天職みつかーる
更新日:2026/08/12

離職票のもらい方|退職前にやることとハローワークへの提出方法

離職票のもらい方|退職前にやることとハローワークへの提出方法

この記事の要約

離職票は、退職後に雇用保険の失業手当を受け取るためにハローワークへ提出する書類です。それが会社からハローワークを経て手元に届くまでの仕組みを、厚生労働省の資料に沿って整理します。離職証明書との関係、会社の届出期限、退職日までに自分がやっておくこと(交付の希望を伝える、離職理由の欄を確認する)、2025年1月に始まったマイナポータルでの受け取り、そしてハローワークに提出するときの書類と記入欄まで扱います。

離職票がいつ届くか分からない

部屋の壁掛けカレンダーを見つめて待つ人

退職が決まって、失業保険の手続きを自分で進めることになった。会社からは「離職票は後日送ります」と言われただけで、それがいつなのかは聞けていない。そんな状態で待っている方もいるでしょう。

離職票は、厚生労働省の説明では「離職後に雇用保険の求職者給付(基本手当等)を受給するために必要となる書類」です。受け取ったら住所を管轄するハローワークへ持っていき、そこで求職の申込みをして初めて手続きが動き出します。裏を返せば、これが届かないうちは申請そのものを始められません。待っている時間が、そのまま受給開始の遅れになります。

困るのは、待っていてよいのか催促すべきなのかが判断できないことです。手続きが遅れれば受給の開始も後ろにずれるので、放っておきたくはありません。かといって、通常どのくらいかかるものなのかが分からないので、催促すべきタイミングも決められません。

もうひとつ分かりにくいのが、書類の名前です。離職証明書、資格喪失届、離職票-1、離職票-2。調べるほど似た名前が出てきて、どれが自分に関係する書類で、誰が誰に出すものなのかが整理できません。届いたあとに何をすればよいのかも、書類の役割が分からないままでは決められません。

書類の手続きに入る前に、そもそも失業手当をいつからいくら受け取れるのかを知っておきたい場合もあるでしょう。受給条件から初回振込までの流れは別の記事にまとめてあるので、制度の全体像と書類の実務は分けて押さえると混乱しにくくなります。

参考記事:失業保険(失業手当)の手続きガイド!必要書類と申請の流れを解説

離職票が発行される仕組み

離職票は、会社が直接作って渡す書類ではありません。会社がハローワークに届け出て、ハローワークが交付したものが本人に届く、という経路をたどります。

厚生労働省の「雇用保険被保険者離職証明書についての注意」によると、事業主は雇用する被保険者が離職により被保険者でなくなったとき、雇用保険被保険者資格喪失届に雇用保険被保険者離職証明書を添えて提出することとされています。その提出期限は、労働者が離職した翌々日から10日以内です。この起点は「離職日の翌日」ではなく「翌々日」なので、日数を数えるときは注意してください。

そしてここが、名前の似た書類を整理する鍵になります。同資料は、離職証明書を「離職証明書(事業主控)(第1葉目)、離職証明書(安定所提出用)(第2葉目)及び離職票-2(第3葉目)の3枚を複写によって同時に記載して下さい」としています。つまり離職証明書と離職票-2 は、別々に作られる書類ではありません。同じ複写用紙の第2葉と第3葉で、会社がハローワークに出す面が離職証明書、本人が受け取る面が離職票-2 という関係です。

書類誰が作るかどこへ行くか
雇用保険被保険者資格喪失届会社ハローワーク
離職証明書(事業主控・第1葉)会社会社に残る
離職証明書(安定所提出用・第2葉)会社ハローワーク
離職票-2(第3葉)会社が記載しハローワークが交付本人
離職票-1ハローワークが交付本人

(厚生労働省「雇用保険被保険者離職証明書についての注意」の記載に基づく)

会社が書いた内容がそのまま自分の離職票-2 に載っているのは、この複写の構造によるものです。だからこそ、会社が書く段階で内容を確認しておく意味があります。

そして、この経路をたどる以上、退職の翌日にすぐ届くことはありません。会社の届出に最大で10日、そこからハローワークの処理が入ります。手元に届く日を正確に予想することはできませんが、「会社の届出期限+ハローワークの処理」という構造を知っていれば、どこで止まっているのかを推測でき、催促すべき相手も判断できます。

退職前にやっておくこと

離職票は退職後に受け取る書類ですが、自分がやるべきことは退職日までに発生します。すでに退職している方も、何が行われたはずなのかを知る意味で読んでおいてください。

ひとつめは、離職票が必要だと会社に伝えることです。先ほどの厚生労働省の資料には、資格喪失届の該当欄に交付を希望しない旨を記載する場合、事業主は離職証明書を提出する必要はない、とされています。つまり、こちらが何も言わなければ離職票が作られない可能性があるということです。すぐに転職先が決まっていて失業保険を受けない予定でも、状況が変わることはあります。迷うなら希望しておくほうが手間は少なくて済みます。

ただし、伝えそびれても道は残ります。同資料は、離職証明書を提出しなかった場合でも「その後その離職者から離職証明書の交付の請求があったときは、離職証明書を作成した上、その者に交付しなければなりません」としています。あとから必要になったら、会社に請求できます。

ふたつめは、離職理由の欄を確認して署名することです。同資料によると、事業主は、離職者が帰郷その他やむを得ない場合を除き、離職する日までに必ず離職者に事業主の記載した離職理由を確認させ、離職証明書の⑯欄(離職者本人の判断)に該当する事項を○で囲ませたうえで、記名押印または自筆による署名をさせることとされています。この⑯欄の記載例は「事業主が○を付けた離職理由に異議 有り・無し」です。ハローワークインターネットサービスの案内にも「離職前に本人が氏名の記載をすることになっていますので、離職理由等の記載内容についても確認してください」とあります。

この確認が効いてくるのは、離職理由が受給に直結するからです。同資料は、特定受給資格者(倒産・解雇等により再就職の準備をするための時間的余裕がなく離職を余儀なくされた者)または特定理由離職者(期間の定めのある労働契約が更新されなかったことその他やむを得ない理由により離職した者)に該当しない離職理由の場合、受給資格を得るには離職前2年間に被保険者期間が通算して12か月必要だとしています。一方、これらに該当する離職理由なら、離職前1年間に通算6か月でも受給資格を満たします。さらに、正当な理由のない自己都合離職等の場合には給付制限が課されます。

もし会社の記載に納得できない場合でも、その場で決着させる必要はありません。同資料によると、離職理由の判定は、事業主が主張する離職理由を離職証明書の⑦欄で把握したあと、離職者が主張する離職理由を離職票-2 の⑦欄で把握し、それぞれの主張を確認できる資料による事実確認を行ったうえで、最終的にハローワークが行うものとされています。「事業主又は離職者の主張のみで判定するものではありません」とも明記されています。自分の言い分は離職票-2 の側でも述べられる仕組みになっている、ということです。

もしあなたが退職日までに離職理由の欄を確認しておけば、受け取ったあとで記載が違うと気づいて慌てる事態を避けられます。確認できる状態にあるうちに、一度目を通しておいてください。

マイナポータルで受け取る

2025年1月20日から、条件を満たせば、会社からの郵送を待たずにマイナポータルで離職票を受け取れるようになりました。厚生労働省のリーフレットによると、離職票のほか、資格喪失確認通知書および雇用保険被保険者期間等証明票もマイナポータルを通じて送られます。

利用するための条件は3つです。

  • あらかじめマイナンバーをハローワークに登録していること
  • マイナンバーカードを取得し、マイナポータルの利用手続きを行うこと
  • 事業所が電子申請により雇用保険の離職手続きを行うこと

自分の側の準備は2段階に分かれ、それぞれ期限があります。マイナンバーがハローワークに登録されているかの確認は離職の2週間程度前までに、マイナポータルから「雇用保険WEBサービス」との連携設定は離職前までに行うよう案内されています。登録の確認は、マイナポータルのアプリで「その他のわたしの情報」から「雇用保険・労災」の「雇用保険」を開き、現在勤めている事業所名と被保険者番号が表示されるかで判断します。表示されない場合や前職の事業所名が出る場合は、マイナンバーが正しく登録されていないため、勤め先を通じてハローワークへの届出が必要になります。

受け取りは、会社の電子申請とハローワークの審査が終わったあと、マイナポータルの「お知らせ」に「雇用保険被保険者離職票が交付されました」という通知が届き、詳細情報の欄にPDFファイルが添付される形です。

ただし、この方式は自分の準備だけでは完結しません。リーフレットは、事業所が電子申請ではなく紙様式でハローワークに届け出た場合、離職票等はマイナポータル経由ではなく従来どおり事業所から送付されると明記しています。事業所によっては電子申請に対応していない場合もあります。また、離職票の交付までの間に雇用保険WEBサービスとの連携を解除したり、お知らせの容量が上限を超えていたりすると、マイナポータルには送付されません。

それでも準備しておく価値はあります。もしあなたが退職後に引っ越しを予定しているなら、郵送を待たずに受け取れる方式は、住所変更の行き違いで書類が届かない事態を避ける手段になります。勤め先が電子申請を使っているかどうかは、退職前に人事や総務に聞いておけば確かめられます。

ハローワークへの提出方法

窓口でスタッフに書類の入った封筒を手渡す人

離職票は郵送で送る書類ではありません。ハローワークインターネットサービスの案内によると、住居を管轄するハローワークに行き、「求職の申込み」を行ったのちに、雇用保険被保険者離職票(-1、-2)を提出します。求職者給付を受給するには、住所を管轄するハローワークへ自分で求職申し込みなどの手続きをすることとされています。

持っていくものは、厚生労働省・ハローワークの「基本手当について」に一覧があります。ここで押さえておきたいのは、離職票-1 と離職票-2 で役割が違うという点です。

離職票-1 は、氏名や口座番号などを自分で記入する用紙です。ただし個人番号欄だけは例外で、ハローワークに来所してから窓口で本人が記載することとされています。自宅で全部埋めておこうとして個人番号まで書いてしまわないよう注意してください。

離職票-2 は、離職理由が記載されている用紙で、写真の貼付欄があります。持参する写真は2枚(6か月以内に撮影したもので、正面上三分身、タテ3.0cm×ヨコ2.4cm)で、そのうち1枚を離職票-2 の写真貼付欄に貼ります。ただし、この手続きとその後の支給申請ごとにマイナンバーカードを提示する場合は、顔写真を省略することが可能とされています。

このほかに必要なのが、マイナンバーカード(持っていない場合は個人番号確認書類と身元確認書類)と、本人名義の預金通帳です。

提出したあとの流れは、求職申込と受給資格の決定、7日間の待期、自己都合で離職した場合は待期満了の翌日からさらに原則1か月の給付制限、原則4週間に1回の失業の認定、そして指定口座への振込という順序です。給付日数や受給条件の詳細は状況によって変わるため、窓口で確認してください。

なお注意点として、同パンフレットは求職者給付を原則として受けられない人の類型を挙げており、そのなかに「次の就職が決まっている方」が含まれています。ただし「その状態によって支給可能になる場合もありますので、ハローワークにご相談ください」との注記もあります。

失業の認定では求職活動の実績が確認されるため、活動の経路は複数持っておくと動きやすくなります。ハローワークの求人に加えて、転職エージェントに登録して求人紹介や面接日程の調整を任せる方法もあります。登録と相談は無料で受けられます。

届かないときの最初の一手

まず会社に発行を依頼したかどうかを確認し、それでも届かないならハローワークに相談できます。順番に見ていきます。

会社の届出期限は、離職した翌々日から10日以内です。そこにハローワークの処理期間が加わるため、退職直後に届かないのは通常の流れの範囲です。まずはこの期間が過ぎるのを待ってください。

期間を過ぎても届かない場合は、会社に2点を確認します。離職票の交付を希望する旨が伝わっていて資格喪失届にそう記載されたのか、そしてハローワークへの届出がいつ行われた(行われる)のかです。交付を希望しないと記載された場合、会社は離職証明書を提出しなくてよいことになっているため、そもそも作られていない可能性があります。

会社が手続きを進めない場合の相談先も用意されています。ハローワークインターネットサービスは「会社から離職票が交付されない場合や、事業主が行方不明の場合等については、住居地を管轄するハローワークにお問い合わせください」と案内しています。厚生労働省のパンフレットにも、離職票の交付を希望する旨を会社に伝えているにもかかわらず会社が手続きをせず離職票が届かない場合は、住所を管轄するハローワークに相談するようにと記載があります。

離職票が届かないまま失業保険の手続きを始める方法(仮手続き)については、条件や必要な持ち物を含めて以下の記事で扱っています。

参考記事:離職票が届かない!失業保険の「仮手続き」のやり方と必要な持ち物

よくある質問

Q. 離職票は言わないともらえないのですか?

希望を伝えるのが確実です。厚生労働省の資料では、離職票の交付を希望しない場合、資格喪失届の該当欄にその旨を記載すれば、事業主は離職証明書を提出する必要がないとされています。会社が本人の意思を確認せずに「交付なし」で届け出れば、離職票は作られません。退職手続きの際に、離職票が必要である旨を伝えておいてください。

Q. 退職してから何日で届きますか?

正確な日数は決まっていません。会社がハローワークに資格喪失届を出す期限は離職した翌々日から10日以内で、その後ハローワークの処理を経て交付されます。したがって、少なくとも会社の届出期限が過ぎるまでは待つことになります。それを過ぎても届かない場合に、会社へ確認するのが順序です。

Q. ハローワークで即日発行してもらえますか?

初めて交付を受ける段階では、会社がハローワークに届け出ていなければ発行できません。離職票は会社の届出を起点に交付される仕組みだからです。これとは別に、いったん交付された離職票を紛失した場合の再発行は、ハローワークの窓口で手続きできます。初回の交付と再発行は別の話なので、混同しないようにしてください。

Q. 離職票は転職先に提出するのですか?

提出先は転職先ではなく、住所を管轄するハローワークです。求職の申込みを行ったうえで窓口に提出します。なお厚生労働省のパンフレットは、原則として求職者給付の支給を受けられない方の類型に「次の就職が決まっている方」を挙げています。ただし状態によって支給可能になる場合もあるとして、ハローワークへの相談を案内しています。

Q. あとから離職票が必要になった場合はどうすればよいですか?

会社に請求できます。厚生労働省の資料は、離職証明書を提出しなかった場合でも、その後その離職者から離職証明書の交付の請求があったときは、事業主は離職証明書を作成したうえで交付しなければならないとしています。退職時に「不要」と伝えていても、あとから必要になったら会社に連絡してください。

まとめ

離職票は、会社がハローワークに資格喪失届と離職証明書を出し、ハローワークが交付したものが本人に届く書類です。離職証明書と離職票-2 は同じ複写用紙の別の葉なので、会社が書いた離職理由がそのまま自分の手元の書類に載ります。

退職日までにやっておくことは2つです。離職票が必要である旨を伝えること、そして離職理由の欄を確認して署名することです。離職理由は受給資格の要件や給付制限に影響するため、内容を見ないまま署名しないでください。納得できない場合も、判定は最終的にハローワークが行います。

受け取り方は、会社からの郵送のほかに、条件を満たせばマイナポータル経由という選択肢があります。ただし勤め先が電子申請を使っていることが前提なので、退職前に確認しておく必要があります。

まだ退職していないなら、次にやることは1つです。人事や総務に、離職票が必要である旨を伝え、あわせて離職理由をどう記載する予定かを聞いてください。すでに退職しているなら、会社がいつハローワークに届け出たのかを確認するところから始めます。

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