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更新日:2026/07/31

経理の在宅求人の探し方|在宅にできる工程と求人票の確認点

経理の在宅求人の探し方|在宅にできる工程と求人票の確認点

この記事の要約

経理が在宅でできるかどうかは、職種そのものより勤務先の業務のつくりで決まります。この記事では、日次の仕訳や支払処理から月次の締め、年次決算までを工程ごとに分け、どこまでが在宅で完結しやすく、どの工程で出社が残りやすいのかを整理します。あわせて在宅の経理求人を探せるサービス、求められる実務経験とクラウド会計ソフトの扱い、求人票の「リモート可」を面接でどう確かめるかまでをまとめました。

経理の在宅求人が成り立つ条件

経理が在宅でできるかどうかは、経理という職種の性質よりも、勤務先の業務のつくりで決まります。請求書や領収書が電子で届き、経費精算や支払いの承認がシステム上で完結している会社なら、経理の仕事は自宅からでも回せる部分が大きくなります。逆に、紙の請求書を郵便で受け取り、押印して回す運用が残っている会社では、同じ経理でも出社しなければ進まない工程が生まれます。

つまり「経理は在宅できるのか」という問いは、「自分が担当する業務が、データだけで完結するように組まれているか」という問いに置き換えられます。求人を探すときも、職種名や「リモート可」の表示だけでなく、その会社の経理業務がどう組まれているかを見ることになります。

この観点で目を向けたいのが、顧客の会計処理を請け負う業態です。会計事務所、記帳代行、経理業務のBPOは、顧客ごとの担当制で仕事が切り分けられ、業務がシステム上で完結するように組まれている場合があり、在宅の運用と噛み合うことがあります。ただし、どの事務所もそうだとは限りません。紙の帳簿を預かる業務が中心の事務所もあります。また確定申告期や決算期に負荷が集中する業態なので、繁忙期の働き方(残業の見込み、出社の有無)は確認しておきたい点です。

職種としての規模と待遇も押さえておきましょう。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)の「経理事務」という区分では、就業者数1,523,600人(令和2年国勢調査)、年収512.2万円・平均年齢44歳(令和7年賃金構造基本統計調査)と示されています。注目したいのは有効求人倍率が0.59(令和6年度)という点です。ハローワークの集計では求職者のほうが多い職種であり、そこに「在宅」という条件を重ねれば、候補はさらに絞られます。だからこそ、自分の業務のどこまでが在宅で成り立つのかを先に見極めておくことが、遠回りを防ぎます。

事務職の正社員求人全体の探し方やサイトの選び方から確認したい場合は、以下の記事も参考にしてください。

参考記事:事務職の正社員求人の探し方!20代未経験におすすめの転職サイト4選

在宅でできる業務と出社が残る業務

自宅のデスクで書類と電卓を使いながら経理の仕事をする女性

経理の仕事は、日次の処理は在宅で完結しやすく、月次の締めと年次決算のうち現物や押印が絡む工程で出社が残りやすい、という分かれ方をします。自分の担当業務を工程ごとに分けて当てはめれば、どこまで在宅にできるのかが見えてきます。

日次の処理(仕訳・支払・請求)

会計ソフトへの仕訳入力、振込データの作成、請求書の発行と送付、経費精算の内容確認といった日次の処理は、扱うものがデータであれば自宅からでも進められます。クラウド型の会計ソフトを使っている会社なら、社内のパソコンでなければ開けないという制約もありません。

この領域は、担当者が一人で完結させやすいことも在宅と相性がよい理由です。誰かの席まで行って確認する必要がなく、疑問点はチャットで残しておけば相手の都合で返ってきます。

月次の締めと照合

残高の照合、未払・未収の確認、部門ごとの費用の確認といった月次の作業も、データが揃っていれば在宅で進められます。問題になるのは、資料が揃うまでの過程です。紙で届く請求書や、経費精算に添付される紙の領収書が残っていると、誰かがそれを受け取って電子化する工程が必要になります。

その役目が自分に割り当てられている場合、月初や締めの数日だけ出社するという運用になりがちです。求人を見るときは、証憑を誰がどうやって受け取っているのかが確認の対象になります。

年次決算と監査対応

決算期は資料の量が増え、関係者と同時に進める作業も増えます。原本の確認や、会計士・税理士とのやり取りが重なる時期でもあるため、平常月は在宅中心でも決算期のみ出社という運用をとる会社もあります。

これは会社ごとに異なるので、「決算期は必ず出社になる」と決めつける必要はありません。反対に、在宅可と書かれていれば決算期も在宅だと思い込むのも危険です。面接で頻度を確認しておけば、入社後のずれを防げます。

在宅にしにくい業務

一方で、次の業務が自分の担当に含まれていると、在宅にしにくくなります。

  • 現金の出納や小切手・手形の取り扱い
  • 押印が必要な書類の作成と保管(実印・銀行印の管理を含む)
  • 郵送物の受け取りと発送、原本のファイリング
  • 来客や社内からの持ち込み対応

自分の業務のうちこれらが占める割合が大きいなら、在宅の求人を探すより先に、担当範囲がデータ中心の会社を探すという方向に切り替えたほうが早いこともあります。

証憑の電子化とセキュリティ体制

在宅の経理が成り立つのは、証憑(しょうひょう)が電子で保存・受け渡しされていて、かつ会計データを社外から安全に扱える体制がある会社です。この2つが揃っていないと、制度上は在宅可でも実務が止まります。

1つ目は証憑の扱いです。電子帳簿保存法では、取引に関する書類を電子でやり取りした場合、その電子データを保存することが求められています。請求書や領収書を電子で受け取り、そのまま電子で保存する運用が広がる素地はここにあります。ただしこれは保存の方法を定めた制度であり、在宅勤務を認める制度ではありません。実際にどこまで電子で回っているかは会社ごとに違うため、制度の存在をもって「だから在宅できる」とは言えない点に注意してください。

2つ目はセキュリティです。会計データには取引先の情報や従業員の給与に関わる情報が含まれるため、社外から扱う際の情報管理の要求は高くなります。総務省は「テレワークセキュリティガイドライン」を第5版(令和3年5月)まで改定して指針を示し、あわせて専任担当がいない中小企業などに向けた「中小企業等担当者向けテレワークセキュリティの手引き(チェックリスト)」も公表しています。会社側に体制の整備が求められる領域だということです。

応募者の立場で確認したいのは、会社ごとに運用が違うこの部分です。会社から端末を貸与されるのか私物のパソコンを使うのか、社外からどうやって会計システムに接続するのか、承認がシステム上で完結するのか。ここが整っている会社ほど、在宅で任される範囲は広くなります。

在宅の求人で求められる実務経験とツール

在宅の求人で見られるのは、指示を待たずに月次のどこまでを自分で回せるかと、クラウド会計ソフトを使った経験です。顔を合わせて教える機会が少ないぶん、任せられる範囲がはっきりしている人から採用されます。

経験の示し方は、担当した工程を書き出すのが基本です。仕訳入力だけだったのか、月次の締めまで担当したのか、年次決算の一部を任されたのか。あわせて、担当した会社の規模(従業員数や拠点数)、月あたりに処理した伝票や請求書の件数の目安、決算のスケジュールのどこを受け持ったかを書けると、任せられる範囲が伝わります。

もしあなたが会計ソフトへの入力しか任されていないなら、月次の締めのどこまでを自分で回したかを職務経歴書に書けるようにしておくと、在宅の求人でも判断されやすくなります。まだ担当していないなら、現職で締めの工程に関わる機会をつくるほうが、在宅への近道になることもあります。

ツールについては、次の3つが実務の説明に使えます。

領域書けるとよいこと
クラウド会計ソフト使用していたソフト名と、入力までか締めまでかの担当範囲
経費精算・ワークフロー申請から承認までがシステム上で完結していたか、自分の役割
表計算残高照合や集計で使っていた関数・作業の手順

特定の製品が有利という話ではありません。クラウド型のソフトで業務を回した経験は、社外から会計システムに接続する働き方に慣れていることの説明になる、という意味で見られます。

未経験の場合は条件が絞られます。在宅は業務の教え合いがしにくいため、未経験可と在宅可が重なる求人は数が限られます。現実的な順序は、出社の求人で実務経験を作ってから在宅に移ることです。未経験から経理を目指すルート自体については、以下の記事で確認できます。

参考記事:未経験から経理へ転職するには?20代・第二新卒の経理転職ガイド

在宅の経理求人を探すサービス

経理の在宅求人は、管理部門や会計事務所に強いサービスで探すと条件を絞りやすくなります。経理の求人自体は総合型の転職サイトにもありますが、働き方の条件で絞り込む導線が最初から用意されているかどうかで、探す手間が変わります。

管理部門・会計に特化したサービス

職種と働き方の2つの条件を掛け合わせた状態から探し始められるのが、特化型のサービスを使う利点です。次の2つは、いずれも在宅・リモートの求人特集が公式に用意されています。

MS-Japan

公式サイトで「管理部門・士業領域に特化した有料職業紹介事業者」と説明されているサービスです。経理をはじめ人事・総務・法務・経営企画・内部監査、さらに弁護士・公認会計士・税理士などを対象としており、会員登録とキャリア相談は無料です。求人特集として「リモートワーク可の経理求人特集」が用意されているため、経理という職種を保ったまま在宅の条件で絞り込めます。

ヒュープロ

公式サイトで「士業・管理部門に特化した転職エージェント」と説明されているサービスです。税理士・税務スタッフ・公認会計士・社会保険労務士などの士業と、経理・財務・人事・労務・法務といった管理部門を対象にしており、利用はすべて無料と明記されています。こちらも「リモートワークができる求人特集」が用意されています。会計事務所や税理士法人の求人を見たい場合の入口になります。

総合型の転職エージェント

経理の求人数そのものは総合型のエージェントにもあります。特化型と違って在宅の求人特集が用意されているわけではないため、条件は自分から伝えて絞ってもらう形になります。

面談では、在宅・リモートを希望条件として最初に伝え、そこを満たす求人だけを紹介してもらいます。あわせて「決算期の出社があるかどうか」も条件として渡しておくと、紹介の段階で条件の合わない求人が減ります。特化型で候補が少ないときに、母数を広げる用途で併用するのが現実的です。

なお、在宅・フルリモートの求人全般の探し方(出社が前提になっている求人の見分け方など)は、以下の記事で扱っています。

参考記事:フルリモート求人の探し方|未経験から完全在宅の正社員になるポイント

求人票と面接で確認すること

明るい部屋で向かい合って面接の会話をする二人のビジネスパーソン

求人票の「リモート可」だけでは、自分の業務のどこまでが在宅になるのかは分かりません。同じ表記でも、週1日の在宅と、出社が年に数回の在宅では働き方が別物です。次の6点は、求人票で読み取れなければ面接で確認してください。

確認する項目確認のしかた
決算期・月初の出社出社が発生する時期と、月あたりの日数を聞く
紙の請求書・領収書の扱い電子で受け取っているか、紙の場合は誰が受け取るか
押印が必要な書類電子印・電子契約に移っているか、誰が対応するか
承認フロー申請から承認までがシステム上で完結するか
会計システムへの接続貸与端末か私物か、社外からどう接続するか
在宅の位置づけ制度として定まっているか、上司の裁量か

とくに最後の項目は聞きにくいところですが、入社後に効いてきます。在宅が制度として定まっているのか、それとも運用で認められているだけなのかで、上司や体制が変わったときの扱いが変わります。「在宅勤務は規程に定められていますか」と聞けば、確認としては十分です。

もう1点、在宅可が入社後もそのまま続くとは限らない点も踏まえておきましょう。会社の方針が変わる可能性はどの会社にもあります。だからこそ、制度としてどう定まっているかを入社前に確かめる意味があります。

向いている人・向かない人

在宅の経理が向くかどうかは、月次の工程を自分で回せる状態にあるかで決まります。経験年数の長さよりも、任せられる範囲がはっきりしているかどうかが見られます。

向いているのは、次のような人です。

  • 月次決算を一通り担当した経験があり、締めまでの段取りを自分で組める人
  • クラウド会計ソフトで日次から締めまで回した経験がある人
  • 疑問点を文章で整理して投げられる人(口頭で確認しながら進める場面が少ないため)

向かないのは、入力業務が中心で締めの工程を任されていない人です。この場合は、現職で担当範囲を広げるか、出社の求人で経験を作ってから在宅に移るほうが確実です。また、現金や押印の運用が中心の会社に在籍している場合、その会社で在宅を目指すより、業務がデータで完結するように組まれた会社を探すほうが現実的です。

在宅の広がりについても、数字で押さえておきましょう。総務省の令和6年通信利用動向調査では、テレワークを導入している企業の割合は47.3%とされています。産業別に見ると情報通信業94.3%、金融・保険業84.5%と高く、業種によって差が大きいことが分かります。経理という同じ職種でも、勤務先の業種によって在宅の可否が変わりやすいということです。

なお、これは制度としてテレワークを導入している企業の割合であって、経理職で在宅可の求人がどれだけあるかを示す数値ではありません。求人の状況は、実際の求人票で確認してください。

よくある質問

Q. 経理はフルリモートで働けますか?

勤務先の業務のつくりによります。請求書や領収書が電子で届き、承認がシステム上で完結している会社であれば、経理の業務を在宅で回せる可能性があります。反対に、紙の証憑や押印、現金の扱いが残っている会社では、同じ経理でも出社が必要な工程が生まれます。

Q. 未経験でも在宅の経理求人に応募できますか?

条件は絞られます。在宅では業務を教え合う機会が少ないため、未経験可と在宅可が重なる求人は数が限られるからです。出社の求人で実務経験を作ってから在宅に移る順序のほうが、結果的に早く着けることが多いでしょう。

Q. 在宅の経理に簿記の資格は必要ですか?

資格そのものより、担当した工程が見られます。job tagの「経理事務」の職業詳細では関連資格として日商簿記1級・2級・3級などが挙げられていますが、入職前の実務経験は「特に必要ない」が54.5%です。在宅の求人では、月次の締めをどこまで回せるかのほうが判断材料になります。

Q. 決算期も在宅でできますか?

会社によります。平常月は在宅中心でも、決算期のみ出社という運用をとる会社もあります。面接で「決算期に出社は発生しますか。発生するなら何日程度ですか」と聞いておけば、入社後のずれを防げます。

Q. 在宅だと経理の経験は積めますか?

担当できる工程が会社の体制で決まるため、求人票と面接で担当範囲を確認する必要があります。日次の入力だけを切り出して在宅に任せている会社と、月次の締めまで任せる会社では、数年後に手元に残る経験が変わります。応募の段階で「入社後に担当する範囲」を聞いてください。

まとめ

経理の在宅求人を探すうえでの要点は4つです。在宅の可否は職種ではなく勤務先の業務のつくりで決まること。日次の処理は在宅で完結しやすく、現物と押印が絡む工程が出社に残りやすいこと。求人を探す経路は、管理部門・会計に特化したサービスと、条件を指定した総合エージェントの併用が効率的なこと。そして求人票の「リモート可」は、決算期の出社と証憑の扱いを面接で確かめて初めて意味が分かることです。

最初の一歩として、いま自分が担当している業務を工程ごとに書き出し、「データだけで完結する仕事」と「現物が絡む仕事」に振り分けてみてください。前者の割合が大きければ、そのまま在宅の求人を探す土台になります。後者が多ければ、担当範囲がデータ中心に組まれた会社を条件に加えるところから始められます。

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