的として働く方にも選ばれています。

サービス・接客業

スーパーのレジ打ちや品出し、ホームセンターの販売員、飲食店のホールスタッフなどのサービス業も、シニア層の採用に積極的です。日中の時間帯は主婦層やシニア層が中心となって活躍している職場が多く、同年代のスタッフと協力しながら働ける環境があります。

接客業では、お客様に対する丁寧な言葉遣いや、落ち着いた対応が求められます。60代ならではの人生経験や温かみのある接客は、店舗にとって大きな強みとなります。シフト制の職場が多いため、自分の都合に合わせて働く時間や日数を調整しやすいのもメリットです。

送迎・配送ドライバー

運転免許を持っている方であれば、送迎や配送の仕事も選択肢に入ります。幼稚園やデイサービスの送迎バス、役員車の運転手などは、決まったルートを走ることが多く、長距離トラックのような体力的な負担は少ない傾向があります。

また、軽自動車を使った個人宅への宅配や、企業間のルート配送なども、シニア層が活躍している分野です。安全運転のスキルと、時間を正確に守る責任感が評価されます。ただし、視力や反射神経の衰えには注意が必要なため、自身の健康状態と相談しながら選ぶことが大切です。

働き損を防ぐ!年金と収入の壁

テーブルの上で電卓や書類を見ながら話し合うシニア夫婦

60代の仕事探しにおいて、働き方を選ぶ重要な基準となるのが「在職老齢年金」の仕組みです。これは、60歳以上で厚生年金保険に加入しながら働き、老齢厚生年金を受給する場合、賃金と年金の合計額が一定の基準を超えると、年金の一部または全部が支給停止される制度です。

日本年金機構の規定によると、令和8年(2026年)4月の制度改正により、支給停止の基準額が月額51万円から「65万円」に引き上げられました。基本月額(老齢厚生年金の月額)と総報酬月額相当額(月給と直近1年間の賞与の12分の1の合計)を足した金額が65万円を超える場合、超過分の半額が支給停止となります。合計が65万円以下の場合は、年金は全額支給されます。

なお、支給停止の対象となるのは「老齢厚生年金」のみであり、「老齢基礎年金」は減額されず全額支給されます。この仕組みを理解した上で、フルタイムで稼いで基準額を超える働き方をするか、パートやアルバイトで労働時間を調整し、厚生年金に加入しない(または基準額内に収める)働き方をするかを選択する必要があります。自身の年金受給額を把握し、働き損にならないよう計画を立てることが重要です。

60代の転職・再就職のポイント

年齢の壁を乗り越えて採用に近づくためには、企業がシニア層に何を求めているかを理解し、適切なアピールをすることが求められます。

過去の役職やプライドを捨てる

60代の転職において気をつけるべき点は、過去の役職や高年収へのこだわりを捨てることです。未経験の業界や新しい職場に入る場合、指導してくれる上司や先輩が年下になることは珍しくありません。

企業は「過去の栄光を引きずらず、新しい環境に順応できるか」「年下の指示にも素直に従えるか」を面接で確認しています。これまでの実績に自信を持つことは大切ですが、それをひけらかすのではなく、謙虚な姿勢で新しい業務を学ぶ意欲を示すことが採用への近道となります。

体力面や健康状態をポジティブに伝える

企業がシニア層を採用する際、懸念しやすいのは健康状態と体力です。面接では、現在の健康状態や体力について正直に伝える必要があります。ただし、単に「体力には自信がありません」とネガティブに伝えるのではなく、ポジティブな表現に変換する工夫が求められます。

例えば、「重いものを運ぶ作業は難しいですが、立ち仕事や歩き回る業務であれば問題なく対応できます」「日頃からウォーキングをしており、健康管理には気をつけています」といったように、できることとできないことを伝えつつ、働く意欲をアピールします。

経験を若手のサポートや現場の安定に活かす

企業はシニア層に対し、即戦力としての活躍だけでなく、長年の経験を活かした「若手のサポート」や「現場の安定化」を期待する傾向があります。これまでのキャリアで培ってきたトラブル対応能力、顧客との折衝スキル、後輩の育成経験などは、多くの職場で重宝されます。

履歴書や職務経歴書を作成する際は、専門的なスキルだけでなく、周囲と協調して業務を進めた経験や、チームの潤滑油として機能したエピソードを盛り込むと効果的です。「自分が前に出るだけでなく、周囲をサポートする役割も担える」という点を言語化することで、企業に安心感を与えられます。

60代向けおすすめ求人サイトと探し方

効率よく仕事を見つけるためには、自身の希望に合った探し方を選ぶことが大切です。60代向けの主な仕事探しのチャネルとその特徴を解説します。

シニア特化型求人サイト・エージェント

インターネットを活用できる方には、シニア層をターゲットにした求人サイトや転職エージェントの利用が向いています。これらのサービスは、最初から「60代歓迎」「年齢不問」の求人を集めているため、年齢を理由に不採用になるリスクを減らせます。

例えば「マイナビミドルシニア」などのサイトでは、中高年向けの求人を扱っており、事務職から軽作業まで幅広い職種を検索できます。エージェントサービスを利用すれば、担当者が希望条件をヒアリングし、適性に合った求人を紹介してくれるため、自分一人で探すのが不安な方にも適しています。登録や利用は無料のサービスが多いため、まずは情報収集として登録してみるのも一つの方法です。

ハローワーク(公共職業安定所)

地元での就職を希望する方や、対面で相談しながら仕事を探したい方には、ハローワークの利用が適しています。全国の求人を網羅しており、特に地域密着型の中小企業の求人が多く集まっています。

ハローワークにはシニア層の就労支援に特化した窓口が設置されていることもあり、履歴書の書き方や面接の受け方についてアドバイスを受けることができます。また、職業訓練に関する情報も提供されているため、新しいスキルを身につけてから再就職を目指したい方にも役立ちます。

シルバー人材センター

フルタイムではなく、自分のペースで少しだけ働きたいという方には、各市区町村に設置されているシルバー人材センターが選択肢となります。原則として60歳以上の方が会員登録でき、地域社会に貢献する軽易な仕事(公園の清掃、駐輪場の管理、家事援助など)を請け負う仕組みです。

雇用契約を結ぶのではなく、請負や委任という形で仕事を行うため、収入は働いた分だけの配分金として支払われます。大きな収入を得ることは難しいものの、空いた時間を活用して社会参加を果たしたい方や、体力に合わせた無理のない働き方を希望する方に向いています。

まとめ

60代の仕事探しは、年齢の壁や体力的な不安など特有の難しさがあるものの、シニア層の経験や人柄を求める企業は数多く存在します。過去のプライドに固執せず、新しい環境に柔軟に適応する姿勢を持つことが、採用に近づくための第一歩となります。

また、在職老齢年金の仕組みを正しく理解し、自身のライフスタイルに合った無理のない働き方を選ぶことも大切です。まずはシニア向けの求人サイトに登録してどのような仕事があるか確認したり、ハローワークの窓口で相談したりするなど、できることから行動を起こしてみてください。情報収集と前向きな姿勢があれば、60代からの充実したセカンドキャリアを築くことができるはずです。

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