女性で年収500万はすごい?割合と稼げる職種・未経験からの道のり
この記事の要約
女性で年収500万円を超えているのは、1年を通じて勤務した女性の給与所得者のうち17.7%です。女性の平均給与は333万円なので平均だけを見れば遠い数字ですが、分布で見ると6人に1人が届いている水準で、印象がはっきり変わります。この記事では、分布のどこに500万円があるのか、賃金統計で女性の平均が500万円台に届いている職種はどれか、その職種で500万円を超えるのが何歳のあたりか、そして未経験や時短勤務からその水準に向かう順路を、公的統計の数値で追いかけます。
500万は平均では測れない
国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」でみると、年収500万円を超えている女性は、1年を通じて勤務した女性の給与所得者のうち17.7%です。およそ6人に1人がこの水準にいます。一方、同じ調査が示す女性の平均給与は333万円で、500万円とのあいだには167万円の開きがあります。
この2つは、どちらも同じ調査から出てくる数字です。平均だけを見れば500万円は遠くにある数字に見え、分布を見れば6人に1人が届いている水準に見えます。同じ調査でこれだけ印象が変わるのは、平均が「どのくらいの人がどの階級にいるか」を何も語らないからです。平均は一部の高い側に引っ張られて動くだけで、いまの年収から500万円までのあいだに誰がどれだけいるのかは示しません。
分布で見ると、距離は違って見えます。女性の給与所得者のうち、400万円超500万円以下の階級には13.3%が入っています。年収300万円台から400万円台で働いているなら、500万円は階級をいくつも飛び越えた先ではなく、隣の階級の、そのまた隣です。
では、その1階級分をどう詰めるのか。平均年収という数字をいくら眺めても、そこには答えが出てきません。距離を動かすのは、職種ごとの水準のほうです。
なお、金額は最後まで年収(税込みの額面)で扱います。国税庁の調査が1年間の給与を階級別に集計していること、求人サイトの絞り込みも年収の単位で用意されていることが理由です。手取り額や、その手取りでどう暮らせるかという話はここでは扱いません。
正社員として働いていて、いまの年収が300万円台から400万円台にあり、次の目標として500万円を考えている女性を主に想定しています。時短勤務やパート、派遣で働いていて正社員化から考えたい場合は、後半に専用の節を置きました。1000万円級の職種の序列や、男性向けの高収入求人については扱いません。
500万は職種で決まる

女性全体の平均給与は300万円台ですが、職種別に見ると、女性だけを集計した平均が500万円台に届いている職種があります。つまり500万円に向かう道筋は、いまの職種のまま昇給を待つことよりも、その水準がある職種を選ぶことのほうに寄っています。
職種のほかに賃金の水準を動かすものとして、役職と勤続年数があります。厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」では、女性の賃金(所定内給与額・月額)は非役職者が280.1千円、係長級が365.7千円、課長級が470.3千円で、役職が上がるほど水準も上がります。ただし同じ年度の「令和7年度雇用均等基本調査」によると、課長相当職に占める女性の割合は13.2%、部長相当職では9.2%です。役職を上げる道が閉じているわけではありませんが、その道だけを前提に計画を立てると、進み方が自分の努力の外側にある要素に左右されます。
もしあなたがいまの職種のまま昇給だけで500万円を目指しているなら、職種ごとの水準を先に見ておくと、同じ努力で届く距離が変わることが分かります。目標が「年収を上げる」から「この職種に移る」に変われば、求人サイトで入れる条件が職種名や資格名になり、探す対象がその場で絞れます。
500万以上の女性の割合
冒頭で挙げた17.7%は、国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」の給与階級別の集計から算出した値です。1年を通じて勤務した女性の給与所得者22,115,675人のうち、年収500万円を超えているのが3,911,040人にあたります。同じ計算を男性で行うと51.0%で、分布の形が男女で大きく違います。
女性の階級別の構成比は次のとおりです。
| 年間給与額の階級 | 女性の構成比 |
|---|---|
| 100万円以下 | 13.1% |
| 100万円超200万円以下 | 18.4% |
| 200万円超300万円以下 | 19.0% |
| 300万円超400万円以下 | 18.5% |
| 400万円超500万円以下 | 13.3% |
| 500万円超600万円以下 | 8.0% |
| 600万円超700万円以下 | 4.0% |
| 700万円超800万円以下 | 2.2% |
| 800万円超 | 3.5% |
人数が最も多いのは200万円超300万円以下の階級で19.0%です。300万円を超えているのが約49%、400万円を超えているのが31.0%なので、500万円という線は、女性の分布のなかでは上から2割弱に入るあたりに引かれていることになります。500万円超の内訳を見ると、500万円超600万円以下が8.0%で、そこから上は階級が上がるごとに急に薄くなります。500万円は「そこから先が一気に狭くなる手前の線」にあたる位置です。
年代で変わる割合
同じ民間給与実態統計調査の年齢階層別の平均給与を見ると、女性は25歳から29歳の370.1万円が最も高く、そのあとは50代まで350万円台から360万円台で推移します。どの年齢階層でも平均は400万円に届きません。男性は同じ集計で25歳から29歳が437.6万円、35歳から39歳が573.8万円、55歳から59歳が734.6万円と、50代まで上がり続けます。
この形が意味するのは、女性の場合、年齢を重ねること自体が平均を押し上げる働きをしていないということです。あくまで各年齢階層の平均値の話であり、個々の人の給与が上がらないという意味ではありませんが、「あと数年働けば自然に届く」という前提では計画が立てにくい形をしています。500万円を目標に置くなら、時間ではなく職種と役割のほうを動かす計画が要ります。
地域で変わる割合
賃金の水準は勤務地によっても変わります。厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」では、賃金(所定内給与額・月額)の全国計が340.6千円で、これを上回ったのは東京都・神奈川県・愛知県・大阪府の4都府県だけでした。最も高い東京都は418.3千円です。
女性に絞って比べると、全国の285.9千円に対し、東京都の産業計は349.9千円です。月額で64.0千円、単純に12倍すると年に76.8万円ほどの開きがあります。この差は同じ仕事の賃金差そのものではなく、その地域にどんな産業や規模の企業が集まっているかを含んだ数字ですが、地方に住みながら500万円を目指す場合、狙える職種の幅が都市部より狭くなることは見込んでおいたほうがよいと考えられます。逆に、在宅勤務が成立する職種であれば、この地域差の影響は小さくなります。
分布・年代・地域と見てきましたが、ここまではいずれも女性全体をならした数字です。同じ年代の男女を並べたうえで、中央値や手取り額まで含めて自分の位置を確かめたい場合は、30代に絞って相場を整理した記事があります。
500万に届く職種
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」から、女性だけを集計した数値で年収を出すと、次の職種で平均が500万円台以上になります。年収は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」で算出したもので、これは厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)が賃金(年収)として使っている式と同じです。数値はすべて女性の平均で、男女を合わせた値ではありません。
| 職種(統計上の名称) | 女性の年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 |
|---|---|---|---|
| システムコンサルタント・設計者 | 769.8万円 | 34.1歳 | 8.4年 |
| 企画事務員 | 625.8万円 | 40.6歳 | 12.4年 |
| 金融営業職業従事者 | 582.6万円 | 37.7歳 | 12.4年 |
| 機械器具・通信・システム営業職業従事者 | 565.5万円 | 36.8歳 | 9.0年 |
| その他の営業職業従事者 | 552.6万円 | 38.0歳 | 9.9年 |
| 電気・電子・電気通信技術者 | 552.4万円 | 39.8歳 | 13.7年 |
| 薬剤師 | 539.4万円 | 39.7歳 | 7.8年 |
| 建築技術者 | 526.1万円 | 36.8歳 | 8.1年 |
| 看護師 | 521.1万円 | 42.5歳 | 9.8年 |
| ソフトウェア作成者 | 507.6万円 | 33.6歳 | 7.9年 |
この賃金は6月の1か月分、賞与は前年1年分を合成した値なので、実際に受け取る年収と一致するわけではありません。また調査の対象は16の大産業で、公務や農林漁業、自営業は含まれていません。統計の職種名は求人票に書かれる職種名とも一致しないため、名称は目安として読んでください。
以下、資格が水準を作る職種、IT・Web系の職種、専門性のある事務職、法人向けの営業職の4つに分けて見ていきます。
資格が水準を作る職種
看護師や薬剤師のように、業務独占の資格が賃金の水準そのものを作っている職種です。看護師は女性の平均が521.1万円、薬剤師は539.4万円で、いずれも資格を取るまでに専門の課程を修める必要があります。取得までの負担が大きい代わりに、資格が水準を支えるので、勤務先を変えても大きく崩れにくいという性質があります。
この2つの職種の年齢別の数値を見ると、看護師は25歳から29歳ですでに501.5万円、薬剤師は30歳から34歳で512.0万円と、比較的早い段階で500万円を超えます。ただし看護師の水準には夜勤や交代制の勤務が含まれています。同じ資格を持っていても、日勤だけの職場を選べば支給額はその分変わるため、求人票では基本給と各種手当の内訳を分けて見る必要があります。
なお、同じ看護の領域でも准看護師は女性の平均が423.0万円で、資格の種類によって水準が分かれます。資格職を目指す場合、どの資格まで取るかで到達点が変わることは、着手前に確かめておきたい点です。
IT・Web系の職種
資格ではなく実務経験が水準を作る職種です。ソフトウェア作成者は女性の平均が507.6万円で、平均年齢は33.6歳と、一覧のなかでは若い集団になっています。システムコンサルタント・設計者は769.8万円ですが、こちらは20歳から24歳の階級でも482.1万円あり、入口の時点で他の職種より高い位置から始まっています。
職業情報提供サイト(job tag)の「システムエンジニア(受託開発)」のページによると、入職にあたって特に学歴や資格は必要とされません。同ページには、最初は開発の一部を担当し、3年目頃には一人で詳細設計を書けるようになり、5年目頃には基本設計を含め開発全体ができるようになる、という進み方も書かれています。年齢別の数値でソフトウェア作成者が500万円を超えるのは30歳から34歳の階級(531.3万円)なので、入職から数年かけて担当できる範囲が広がることと、水準が上がることが対応している形です。
この系統の職種は在宅勤務が成立しやすく、住む場所による制約を受けにくい面があります。一方で、勤務先はSIerやコンピュータメーカーが中心で、その多くが東京や大阪の大都市圏に集中しているとも書かれています(job tag 同ページ)。在宅で働ける求人かどうかは、募集ごとに確かめる必要があります。
専門性のある事務職
同じ「事務」でも、担当する業務によって統計上の水準がはっきり分かれます。女性の平均で見ると、企画事務員が625.8万円、庶務・人事事務員が462.8万円、会計事務従事者が449.2万円、総合事務員が447.1万円です。企画事務員と総合事務員のあいだには年178.7万円の差があります。
年齢別に見ると、この差の性質がさらにはっきりします。企画事務員は30歳から34歳の階級で581.5万円に達しますが、総合事務員はどの年齢階層でも500万円に届かず、最も高い50歳から54歳でも476.8万円です。会計事務従事者も同様で、最高は55歳から59歳の494.9万円にとどまります。事務職のなかで500万円を目指すなら、年数を重ねる方向ではなく、担当する業務そのものを動かす必要があるということになります。
簿記や社会保険労務士のような資格がこの移動に効くのは、資格そのものが手当になるからというより、担当できる業務が広がるからです。job tag の「人事事務」のページは、労働法や人事労務管理に関する知識があれば有利な場合があるとしたうえで、中途入社では採用や賃金制度、社会保険関係の手続などに精通した経験者が求められると記しています。学習と並行して、いまの職場で決算や労務の実務にどこまで関われるかを確保しておくと、移動のときに示せる材料が増えます。
法人向けの営業職
営業職も、扱う相手によって水準が分かれます。女性の平均は、機械器具・通信・システム営業職業従事者が565.5万円、金融営業職業従事者が582.6万円である一方、保険営業職業従事者は446.5万円、自動車営業職業従事者は458.3万円です。法人を相手にする営業のほうが上に来ています。
機械器具・通信・システム営業は、25歳から29歳の階級で518.8万円と、20代のうちに500万円を超えています。一覧のなかでは、資格を必要とせずに早い段階で水準に届く数少ない職種です。ただし営業職の年収は固定給と歩合の組み合わせで決まることが多く、同じ職種名でも提示される想定年収の意味が会社によって変わります。求人票に「年収400万円〜700万円」のような幅で書かれている場合、その幅のどちら側で採用されるのかを面接で確認しておかないと、入社後に想定と離れることになります。
未経験から入る場合の道のり

未経験で入る時点の年収と500万円のあいだには差があり、その差は資格・経験年数・担当できる範囲の広がりのいずれかで埋まります。どれで埋まるかは職種のまとまりごとに違うので、順に見ていきます。
資格職の入口
資格が水準を作る職種は、入口の前に課程があります。看護師や薬剤師は、働きながら移るというより、養成課程に入り直すという判断になります。年単位の学習期間と学費を先に見積もる必要があるため、いま働いている職場を続けながら並行できるかどうかが最初の分かれ目です。
IT・Web系の入口
IT・Web系は、入口が資格ではなく採用枠にあります。job tag の「システムエンジニア(受託開発)」のページは、IT以外の業界の経験や知識も活かせることから、他業界からの転職者も比較的多いと記しています。同ページの調査では、入職前に必要と考える訓練期間について「特に必要ない」が23.1%、「1ヶ月超から6ヶ月以下」が28.2%となっており、入る前に長い準備期間を置くことが前提にはなっていません。年齢別の数値と合わせると、20代前半の入口が369.2万円、25歳から29歳で468.6万円、30歳から34歳で531.3万円という段になります。入ってから5年前後で500万円台に乗るという見通しの立て方ができます。
事務職の入口
事務職の場合、未経験で入りやすいのは総合事務員や一般事務の枠ですが、そこは年数を重ねても平均が500万円に届かない層です。job tag の「人事事務」のページが示す入職前の訓練期間は「特に必要ない」が47.9%と高く、入ること自体の壁は低いといえます。一方、同ページが中途入社では経験者が求められると書いているとおり、水準の高い枠に移るには実務の中身が問われます。事務未経験から500万円を目指すなら、まず事務職として入り、そこから決算・労務・企画のいずれかの実務を任される位置へ動く、という二段構えになります。
営業職の入口
営業職は、未経験の入口が比較的広い代わりに、入ってからの振れ幅が大きい系統です。法人向けの営業に未経験で入る場合、扱う商材の知識を身につけるまでの数年は提示額の下限側で推移することが多いと考えられます。年齢別の数値で500万円を超えるのが25歳から29歳の階級なので、20代のうちに入れば早い段階で水準に届く可能性がある一方、成果によって同じ職種内でも差がつく点は織り込んでおく必要があります。
入口に共通すること
いずれの系統でも共通するのは、入口で提示される年収そのものより、入ってから何年で何を任されるようになるかのほうが到達を左右するということです。求人票を見るときは、金額と並べて、研修の期間・配属先・任される業務の範囲を確かめておくと、入社後の見通しが立てやすくなります。
実務経験を書きにくい状態から正社員の入口を探す段階にいて、年代が30代にあたるのであれば、未経験から応募できる職種と選考の進め方をまとめた記事があります。
時短・非正規から目指すには
時短勤務やパート、派遣で働いている場合、500万円までの距離はもう一段大きくなります。まず現在地を数字で確かめておきます。
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、一般労働者のうち女性の賃金(所定内給与額・月額)は、正社員・正職員が304.9千円、正社員・正職員以外が218.4千円です。正社員を100としたときの水準は71.6になります。短時間労働者では、女性の1時間当たり賃金が1,418円で、実労働日数は月14.4日、1日当たりの所定内実労働時間数は5.2時間でした。
この位置から500万円に向かう順路は、二段階になります。先に正社員の枠に入り、そのあとで職種の水準を上げる、という順序です。時短勤務のまま職種だけを動かしても、支給される賃金は勤務時間に比例するため、水準の高い職種に移った効果が金額に出にくいためです。逆に、正社員に戻る段階で職種も一緒に動かせるなら、二段階を一度に進められます。
育児と並行して勤務時間を戻していく場合、勤続年数が途切れないことが効いてきます。国税庁の調査では女性の平均勤続年数は10.5年、男性は14.3年で、賃金構造基本統計調査でも女性の正社員・正職員の平均勤続年数は10.7年です。これに対し、課長級の女性は平均勤続年数が19.0年でした。役職が上がる段に乗る人ほど在籍が長いという関係です。同じ会社で在籍を続けることだけが答えではないものの、勤務時間を減らす期間があっても在籍そのものは切らさない、という選択が後から効く形になっています。
500万以上の求人の探し方
年収500万円以上の求人は、年収の条件で絞り込める求人サービスを使えば一覧できます。職種が決まっていれば職種名と組み合わせて絞り込めるので、狙う職種を決めてから使うと、見る求人の数が現実的な範囲に収まります。
マイナビ転職 女性のおしごと
年収条件で女性向け求人を絞り込めるサイト
マイナビが運営する女性向けの転職・求人情報サイトです。「初年度年収500万円以上」という条件でまとめられた一覧があり、正社員や完全週休2日といった条件と組み合わせて検索できます。年収の条件と勤務条件を同時に指定したいときに使いやすい構成です。
女の転職type
正社員で長く働く前提の求人が集まるサイト
正社員で長く働きたい女性に向けた転職サイトで、サイト自身もその位置づけを掲げています。トップページには「年収などの条件から探す」という導線があり、職種・こだわり条件と組み合わせて求人を絞り込めます。掲載されている求人が正社員を中心にしているため、非正規から正社員への転換を含めて考えている場合に、比較の対象がそろいます。
type女性の転職エージェント
職種と年収を組み合わせて相談できるエージェント
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求人を絞り込んだあと、応募先を決める前に確かめておく項目があります。
- 想定年収が幅で示されている場合、自分がその幅のどちら側で採用されるのか
- 固定残業代が提示額に含まれていないか、含まれる場合は何時間分か
- 勤務地の区分によって支給額が変わる制度になっていないか
- 賞与が年収に含まれている場合、その金額が実績なのか見込みなのか
これらは求人票だけでは判断できないことが多いため、面接や面談の場で確認する項目としてメモしておくと聞き漏らしを防げます。
狙う前に確かめること
500万円台の水準がある職種には、その水準を支えている条件がついています。条件のほうを動かせない事情があるなら、目標の金額を下げるより、向かう順路を変えるほうが現実的です。
それぞれの職種で、水準を支えている条件は次のように違います。
- 資格職
- 看護師のように夜勤や交代制が水準に含まれている職種では、日勤のみの働き方を選ぶと支給額が変わります。
- IT・Web系
- 資格が要らない代わりに、入ってから担当範囲を広げる年数が必要で、その間に学習を続けられるかが分かれ目になります。
- 専門性のある事務職
- 一般事務から企画や労務に移る道は、資格の学習と実務の両方を並行させる期間が要ります。
- 法人向けの営業
- 成果によって振れ幅が大きく、固定給の比率が低い会社を選ぶと、年によって年収が上下します。
転居を伴う異動を受けられない、学習の時間を確保できない、勤務時間をこれ以上増やせない、といった事情がある場合は、次の順路を先に検討する価値があります。
- 正社員化を先に済ませ、職種の変更はそのあとに回す
- 在宅勤務が成立する職種を選び、地域差の影響を避ける
- 夜勤や交代制を含まない職種のなかで、担当業務の専門性で水準を上げる
いずれも到達までの時間は長くなりますが、続けられない条件を選んで途中で止まるより、結果として早く着くことがあります。年収の目標は、金額だけでなく「その金額を支える条件を自分が引き受けられるか」とセットで決めるものだと考えてください。
ここで挙げた順路のうち、勤務時間や勤務形態のほうを先に決めたいのであれば、時短正社員や在宅など働き方の種類ごとに条件を比べた記事があります。
よくある質問
Q. 年収500万円の女性はすごいのですか?
国税庁の令和6年分の調査で計算すると、1年を通じて勤務した女性のうち年収500万円を超えているのは17.7%です。上から2割弱に入る位置で、女性の平均給与333万円より167万円ほど上になります。同じ計算で男性は51.0%なので、男女で分布の形が違う点は押さえておくとよいでしょう。
Q. 女性で一番稼げる仕事は何ですか?
賃金統計の上位に来るのは、医師や大学教授のように業務独占の資格や長い課程を前提とする専門職です。ただしこれらは参入までに年単位の課程が必要で、ここまで見てきた500万円台の職種とは到達の難しさが違います。いま働きながら移る先を探しているなら、上位の序列より、自分の経験から橋を架けられる職種のなかで水準が高いものを探すほうが現実的です。
Q. 年収500万円で楽な仕事はありますか?
負担が小さいことを理由に水準が高くなっている職種は、賃金統計のうえでは見当たりません。500万円台の職種を見ていくと、夜勤や交代制、成果に対する責任、資格取得までの学習期間のいずれかが水準に含まれています。どの負担なら引き受けられるかで職種を選ぶ、という順序で考えるほうが選択肢を絞りやすくなります。
Q. 地方在住でも年収500万円は目指せますか?
令和7年賃金構造基本統計調査で全国計の賃金を上回ったのは東京都・神奈川県・愛知県・大阪府の4都府県だけで、地域によって水準に差があります。地方で目指す場合は職種の選択肢が都市部より狭くなりますが、勤務地に縛られない働き方ができる職種を選べば、この差の影響は受けにくくなります。
Q. 公務員なら年収500万円に届きますか?
公務員の給与は給料表という別の制度で決まり、この記事で使っている賃金構造基本統計調査は公務を対象に含んでいません。そのため、ここに挙げた職種別の数値をそのまま公務員に当てはめることはできません。自治体や府省ごとに給料表と手当の制度が公開されているので、志望先の資料で確かめてください。
まとめ
女性で年収500万円を超えているのは17.7%で、女性の分布のなかでは上から2割弱に入る位置です。年齢を重ねるだけでは平均が400万円にも届かない形をしているため、この線を越えるには職種と担当業務のほうを動かすことになります。
賃金統計で女性の平均が500万円台に届いているのは、資格が水準を作る職種、実務経験が水準を作るIT・Web系、事務職のなかでも企画や労務を担う枠、そして法人向けの営業でした。同じ「事務」でも企画事務員と総合事務員で178.7万円の差があるように、職種名の粒度を一段細かくして見ると、届く先とそうでない先が分かれます。未経験から入る場合は、入口の提示額より、入ってから何年で何を任されるようになるかを求人票で確かめるほうが到達を左右します。
まずは年収の条件で絞り込める求人サービスに登録して、この記事で候補にした職種名と500万円という条件を組み合わせ、実際に募集が出ているかを見てみてください。募集が並ばない職種があれば、その時点で候補から外せます。